水道管が凍結する温度は一般的に-4度からと言われています。とはいえ、実は-4度までに至らずとも、凍結するケースも少なくありません。
今回は、水道管が凍結する条件や凍結から守る方法、凍結した場合の対処法をご紹介します。
目次
水道管が凍結する温度とは?
水そのものは0度になれば凍り始めますが、水道管は-4度前後から凍ると言われています。氷点下に到達したからといってすぐに凍るわけではなく、徐々に凍りはじめるため、完全に凍結するにはある程度の時間を要します。
しかし、場合によっては氷点下に至らなくても凍結する恐れもあります。
水道管が凍結する条件とは?
水道管が凍結する理由は大きく分けて3つあります。
条件1.日当たりや方角などの場所
1つ目の条件は、日当たりや方角などの場所が挙げられます。
水道管や給湯器など、湯水の供給に欠かせないものが外に設置されていると、室内にあるときに比べて早い段階で凍結します。特に、日の当たりにくい北側や日陰に設置されていると、残雪などによって周囲が冷えやすいため、凍結しやすいとされています。
条件2.吹きさらし
2つ目の条件は、吹きさらしの場合です。
水道管には常時水が溜まっています。いつでもすぐに水が使用できるのは、水道管にいくらかの水が残っており、水道管内部の圧力によって引き出されるためです。
しかし、水道管が地上にむき出しだと、残雪による冷たい風によって吹きさらしとなり、内部に残っていた水が凍ってしまうのです。この場合、-4度を下回らなくても凍結が発生し、住宅内の水が使用できなくなります。
条件3.設置状況
3つ目の条件は設置状況です。
水道管がむき出しにもかかわらずそのままの状況で使用していれば、-4度を下回らなくても凍結します。設置状況に心当たりがある場合は、保温対策を取り入れましょう。
水道管を凍結から守る方法
凍結から水道管を守るため、以下の3つの方法を押さえておきましょう。
1.保温対策の実施
設置場所や状況などによっては、0度であっても凍結がはじまります。もし水道管がむき出しの状態で設置されているのであれば、ホームセンターなどで保温カバーを購入し、巻き付けると良いでしょう。
保温カバーは半分側に切れ込みが入っているもので、水道管にかぶせるのみで保温できます。価格も1,000円ほどで購入できるものが多いので、凍結の恐れがある地域はできるだけ早めに保温対策を実施しましょう。
2.水の流れを確保する
保温対策ができない場合、または急に大寒波が周辺を襲うといったときは、水の流れを確保すると良いでしょう。
水道管には常時水が溜まっていて、いつでもすぐに給水できる仕組みになっています。給水しやすいよう、水道管には圧力がかかっているので、蛇口をひねればすぐに水が出るようになっています。
凍結の恐れがある場合は、キッチンや洗面台など、できるだけ温かい場所の蛇口から、鉛筆の芯ほどの細さで水を流し続けましょう。
このとき、バケツや洗い桶に水を溜めて、再利用することをおすすめします。微量でも長時間長し続ければ水道料金も計測されるため、無駄のないようにトイレや調理用、洗顔用などに使い回しましょう。
3.水を落としておく
水道管の内部に水が残っていると、凍結する可能性が高くなります。「水の流れを確保するには水道料金が気になる」「とはいえ保温カバーを購入するまでの時間がない」といった場合は、各水まわりの水落としを実施すると良いでしょう。
キッチンであればシンク下の物置に、洗面所であれば給水管の付近にハンドルタイプ、またはレバータイプの蛇口が付いていることがあります。
これは水道管に溜まった水を抜く場所で、水落としをすることで簡単に水道管の凍結を予防できます。蛇口から水を落とし、出なくなったら水道管内部の水がなくなった証拠です。蛇口から水を落とすときは、あらかじめバケツや洗い桶を用意してから行いましょう。
水道管が凍結した場合は、家にある物を使って解凍することも可能です。ここでは、水道管凍結に気付いたときに試してほしい対処法をご紹介します。
1.ドライヤーをあてる
水道管が凍結した場合は、ドライヤーをあてて対象箇所を温めてみましょう。満遍なく温めることで、内部の水が溶け始め、水の使用が可能になるでしょう。ただし、温風を使うのではなく、ぬるめの風を満遍なくあてるよう注意しましょう。
2.温めたタオルを置く
お湯で温めたタオルを水道管に置き、冷たくなったら再度タオルを温めて水道管に置く、といった方法も効果的です。
ただし、定期的に外へ出て、タオルの様子を見なければならないため、天候や気温によっては凍結を早めてしまう可能性もあります。温めたタオルを水道管に置いた場合は、こまめに様子を見に行きましょう。
3.カイロを置く
自宅にカイロがある場合は、凍結した部分にカイロを置く方法も効果的です。お湯を使うよりも時間がかかりますが、そのまま置いておくこともできるので安全・簡単に解凍できるでしょう。
4.タオルとお湯を使う
タオルとお湯を使うのであれば、タオルを水道管に巻き付け、ぬるめのお湯をゆっくりかけるのもおすすめです。広範囲にわたって解凍しやすくなるので、速やかに解凍させたいときに効果的です。
ただし、早く解凍させたいといった理由から熱湯を使用するのは厳禁です。水道管が熱膨張を起こし、破裂・破損する可能性があります。
5.自然解凍を待つ
最終的な方法としては、自然解凍を待つ方法があります。午前中から午後2時頃までに気温が上昇するようであれば、そのまま放置しても解凍します。
自然解凍の場合は3~6時間ほど時間がかかると言われているので、すぐに水を使う予定がない場合や、自宅を留守にする場合などに有効です。外出前は天気予報に目を通し、気温が10度以上上がるようであれば、そのまま放置して解凍するのを待ちましょう。
解凍させるときに気を付けるべき3つの注意点
ここでは、凍結した水道管にやってはいけない行動を3つご紹介します。
1.ドライヤーをあてたままその場から離れない
1つ目は、ドライヤーを水道管にあてたまま、その場から離れてしまうケースです。ドライヤーをあてたままその場から離れると、風などによってドライヤーが落下し、火災などにつながる恐れがあります。
また、延長コードなどを使ってドライヤーを使用するときは、天候によっては雨水が延長コードとドライヤーの電源プラグに付着してショートする可能性もあります。
火災や感電など重大な事故につながる恐れもあるので、ドライヤーを使用する場合はその場から離れないよう留意しましょう。
2.熱湯を使わない
水道管を解凍させたいという理由で、熱湯を直接水道管にかけるのも厳禁です。すでに凍結した水道管は、耐熱温度が60度ほどと下がっているため、熱膨張によって破損や破裂する可能性があります。
3.破裂などの異常があるときはお湯を使用しない
水道管に破裂などの異常がみられるときは、お湯を使用しないでください。この場合、凍結によって破裂している可能性が考えられ、そのうえにお湯をかけてしまうと破裂場所が広がり、大がかりな修理が必要になります。
まとめ
本記事では水道管の凍結温度や凍結の条件、対策や対処法についてご紹介しました。水道はライフラインのひとつであり、使用できなくなれば快適な暮らしが維持できません。
水道管を凍結させないためにも、早い内に対策を取り入れるのが望ましいでしょう。