常に水を使うトイレは、住宅設備の中でも水漏れトラブルが発生しやすい場所です。使えないと非常に困る場所でもあるため、早急に修理を試みる人も多いでしょう。
プロにお任せするのがもっとも確実ではありますが、原因によっては自力で修理対応できるケースも。トイレの水漏れトラブルの原因別に、対処法を詳しく解説します。「どうしよう…」と困ったときには、まず参考にしてみてください。
原因1:タンク内の部品の破損
トイレのトラブルで、比較的多く見られるのがタンク周辺からの水漏れです。常に水で満たされているトイレタンクだからこそ、さまざまな事情により漏れ出してしまう可能性があります。タンク内部の部品が破損すれば、本来の役割を果たさなくなってしまうでしょう。基本的には、破損している部品を突き止め、新しいものに交換すれば修理完了です。
トイレから常にチョロチョロ音が聞こえている場合、タンクの水が便器内へと常に漏れ出している可能性があります。この場合、破損の可能性があるのはボールタップもしくはタンク下部のフロートゴムです。これらの部品が破損していると、タンク底の栓が自動で閉じる仕組みが働かなくなり、常に水が漏れ出してしまいます。どちらの部品に異常があるのか、確認した上で、新しいものへと交換しましょう。
このほかにも、タンク内のオーバーフロー管やチェーンの破損によって水漏れしているケースもあります。一つひとつの部品を丁寧にチェックしながら、破損や劣化の有無を確かめてみてください。
部品そのものに異常がなくても、「内部でチェーンが絡まっている」「ゴミがはさまって正常な動作ができていない」という理由でトラブルが発生する可能性も。この場合、ゴミを取り除いて再度正しい形にセッティングし直せば、水漏れも解消できるでしょう。
原因2:給水管や止水栓の接続部分のトラブル
トイレ周りには、タンクに水を流すための給水管や止水栓があります。これらの接続部分に何らかのトラブルが発生することで、水漏れトラブルが発生するケースもあります。こちらも比較的よくあるトラブルで、自力対処が可能です。
給水管や止水栓の接続部分からポタポタと水が落ちている場合に考えられるのが、内部に使われているパッキンの劣化です。ゴム製のパッキンは、時間の経過とともに劣化するもの。定期的な交換を前提に作られているため、部品の手配や自力での作業もそれほど難しくはありません。
まずは元栓を閉めて、部品を一つずつ取り外していきましょう。パッキンを新しいものへと交換したら、逆の手順で再度取り付けていきます。最後に元栓を開いて、水漏れが解消しているかどうか確認してみてください。普段回す機会がないナットは、硬くて動かすのに苦労する可能性も。力を入れすぎて破損しないよう注意しましょう。
何らかの事情で接続部分のナットが緩んでしまっている場合も、水漏れトラブルが発生します。この場合、部品を交換する必要はありません。緩んでいるナットをしっかりと締め付けた上で、新たに水漏れしていないかどうか、慎重に確認してみてください。
原因3:温水洗浄便座の故障
温水洗浄便座は昨今人気の設備ですが、その寿命は約10年と言われています。洗浄ノズルが故障すると、水が止まらなくなってしまうケースがあります。ノズルのみを交換できるかどうか、取扱説明書やメーカーサポートより判断してみてください。
また温水洗浄便座そのものではなく、給水管や給水フィルター、水抜栓など、周辺設備が原因で水漏れするケースも少なくありません。それぞれの部品が破損したり緩んでいたりしていないか、確認してみましょう。内部で使われているパッキンが劣化している可能性もあるため、こちらも忘れずに確認します。
ノズルのみの交換ができない場合や、電気系統が故障している場合、温水洗浄便座やトイレ本体ごとの交換を検討する必要があるでしょう。この場合、残念ながら自力での修理対応は難しくなります。思わぬ事故を防ぐためにも、ぜひ修理の専門家に相談してみてください。
自力での修理が難しいケースとは?
トイレの水漏れトラブルの中には、残念ながら自力での修理が難しいケースもあります。以下のような場合には、迷わずすぐに水回りの修理業者に依頼してください。
・トイレタンクや便器がひび割れていて、そこから水漏れしている
・便器と床の間から水が染みだしてきている
タンクや便器が破損している場合、修理ではなく交換での対応が一般的。床から便器を取り外す作業は非常に難易度が高く、自分で挑戦するのはおすすめできません。プロに依頼して作業してもらいましょう。
便器と床の間から水漏れしている場合は、便器奥の排水経路にて何らかの異常が発生している可能性が高いです。こちらの場合もいったん便器を取り外して作業する必要があり、自力対処は難しいでしょう。漏れ出している水は汚水の可能性が高く、さらなるトラブル予防のためにも早急に対処する必要があります。いざというときの相談先を、あらかじめ見つけておくのもおすすめです。
トイレの水漏れは原因に合った対処を
トイレで水漏れトラブルが発生すると、つい慌ててしまいがちです。原因によっては自力で対処することも十分に可能なので、まずは冷静に周囲を確認してみてください。どこからどのように水漏れしているのかをチェックするだけでも、その後の行動を決定しやすくなるでしょう。
トイレの水漏れは、たとえ少量であっても放置するのは危険です。「自力での対処は難しい」「なぜ水漏れしているのかわからない」という場合には、遠慮なく修理のプロを頼ってみてください。