蛇口の水漏れに気付いたとき、「急いで水漏れ修理業者に連絡しなくては…」と思う方も多いのではないでしょうか。専門業者に依頼すれば、確かに安心。一方で、必要な部品代以外にも、出張費や作業料など余計な出費も避けられません。

蛇口の水漏れは、蛇口を交換すれば直ります。自分で蛇口の交換をする際の取り換え方法や注意点を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

「修理」ではなく「蛇口本体の交換」をするメリットとは？

蛇口から水漏れする原因は、主に内部部品の劣化や破損です。普段意識する機会はほとんどありませんが、蛇口の内部にはさまざまな部品が使われています。その中には経年劣化するものもあり、従来の性能が発揮されなくなることで水漏れトラブルにつながります。

ポタポタと水漏れするようになった蛇口を分解し、問題のある部品を特定・交換すれば、トラブルを解決できるでしょう。また問題なく使えるようになるはずです。

とはいえ、部品交換修理で新しくなるのは、該当の部品のみです。ある部品を修理しても、またすぐに別の部品で問題が生じる可能性もあるでしょう。蛇口からの水漏れトラブルは設置後10年以上経過してから発生するケースも多いもの。蛇口本体ごと新品へと交換してしまえば、「この前修理したばかりなのに…」といった事態も避けられるでしょう。

本体ごと交換すれば、修理が必要な部品を特定したり、メーカーから取り寄せたりする必要もありません。「最新機能が付いた蛇口」や「現代風のスタイリッシュデザイン」など、好みに合わせて選べます。

蛇口交換に必要なアイテム

自力で蛇口交換する場合、まずは必要なアイテムを準備しましょう。

・モンキーレンチ（もしくはスパナ）

・マイナスドライバー

・ゴム手袋

・バケツ

・掃除用歯ブラシ

・雑巾や古新聞

モンキーレンチは、蛇口の接続部分をつかんで回すための道具です。スパナでも代用できますが、水回りの修理・交換には欠かせないアイテムなので、持っておいて損はありません。

あとはもちろん、交換用の新しい蛇口を用意する必要があります。水道蛇口にはさまざまな種類があり、タイプによって取り付け方法が異なります。自宅の環境に合わない水栓を選択してしまうと、取り付けられない可能性もあるので十分に注意してください。特に、蛇口根元の穴の数や場所は重要なポイントに。壁付けなのか台付けなのか、1ホールなのか2ホールなのか、事前に確認しておきましょう。

蛇口交換の手順を確認

蛇口交換の手順は、蛇口の種類によって異なります。今回はキッチン水栓として一般的な「台付けワンホールタイプのシングルレバー混合水栓」の交換手順を紹介します。

1.シンク下にある止水栓を閉める

2.蛇口の給水・給湯管の接続部分ナットをゆるめ、取り外す

3.蛇口の根本にある六角ナットをゆるめ、取り外す

4.古い蛇口を作業台から引き抜くようにして取り外す

5.ホール周辺をきれいに掃除する

6.新しい蛇口に付属している上面施工用アダプターを取り付け、固定する

7.新しい蛇口をアダプターに取り付け、固定する

8.給水・給湯管に付属のアダプターを取り付ける

9.止水弁とホースを取り付ける

10.止水栓を開け、通水テストを行う

新しい蛇口本体を固定する際には、いったん仮固定し、歪みが生じていないかどうか確認するのがおすすめです。問題がないことが確認できたら、本格的に固定しましょう。

また古い蛇口を取り外す際には、中に水が残っている可能性があります。周辺にバケツや雑巾、古新聞を用意して、周囲を水浸しにしないよう注意してください。

自力で蛇口交換をする場合の注意点3つ

一つひとつの手順を確認しながら進めていけば、自力での蛇口交換は決して難しくはありません。とはいえ、思わぬトラブルを防ぐためには、いくつか注意しなければならないポイントも。3つの注意点を頭に入れておきましょう。

作業前は確実に止水栓を閉める

自力で蛇口交換をする場合、作業前には確実に止水栓を閉めましょう。キッチンや洗面台の場合、蛇口下部収納を開けると止水栓があります。マイナスドライバーを使ってつまみを回しましょう。蛇口周りで止水栓が見つからない場合は、水道の元栓を閉めて作業してください。この場合、交換したい蛇口以外でも水が使えなくなるため、速やかに交換作業を終える必要があります。

固着した部品を無理に回さない

古くなった蛇口を交換しようとした際に、「力を入れて回そうとしても部品が外れない」といった事態もあるかと思います。固着したナットを力任せに回そうとすると、傷や破損の恐れがあります。ナットがなめてしまえば、取り返しの付かない状態になる可能性もあるでしょう。

固着した部品を、無理に回そうとするのは危険です。専用の道具を使うほか、事態が深刻にならないうちに撤退するのも一つの方法です。プロの技術にお任せすれば、固着した蛇口であっても素早く交換してもらえるでしょう。

通水テストでの水漏れ確認

蛇口の交換作業を終えたら、止水栓を開け、必ず通水テストを行うようにしてください。吐水口から水が出るのを確かめるほか、根元や給水管との接続部分など、蛇口の水漏れトラブルが生じていないかどうか、丁寧にチェックしましょう。水漏れの量が少ない場合、すぐにはトラブルに気付かない可能性も。5～10分ほど経ったあとで、もう一度確認してみてください。

蛇口の交換はDIYでも可能！ただし作業は慎重に

ここまで見てきたとおり、古くなってトラブルが発生した蛇口は自分で交換可能です。とはいえ、「ナットがきつくて回らない」「完璧に仕上げたはずが、なぜか水が漏れている」など、トラブルが発生してしまうケースも少なくありません。

自分で作業する場合に大切なのは、決して無理をしないことです。自分の手には負えないと思った段階で、水漏れ修理専門業者への相談を検討してみてください。