ユニットバスは、一体型で設計された浴室で、限られたスペースでも設置できることから、1人暮らし向けのマンションを中心に多く採用されています。
ユニットバスの排水口は、浴槽と洗い場の水が1ヶ所に集まる設計のため、詰まりやすくなってしまいます。
そこで本記事では、ユニットバスの排水口が詰まる原因やその対処法、さらに詰まりを防ぐためのコツを詳しく解説します。
目次
そもそもユニットバスとは?
まずは、ユニットバスの定義や種類について詳しくみていきましょう。
ユニットバスの定義
ユニットバスとは、あらかじめ浴室の壁、床、天井、浴槽などをまとめて製造して、現場で組み立てられる浴室のことを指します。
壁、床、天井、浴槽が一体化していることで、施工が迅速に行えるため、建設現場での作業効率が上がるのです。
在来工法の浴室からのリフォームも可能なため、リフォーム市場でも人気があります。
また、ユニットバスはシステムバスとも呼ばれることがありますが、違いはありません。
ユニットバスの種類
ユニットバスは、便利性と機能性の高さからさまざまなタイプが存在し、それぞれの住宅のスペースやニーズに応じた選択が可能です。
【ユニットバスの種類】
- 1点ユニットバス
- 2点ユニットバス
- 3点ユニットバス
最も基本的なタイプは「1点ユニットバス」で、浴槽とシャワーが1つのコンパクトな空間にまとめられています。
小規模な住宅や限られたスペースに最適で、シンプルながらも機能的な設計が特徴です。
「2点ユニットバス」は、浴室に加えて、洗面台が一体化されているタイプのことを指します。
浴室と洗面が同じ空間で行えるため、一日の始まりや終わりの支度をスムーズに行うことができるでしょう。
「3点ユニットバス」は、浴室、洗面台、トイレが1つの空間に収まっているタイプです。
このタイプは、スペースの有効活用が極めて高く評価されており、賃貸物件やホテルの客室などでよく利用されています。
しかし、1つの空間に複数の機能が集約されているため、複数人が同時に異なる用途で使用することが難しいというデメリットもあるのです。
ユニットバスの排水口が詰まる主な原因
ユニットバスの排水口が詰まる主な原因は、以下の4つが挙げられます。
- 人の髪の毛やペットの毛
- 小さな蓋などの小物
- 石鹸のカス
- 垢など
それぞれ詳しく解説します。
人やペットの毛
ユニットバスの排水口が詰まる大きな原因として、人の髪の毛やペットの毛が挙げられます。
特に長い髪の毛は、排水口に入るとほかのごみと絡み合いやすく、大きなかたまりができてしまうでしょう。
大きなかたまりができると水の流れが悪くなり、次第に詰まってしまいます。
また、ペットを飼っている家庭では、ペットの抜け毛も排水口を詰まらせる原因です。
排水口にヘアキャッチャーを設置することで、毛が直接排水口に流れ込むのを防ぐことができます。
小さな蓋などの小物
小さな蓋やアクセサリーなどの小物が排水口に入ることもまた、詰まりの原因です。
詰め替え用のシャンプーの蓋が誤って排水口に落ちたり、シャワー中に耳から外れたピアスが流れ落ちたりすることがあります。
これらの小物が排水口に落ちると、排水路を塞いでしまうため、水の流れが悪くなるでしょう。
このようなトラブルを防ぐためには、浴室内での小物の扱いに注意することが必要です。
石鹸のカス
石鹸のカスもユニットバスの排水口の詰まりの原因です。
これは、石鹸やシャンプー、ボディーソープの成分が排水口内で徐々に蓄積し、固まってしまうことで発生します。
特に、使用後すぐに排水口を洗い流さない場合、石鹸のカスは排水管の内壁にこびりつきやすくなるでしょう。
これがほかのゴミや毛髪と結合し、さらに大きなかたまりとなって水の流れを塞いでしまうのです。
使用後にお湯のシャワーでしっかりと排水口を洗い流し、石鹸のカスが溜まるのを最小限に抑えることが重要になります。
垢など
人の体から自然に剥がれ落ちる皮膚の垢や汗などといった体の汚れも、ユニットバスの排水口を詰まらせる要因です。
これらの物質も水と混ざり合いやすく、排水口内でほかのごみと結合してゆっくりと固まっていきます。
浴槽や床を洗浄する際には、排水口に向けて水を強く流し、溜まった汚れを流すことが大切です。
ユニットバスの排水口の詰まりを放置しておくとどうなる?
もし、ユニットバスの排水口の詰まりを放置しておくと、どうなってしまうのでしょうか。
ユニットバスの排水口の詰まりを放置しておくと、以下の4つのリスクが生じる可能性が高いです。
- 臭いが発生する
- 害虫が湧く
- 汚水が逆流する
- 排水管が破裂する
それぞれ詳しくみていきましょう。
臭いが発生する
排水口が詰まると、そこに留まる水分が蒸発せずに、常に湿った状態が続きます。
この環境は、髪の毛や石鹸のカス、そして体から洗い流される皮脂や垢などが腐敗する好条件な場所です。
その結果、時間が経つにつれて不快な臭いが発生し、それが浴室全体に広がることになります。
このような臭いは、快感だけでなく清潔感を損なう原因にもなるので、できるだけ早く対応する必要があるでしょう。
害虫が湧く
湿度が高く、髪の毛や石鹸のカスがあると、コバエなどの害虫が集まり繁殖しやすくなります。
特に、排水口の詰まりが原因で害虫が湧くと、排水口に産卵し、やがて更に多くの害虫が発生することになるでしょう。
これらの害虫は、一度発生するとユニットバスだけではなく、家全体の衛生状態にも悪影響を与えかねません。
害虫の存在は不快感だけでなく、小さな子供やペットがいるご家庭では健康リスクが高まることが懸念されます。
さらに、虫が繁殖しやすい環境は、ほかの害虫や害獣を引き寄せる原因になる可能性もあるでしょう。
汚水が逆流する
排水口の詰まりが悪化し、水の流れが十分でなくなると、使用した水や汚れが逆流してしまいます。
逆流した汚水が、床や浴槽、そのほかの表面に再び溜まり、衛生的な問題を高めることになるでしょう。
特に、浴室内の壁や床材を損傷させて、カビの繁殖を促す原因にもなります。
さらに、記録的な豪雨や台風などの自然災害時は、予想以上の降雨量が原因で排水能力を超えてしまうことがあるのです。
この結果、雨水と一緒に汚水も逆流し、さらに広範囲の汚染が進むことになります。
排水管が破裂する
排水口の詰まりが解消されずに放置されると、排水管内に強い圧力がかかり続けます。
この状態が長く続くと、排水管の材質が徐々に劣化し、やがては耐えられなくなり破裂する可能性があるのです。
排水管が破裂すると大量の水漏れが発生し、住宅の構造に大きなダメージを与えることになるでしょう。
さらに、水漏れは床や壁、家具などに広がり、これらの修理には時間とコストがかかります。
大きな被害を防ぐためにも、定期的に排水口を確認し、石鹸のカスや髪の毛、そのほかの異物が排水管に溜まらないようにすることが大切です。
安全で清潔なユニットバスを保つために、定期的に掃除やメンテナンスを行いましょう。
ユニットバスの排水口の詰まりを解消する4つの方法
ユニットバスの排水口が詰まってしまったら、以下の解消法を試してみましょう。
- すっぽん(ラバーカップ)を使う
- 液体パイプクリーナーを使う
- ワイヤーハンガーやブラシを使う
- 専門業者に依頼する
それぞれ詳しく解説します。
すっぽん(ラバーカップ)を使う
すっぽんは、ユニットバスの排水口の詰まりを解消するための基本的な道具です。
使用方法も非常に簡単で、まず、吸引力を最大限に活用するため、はじめに排水口に水を少し張り、すっぽんの先端が水に完全に浸かるようにします。次に、すっぽんを排水口にしっかりと密着させた後、ゆっくりと圧力をかけてカップ内の空気を抜いてください。
この動作により、カップが排水口にしっかりと吸着します。次に、カップを強く引き上げることで、詰まり物を効果的に吸い出すことができます。
この引き上げ作業を複数回繰り返し行い、排水がスムーズに流れるようになるまで行いましょう。
すっぽんを使う方法は、排水口に詰まった髪の毛や石鹸のカスといった比較的軽い詰まりに対して有効です。
すっぽんは、ドラッグストアや100円均一、ホームセンターなどで購入できるため、一家に1つ持っておくと良いでしょう。
液体パイプクリーナーを使う
液体パイプクリーナーは、化学的に詰まりの原因である髪の毛や石鹸のカスなどを溶かす方法です。
排水管に注ぐだけで使用できるため、排水管を傷つけることなく、内部の詰まりをきれいにしてくれます。
市販されている多くのクリーナーは、強力な薬剤で製造されているため、使用時には必ず換気を行い、ゴム手袋と保護眼鏡を装着することが重要です。
また、製品の指示に従い適切な量を排水口に注いでから、指定された時間を放置し、大量の水でしっかりと流しましょう。
スーパーやドラッグストア、量販店にて300円程度で購入できるので、すっぽんと合わせて持っておくと便利です。
ワイヤーハンガーやブラシを使う
ワイヤーハンガーやブラシを使用する方法は、物理的に排水管内の詰まりを除去する方法です。
大きな異物が詰まっている場合や、頑固な詰まりに対して効果的な方法になります。
ワイヤーハンガーを使用する際には、まずハンガーを直線に伸ばし、先をフック状に曲げてください。フックを排水口に差し込み、慎重に引っ掛けて外に引き出すことで、管内の異物を取り除くことが可能です。
一方で、ブラシを使う場合は、ブラシの先端を排水管内に挿入し、回転させながら詰まり物をかき混ぜて削り取ります。
このブラシは、特に髪の毛や石鹸のカスなど、配管壁にこびりついた汚れを効率的に除去するのに適しているでしょう。
これらの方法は手軽で非常に効果的ですが、配管を傷つけないように注意する必要があります。
専門業者に依頼する
自分で解決できない重度の詰まりや、配管が複雑で手が届かない場合などは、専門業者に依頼しましょう。
専門業者は、高圧洗浄機や特殊なスコープを使って詰まりの原因を特定し、効果的に排水管をきれいにしてくれます。さらに、必要に応じて配管の修理や交換も対応しているでしょう。
また、自分で詰まりを解消しようとすると、配管を傷つけたり、さらに問題を悪化させたりするリスクもあります。
専門業者は適切な道具と技術、知識を持っており、悪化させるリスクを最小限に抑えつつ、迅速に問題を解決してくれます。
無料で見積もりが取れる業者も多いため、困った際には専門業者に相談してみましょう。
みんなの町の水道職人は、ユニットバスの排水口の詰まりをはじめ、さまざまな水まわりのトラブルに対応しています。
スタッフは全員が自社社員で、高い技術力と豊富な知識を持つ、水道修理のプロばかりが在籍しています。
また、安心してサービスを利用していただけるように、お見積りは無料で提供しています。
作業前に必ずお見積りの内容をご確認いただき、ご承諾いただけない場合は作業を行いません。
お気軽にお問い合わせくださいませ。
ユニットバスの排水口を詰まらせないためには?
ユニットバスの排水口を詰まらせないためには、ネットを取り付けたり、定期的に掃除をしたりすることが大切です。
ここでは、それぞれの予防法について解説します。
ネットを取り付ける
排水口にネットを取り付けることで、髪の毛などの詰まりを予防することができます。
ネットは、取り付けも取り外しも簡単で、定期的に交換することで常に清潔に保つことが可能です。
使い捨てのネットなどは、100円均一などで気軽に購入できます。
さらに、お風呂上がりには、湯垢取りネットなどを使用することで、目に見える髪の毛やそのほかの小物をすくい取ることも効果的です。
定期的に掃除する
ユニットバスの排水口を定期的に掃除することも、詰まりを防ぐためには不可欠です。
掃除を行う際には、排水口のカバーを外し、そこに溜まった髪の毛や異物を取り除きます。
特に、ヘアキャッチャー、排水トラップ、そして排水管の内部には注意が必要です。
これらの部分は、髪の毛や石鹸のカスが溜まりやすい場所であり、掃除を怠ると詰まりの原因となります。
また、ブラシや専用クリーナーを使用して、排水口周辺や内部の汚れをこまめに洗い流すことも大切です。
これにより、汚れが蓄積するのを防ぎ、悪臭や害虫の発生を抑えることができます。
掃除の頻度は使用状況にもよりますが、最低でも週に一度は行うと良いでしょう。
まとめ
この記事では、ユニットバスの排水口が詰まる原因やその対処法、さらに詰まりを防ぐためのコツについて解説しました。
ユニットバスの排水口が一度詰まってしまうと、不快な臭いや害虫の発生にも繋がります。
排水口が詰まってしまったら、この記事で解説した方法を行い、なるべく早く対処しましょう。
もし、自分で解決できない場合は、専門業者に依頼することが大切です。
プロの技術を利用することで、迅速かつ的確に問題を解決し、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
ユニットバスはリラックスできる場所なので、なるべくきれいに保つようにしましょう。