キッチンで水漏れが起きたら、「とにかく何とかしたい」と誰もが思うことでしょう。
キッチンの水漏れは、自分で解消できることも多くあります。しかしまず大事なことは水を止めることです。被害を最小限に抑えなければなりません。
事態を悪化させないためにも、水漏れの原因、対処法を理解しましょう。水漏れは自宅の被害だけでは済まない場合もあります。迅速で冷静な判断ができるよう、以下の記事を活用いただけたらと思います。
目次
シンクの水漏れに対する応急措置4ステップ
シンクの水漏れは急に発生すると、焦ってしまうものです。ただ、水漏れが起こった場合、正しい応急措置をする必要があります。
ここでは、シンクの水漏れに対する応急措置を4つのステップに分けて解説します。
ステップ①:止水栓・元栓を閉める
水漏れを放置してしまうと、床や壁などが濡れて被害が拡大する恐れがあります。そのため、まずは水漏れそのものを止めなければなりません。
水漏れが起きた場合は、最初に止水栓や元栓を閉めましょう。止水栓を閉めればシンクの水が、元栓を閉めれば家の中の水がすべて止まります。順番としては、止水栓を閉めてから元栓を閉めましょう。
止水栓や元栓の場所は家庭によって異なるため、事前に水道会社などに確認しておくのがおすすめです。
ステップ②:バケツなどで水を受け止める
止水栓や元栓を閉めても水漏れする場合、バケツなどで水を受け止めましょう。バケツがなければボウルや桶など、水を溜められるものを準備してください。
バケツやボウルなどで水を受け止めておくと、床や壁、家具などの水漏れによる被害を最小限に抑えられます。
特に賃貸住宅の場合、水漏れを放置してしまうと隣の部屋や下の階の人にまで迷惑をかけてしまうかもしれません。水道修理業者を呼んだ場合も、到着するまでにある程度時間がかかります。そのため、水を受け止めておくのは非常に重要な応急措置になります。
ステップ③:水漏れ箇所を特定する
水を受け止める体制が作れたら、水漏れ箇所を特定しましょう。水漏れ箇所を特定すると修理作業の際に役立ち、軽度であれば自分で修理できる場合もあります。
水漏れの原因はシンクの排水口や給水管など、さまざまな箇所にある可能性があります。そのため、水漏れの原因を特定すると、自分で修理するときに役立つのです。
また、水道修理業者へ依頼する場合も説明ができるため、修理作業をスムーズに進められます。
ステップ③:水分を拭き取って塞ぐ
水漏れ箇所を特定できたら、水漏れ箇所を拭き取って塞いでおきましょう。水漏れ箇所を拭き取ってから塞ぐと、一時的に水漏れを防げます。
水漏れ箇所を塞ぐ際は、防水テープがおすすめです。ただ、あくまで応急措置のため、すぐに水道修理業者へ依頼しましょう。
応急措置まとめ
シンクの水漏れが発生したら、まずは応急措置をする必要があります。シンクの水漏れに対する応急措置は、下記の4ステップです。
- 止水栓・元栓を閉める
- バケツなどで水を受け止める
- 水漏れ箇所を特定する
- 水分を拭き取って塞ぐ
上記のような適切な対処をすると、被害を最小限に抑えられます。しかし、修理が必要な場合は、すぐに専門の水道修理業者へ依頼しましょう。
キッチンから水漏れしてしまう原因は?
水漏れを確認したら、原因を突き止めなくてはなりません。
キッチンからの水漏れの原因はさまざま考えられます。シンクの中からシンクの下の排水管など、見落としの無いようにしっかりと点検してください。
被害が拡大しないように、下記を参考にひとつずつチェックして原因を特定しましょう。特定できたら適切な対処をし、早急に水漏れを解消する必要があります。
ナットの緩み
シンクの下の排水管を確認します。排水トラップと排水管・排水パイプの接続部分にナット(内側部分に螺旋状の溝が入ったネジ)と呼ばれる部品がいくつかあります。
このナットが緩むと、接続部分に隙間ができてしまい、水が漏れ出す原因となります。ナットが緩んでいないかどうかチェックしてみてください。触ってわかるほどの緩みであれば、ナットをしっかりと締め直すことで、水漏れは解消できるでしょう。
ゴムパッキンの劣化
シンクの中に設置されている排水口のゴムパッキンの劣化も考えられます。劣化してゴムが固くなると、弾力性がなくなり隙間ができてしまいます。その結果、シンクの下の排水溝との接続部分から水が漏れてしまうことがあります。
同様に、排水管の接続部分のゴムパッキンも劣化している可能性があります。ゴムパッキンの耐用年数は10年ほどと言われており、経年劣化は避けることができません。普段から水の使用量が多ければ、もっと早い段階で劣化による水漏れが確認できるでしょう。
この場合は、ゴムパッキンを交換することで、水漏れは解消できます。定期的にゴムパッキンの状態を確認し、劣化が見られれば早めに交換することで、水漏れを防ぐことにも繋がります。
ホースと排水管のズレ
排水ホースは、キッチンの床下の排水管に繋がっています。排水管に差し込むように取り付けられているため、意外と簡単に排水管からずれてしまうことや、抜けてしまうことが考えられます。
シンクの下はほとんどの場合が収納スペースになっているので、キッチン用品を収納している方も多いことでしょう。物を出し入れする際にホースが抜けてしまい、気づかないまま放置されるケースがあります。
なかなか目につきにくいので、知らないうちに床が水浸しになってしまうのです。抜けてしまうことが分かっていれば、物を取り出す際も注意して行えるのではないでしょうか。一度実際に、構造を見ておくといいかもしれません。
ホースの故障
排水ホースもよく点検してください。小さな亀裂や穴はありませんか?排水ホースも経年劣化で水漏れが起こりやすい場所のひとつと言えます。
ビニール製の排水ホースを使用していると、経年劣化によりホースが破れてしまうことがあります。水が流れる度に、排水ホースから水が漏れてくるので、シンク下がビショビショになってしまうのです。
防水テープや補修用のパテを使うことで一時的に水漏れを回避することはできますが、あくまでも応急処置です。排水ホースを早めに取り換えることが、最善と言えます。
蛇口の故障
蛇口から水漏れしている場合は、蛇口のパッキンの劣化やナットの緩みのほかに、フィルターやカートリッジの汚れが原因と考えられます。
パッキンの交換やナットの緩みであれば、自分で対処できますが、専門業者に修理を依頼しなければならないケースも出てくるでしょう。また、シンクの下に水漏れが伝っている場合は、シンクと蛇口の隙間を埋めているシーリング(コーキング)剤が劣化しているのかもしれません。
シーリング(コーキング)剤が剥がれている場合は、合わせて修理する必要があります。蛇口からの水漏れだけだと思わずに、必ずシンクの下の確認も忘れずに行ってください。
排水管がつまっている
排水管から水が漏れている場合は、排水管のつまりも疑いましょう。排水管の中にゴミや汚れが溜まり、つまりを引き起こしている可能性があります。
つまりを解消しない限り、水が逆流して来てしまうので、まずは排水管を掃除することが重要です。排水管はナットを緩めて外すことができます。外すことに不安がある場合は、シンク上の排水口からパイプクリーナーや重曹などを使用して、洗浄すると良いでしょう。
つまりが解消されれば、水漏れは止むはずです。洗浄しても水漏れが解消されなければ、専門業者に清掃を依頼して水漏れを改善してもらわなければなりません。つまりによる水漏れは被害が大きくなる可能性があるので、注意が必要です。
給水管や給湯管の故障
シンクの下には、水やお湯を運ぶための給水管や給湯管があり、蛇口に繋がっています。この給水管や給湯管から水やお湯が漏れている場合もあります。
原因は給水管や給湯管自体の破損や、取り付けられている止水栓の故障が考えられます。止水栓が通常通り機能していれば、まず止水栓を閉めましょう。
止水栓を閉めることができなければ、元栓を閉めて水の流れを止める必要があります。給水管や給湯管の故障は、専門業者による点検が必要不可欠です。防水テープなどを使用した応急処置で済ませずに、早急に専門業者に点検、修理を依頼してください。
キッチンの水漏れは放置しても良い?
水漏れを放置することは、被害を拡大させ危険を招くだけではなく、さまざまなトラブルを生むことになり得ます。水漏れを放置していて良いことはひとつもありません。
水漏れを放置することがもたらす危険性について、ここでしっかりと確認しましょう。そして水漏れを見つけたら、すぐに対処するよう心がけておくことが大切です。
水道の料金が上がってしまう
「ほんの少しの水漏れだから」と思って放置してはいませんか?
長い時間、水漏れが続けば、水道料金は高額になります。目に見えている箇所だけの水漏れとも限りません。請求書を見て慌ててしまわないよう、ほんの少しの水漏れでも確認したら、原因を特定しすぐに対処する必要があります。
また普段どおりの生活なのに水道料金が上がっていたら、どこかで水漏れが起きているのかもしれません。すぐに点検してみましょう。
自分で水漏れ箇所が確認できない場合は、水道局や専門業者に相談すると良いでしょう。
ご近所トラブルに発展してしまう場合も
特に注意が必要なのが、マンションなどの集合住宅での水漏れです。水漏れを放置したことにより、階下や隣に浸水などの被害を出してしまったら大変です。
場合によっては高額な損害賠償を請求されることも考えられます。自宅の水漏れを修理するだけでは済まず、ご近所トラブルに発展する可能性も十分にあることを心に留めておきましょう。
カビやシロアリが発生してしまう
水漏れを放置してしまえば、湿気がどんどん溜まっていきます。そして湿気が多い場所には、カビやシロアリが発生します。床下や天井裏、家具の裏側など見えにくいところでカビが広がってしまうと、除去するのも簡単ではありません。
またカビは嫌な臭いを放つ原因にもなりますし、アレルギーを引き起こす危険性も含んでいます。シロアリが発生すれば、気づかぬうちに家の柱を食べられ、家を傾かせてしまいかねない大変な事態になります。
シロアリを駆除するためには、専門業者に依頼しなければならず、費用も高額です。シロアリ発生は未然に防がなければなりません。
湿度が上がってしまう
水漏れの放置は、湿度の上昇につながります。
適度な湿度は必要ですが、湿気だらけの環境は悪影響を及ぼします。その大きなひとつがダニの発生です。ダニが発生すると、皮膚をダニに刺されるほか、目のかゆみ、咳などといった症状が出るようになります。症状の悪化を防ぐためにも、ダニをしっかりと退治しなければなりません。
またダニの発生を抑えるためには、水漏れを解消し、湿度を上昇させないようにすることが必要です。
床材が剥がれてしまう
水漏れの放置によって上昇した湿度は、床材などにも悪影響を与えます。床材や壁、天井のクロスの接着剤が湿気によって剥がれてしまうのです。
その結果、床や壁、天井のあちらこちらでクロスが剥がれてくるといった事態を招きます。湿気が溜まる環境が長く続くほど、クロスが剥がれるリスクが高くなり、修繕箇所も増えて行きます。早急に水漏れを解消することが大切です。
家電や人体にも悪影響がある
キッチンにはいくつもの家電製品を置いていることでしょう。湿度が上昇したままの環境が続けば、家電製品が壊れてしまうこともあり得ます。買い替える必要も出てくるかもしれません。
また水漏れが原因で家電製品から漏電し、火災へつながる危険があるため特に注意が必要です。
少しの水漏れと甘く見るのは、禁物です。水漏れが起こりそうな場所の近くには、家電製品を置かないように気をつけましょう。
地盤が沈下してしまう恐れもある
水漏れが地中の水道管や給水管から起こった場合は、地盤沈下につながることもあります。溢れ出た水により、水道管などの周りに空洞が作られ、上の土が空洞に落ちてしまうためです。
気づかれずに長い期間水漏れしていた場合には、大きな被害となることが予想されます。地中の水漏れは、簡単に気づけない場合も多いことでしょう。もし何か異変を感じたら、すぐに専門業者や水道局に相談してみましょう。
キッチンの水漏れは自分で対処できる?
水漏れを見つけ、慌てて専門業者を呼ぶ前に自分で対処できることもあります。
自分でできる対処法を知っていればいざという時に役立つので、簡単な修理方法は把握しておきましょう。
しかし、自分で対処することに不安がある場合は、無理をせず迷わず専門業者に依頼することも大切です。
自力でできる場合もある
キッチンの床やシンクの下がビショビショに濡れていたら、どこから水漏れしているのか、水漏れ箇所を特定しなければなりません。水漏れ箇所が分からなければ、適切な対処ができないからです。
水漏れ箇所やその原因によっては、自分で対処し水漏れを解消することが可能です。たとえばホームセンターなどで気軽に購入できるパッキンの交換などであれば、自分で対処することができるでしょう。
ただし無理なく交換箇所が外せて、適切なパーツの購入ができる場合に限ります。部品やパーツが購入できない場合や、分解しなければならない場合、修理や交換に不安がある場合は無理に行ってはいけません。無理のない判断をすることがとても重要です。
どこから水漏れしているかを確認する
まず、どこから水漏れしていて何が原因なのかを確認しましょう。
床やシンクの下など水の伝っている跡がないか、目で確認します。次に、排水管や排水ホースの接続部分の緩み、穴や破損がないかを点検しましょう。
小さい傷でも水が滲み出てきている可能性があります。注意深く見ることが大切です。点検が済んだら、コップなどから水を流してみて、排水部分のどの箇所から水漏れしているのかを特定します。排水部分からの水漏れ箇所が特定できなければ、蛇口から水を流してみましょう。
蛇口からの水漏れ、もしくは給水管やシンクの隙間からの水漏れがあるかもしれません。適切な対処をするためには、水漏れ箇所の特定が大切です。万が一水漏れ箇所がわからない場合には、専門業者に相談しましょう。
接続部分やパッキンが原因の時は自分で試してみる
排水ホースや排水パイプ、排水管の接続部分の緩みが水漏れの原因の場合は、しっかりと締め直すことで、水漏れが解消できるはずです。緩んでいる箇所が確認できたら、自分で締め直してみましょう。
水を流してみてまったく漏れてこなければ、締め直す対処だけで問題ありません。緩みに問題がなければ、パッキンの劣化が考えられます。パッキンは水流の影響を受け、摩耗し、変形するなどの経年劣化を避けることができません。
劣化してできた隙間が原因の水漏れであれば、自分でパッキンを交換することで水漏れは解消できます。無理なくパッキンが取り外せるようであれば、ホームセンターなどで購入可能か確認しましょう。サイズや種類などは同じものを用意する必要があります。
購入できれば、外した時と逆の手順でパッキンを交換します。交換した後には、水を流して問題がないか、必ず確認するようにしましょう。
排水口パッキン交換も自分で対処できる場合がある
シンクの中の排水口のパッキンが原因であれば、自分で交換できる場合があります。構造を確認してみて、問題なさそうであれば、自分で交換してみましょう。
まず、シンクの下から排水トラップのナットを緩めて、排水トラップを下から持ち上げられる状態にします。次に、排水トラップを下から持ち上げて、シンクの中から掴みパッキンを外します。外す際に水が出てくる可能性があるので、タオルを用意して行うと良いでしょう。
外したパッキンはサイズなどを間違えないためにも、新しいものを購入する際に、持参することをおすすめします。新しいパッキンを用意できたら、外した時と逆の手順で交換しましょう。不安なくできれば、新しいパッキンの費用だけで修繕費を抑えることができるので、試してみるのも良いのではないでしょうか。
部品の交換や本体の取り換えは業者に相談しよう
自分での対処が難しい場合は、速やかに専門業者に依頼しましょう。交換部分の分解が必要な場合や、本体を取り替えなければならない時は、専門的な知識や技術が必要となります。
また水回りの不完全な修理はとても危険です。自分で無理に行ったために、元に戻せなくなったり、破損箇所を増やしてしまうなど、事態が悪化してしまう可能性がとても高くなります。
またその分、費用も多くかかることになり、水漏れの解消までに時間もかかってしまうことでしょう。水漏れ箇所が特定できない場合にも、専門業者に点検を依頼し、すぐに見てもらう必要があります。専門業者であれば、自分では確認できないような箇所や原因に気づいて、迅速に水漏れを解消してくれることでしょう。
場所ごとの対処方法を紹介!
キッチンの水漏れには、いくつもの原因があります。また水漏れを起こす場所も目に付きやすい所から確認しにくい所までさまざまです。
ここでは、水漏れの場所別の対処法をご紹介します。自分で水漏れを解消することが可能な場所もありますので、覚えておくと役立つでしょう。水回りのトラブルは、いかに素早く対処するかが非常に大切です。冷静に対処できるようぜひ参考にしてください。
シンクと排水トラップの繋ぎ目
シンクと排水トラップは、直接繋がっています。シンクと排水トラップの繋ぎ目からの水漏れは、ゴムパッキンの劣化かナットの緩みが原因の場合がほとんどです。
排水トラップは、中に水が溜まる仕組みになっているので、水が溢れた時に困らないよう、タオルなどを準備してから対処するようにしましょう。まずナットの緩みがないかを確認します。
緩みがあれば、締め直すことで水漏れが解消されるはずです。水を流して確かめてください。ナットの緩みが原因でなければ、ゴムパッキンを交換しましょう。まずシンクの下にある排水トラップのナットを緩めます。
排水トラップが動かせる状態になるので、排水トラップを上に持ち上げます。シンクの中から排水トラップを掴みゴムパッキンを外します。同じサイズ、種類の新しいゴムパッキンを用意し、交換します。排水トラップを元に戻したら、水を流して問題がないか確認することを忘れないようにしましょう。
排水ホースと排水トラップの繋ぎ目
部品と部品との繋ぎ目から水漏れしている場合は、ナットとゴムパッキンに問題がある場合がとても多いです。ナットが緩んでいるか、もしくはゴムパッキンが劣化しているので、この2つを確認していきます。
まずナットの緩みを見てみましょう。緩んでいるようであれば、しっかりと締め直すことで改善が見られます。ナットに緩みが無ければ、ゴムパッキンの劣化が考えられるのでゴムパッキンを交換しましょう。
排水トラップと排水ホースの接続部分にあるナットを緩めて、排水ホースを取り外します。接続部分のゴムパッキンを新しいものと交換して、逆の手順で元に戻します。水を流して水漏れしないことを確認しましょう。
排水ホースの破損
排水ホースは経年劣化に伴い、裂け目ができる、穴が開くなど破損することがあります。また塩化ビニール製の排水ホースは、熱湯を流すことで変形する場合があるので、注意が必要です。
排水ホースの破損による水漏れは、防水テープを破損個所に巻くことで、一時的な応急処置は可能です。しかし、根本的に水漏れを解消するには、排水ホースを交換しなければなりません。
まず、床下の排水管との接続部分にあるキャップとゴムを外してください。外すと排水管から排水ホースが抜ける状態になります。次に、排水ホースを排水トラップから外します。溜まっている水が出てくる場合があるので、タオルなどを準備しておくと良いでしょう。
逆の手順で新しい排水ホースを取り付けていきます。新しいホースが長い場合は、丸めずに排水管側をカットして調節します。交換に不安がある場合は、無理をせず専門業者に依頼しましょう。
給水管の接続部分と蛇口からの水漏れ
蛇口と給水管の接続部分からの水漏れの原因には、接続部分のナットの緩み、ゴムパッキンの劣化、シールテープの劣化があげられます。シールテープは接続部分の水漏れ防止の働きがありますが、経年劣化に伴いその働きも弱くなると考えられます。
それでは対処法を確認しましょう。作業をする時は止水栓を閉めてから行ってください。まずはナットの緩みを確認しましょう。緩みがなければ、劣化したゴムパッキンを交換します。蛇口と給水管の接続部分のナットを外し、新しいゴムパッキンと交換します。
蛇口をはめたら、止水栓を緩めて問題がないか確認してください。シールテープを交換する場合も、同じ要領で行います。接続部分を外したら、古いシールテープを剥がし、新しいシールテープを巻きなおします。
蛇口からの水漏れは、ナットの緩みやパッキンの交換など簡単に行える作業以外の原因もあり得ます。不安がある場合は、専門業者に依頼して見てもらう方が良いでしょう。
排水パイプと床下排水管の繋ぎ目
排水パイプと床下排水管の繋ぎ目から水漏れしている場合は、排水パイプが抜けているか、排水管がつまり、水が逆流している可能性があります。
多くの場合、排水パイプは接続部分の防臭ゴムと共に比較的簡単に抜ける構造になっています。排水パイプがずれてしまったことにより、排水が漏れてしまっている場合は、排水パイプを適切な位置に戻すことで水漏れが解消されます。
床下排水管のつまりが原因であれば、専門業者による対処が必要となります。つまりの箇所を特定し、つまりを除去してもらわなければなりません。排水パイプが適切な位置にあるにも関わらず、水漏れが確認できた場合は、床下排水管のつまりの可能性が高いと言えるでしょう。
できるだけ早く、専門業者に連絡することをおすすめします。
キッチンの水漏れを予防するには?
キッチンの水漏れを予防するには、いくつかのポイントがあります。日頃から習慣になっていれば、難しいことではありません。
水漏れを防ぐことにつながるので、ポイントを抑えてできることからぜひ実践して見てください。水漏れは起きてしまうと大変です。
対処も簡単なことばかりではありません。できる限りの予防対策をしっかりとして、水漏れを起こさないよう心がけましょう。
排水管つまりを防ぐ
排水管がつまらないように日頃から予防することは大変重要です。ポイントは油を流さないことです。ついついそのまま水で流してはいませんか?油はつまりの一番の原因となります。
冷えた油が排水管の中で固まり、徐々に蓄積してしまうのです。食器やフライパンに残った油は、そのまま排水口へ流さないよう注意しましょう。キッチンペーパーなどで拭き取ることを習慣にすると、流れてしまう油を大幅に減らすことができます。
また細かな食べ残しや、調理で出た野菜くずなどもつまりの原因となります。排水管へ流れてしまわぬよう、排水溝にネットを被せるなどの対策をとると、効果的なつまり予防になります。
排水ホースの劣化や破損を防ぐ
水漏れを予防するためには、排水ホースを傷めるような使い方をしてはいけません。排水ホースの経年劣化は避けられませんが、劣化を早める原因のひとつに熱湯があります。
熱湯を流してしまうと、塩化ビニール製の排水ホースは変形したり、破損につながる場合もあるので注意が必要です。熱湯を使ったら冷ましてから流すか、水と一緒に流すようにしましょう。
100℃を超えるような熱湯を流すことは絶対に避けてください。一度、自宅の排水ホースの素材も確かめておくと良いかもしれません。
手入れや掃除をこまめに行う
水漏れを予防するには、大きな原因となるつまりを起こさないことや、小さな異変に早く気づくことがとても重要と言えます。そのためには、お手入れやこまめな掃除を欠かすことはできません。
キッチンを使用した後に、多めの水を流すだけでもつまり予防となります。また毎回お湯を10秒ほど流すこともおすすめです。油やこまかな食べ残しが排水管に溜まるのを防ぐ効果があります。
定期的にパイプクリーナーや重曹を使って排水溝をお手入れすることもつまり予防に大変役立つと言えるでしょう。ポイントはつまりが起こる前に使用することです。また蛇口回りやシンクの下もこまめに掃除をしていれば、ナットの緩みやその他の異変にも気づきやすくなるでしょう。素早い対処が被害を抑えることにもつながります。
自力での修理が難しい場合は業者に相談してみよう
修理や交換は絶対に無理をしないことが大切です。
ナットが固くなっていてどうしても回せない場合など、作業自体は難しくなくても、無理に回そうとしては別の破損を引き起こす可能性もあります。被害の拡大につながる危険性もあることを心しておくことです。
自分での修理が不安、難しいと感じたら、迷わず専門業者に相談しましょう。確実な修理は何よりも安心安全です。
業者に依頼するメリット
専門業者に依頼する最大のメリットは、確実で安心安全であることです。水回りの修理や工事は未完全だと後々大変な被害をもたらすことがあります。
専門的な知識と技術を持つプロだからこその確実な仕事は、生活を守ることにも繋がります。また迅速に解決してくれる点も替えがたいメリットと言えます。自分でできそうな簡単な修理であっても、不安があれば、迷わず専門業者に依頼しましょう。
無理をして事態が悪化しては元も子もありません。また修理する時間のない方や、交換する部品が手に入らない、という場合も専門業者に依頼して、少しでも早い解決を目指した方が良いでしょう。
料金や修理時間の目安
専門業者に依頼した場合の料金や修理時間について見てみましょう。料金については業者によってもかなりの幅がありますが、部品を交換しない調整だけだとしても、おおよそ4000円位からと思っておくと良いでしょう。
そこに交換する部品代や作業代などが加算されていくようになります。あくまでも現場の状況や作業内容などによって、大きく変わってくるので不安な場合は事前に見積もりをお願いして確認するようにしましょう。
修理時間は、軽度のつまりや部品交換であれば20~40分程度で済みますが、大がかりな除去作業や交換が必要となった場合は、時間も多くかかります。料金、時間共に修理の内容、場所によって大きな違いがあることを理解しておきましょう。
業者に依頼する時に注意したい点
最後に注意点について確認しましょう。専門業者に依頼する時は、時間帯に気をつけましょう。緊急の時はやむを得ませんが、夜間や早朝は割増料金となる場合がほとんどです。
一時的な処置をして通常料金の時間帯で問題がないのであれば、夜間、早朝を避けることで費用を抑えることにもなります。料金についても注意が必要です。料金表や見積もりを出してもらった場合でも、含まれていない料金があるかどうかを確認するようにしましょう。
表記の仕方は会社ごとに異なります。あとあとトラブルにならないためにも、事前の確認を怠らないようにすることが大切です。
まとめ
水漏れは頻繁に起こることではありませんが、だからこそいざという時に、慌ててしまうものです。自宅キッチンの水回りの構造を、この機会に一度確認しておくことをおすすめします。
シンクの下の構造もじっくり見ておくことで、対処もスムーズに行えるかもしれません。知らずにいるよりも、知っておくことで、素早い判断にも繋がります。また水漏れを予防することの重要さもご理解いただけたことでしょう。
ちょっとした毎日の習慣が、水漏れ防止の第一歩です。毎日使うキッチンです。水漏れの心配などすることなく、美味しい料理を楽しく作って、リラックスした時間を過ごしましょう。