パイプユニッシュは浴槽やキッチンなどの排水溝がつまった際によく用いられる洗剤です。
そのため、トイレのつまりにも効果があると考える方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、パイプユニッシュの特徴、トイレのつまりにもパイプユニッシュが効くのか、トイレのつまりにおすすめの薬剤などについて解説します。
トイレのつまりでお困りの方やパイプユニッシュでトイレのつまりを解決しようとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
パイプユニッシュとは
パイプユニッシュとは、ジョンソン株式会社から販売されている排水管クリーナーです。
排水溝のつまりによく使用されているものの、特徴や種類が豊富にあることを知らない方も多いかもしれません。
ここでは、パイプユニッシュの特徴や種類について解説します。
パイプユニッシュの特徴
パイプユニッシュはジェルタイプの薬剤で、粘度は800mPa・sです。
粘度が高いほど汚れやヌメリに密着し、効果が感じられるでしょう。
また、パイプユニッシュには、以下の成分が含まれています。
- 水
- 次亜塩素酸塩
- 水酸化ナトリウム
- アルキルアミンオキシド
- 脂肪酸ナトリウム
- 安定化剤
これらの成分によりヌメリ汚れに密着して、除菌・分解洗浄し、つまりや臭いを解消します。
パイプユニッシュの種類
パイプユニッシュという総称で呼ばれていますが、パイプユニッシュにはたくさんの種類があります。
ラインナップは、以下のとおりです。
- パイプユニッシュ
- パイプユニッシュプロ
- パイプユニッシュブリーチフリー
- パイプユニッシュ激泡パウダー
また、パイプユニッシュプロには、以下の成分が含まれています。
- 水
- 次亜塩素酸塩
- 水酸化ナトリウム
- アミンオキシド
- 脂肪酸ナトリウム
- 安定化剤
- けい酸塩
パイプユニッシュプロに含まれている成分はパイプユニッシュとほとんど同じですが、粘度が1500mPa・sもあります。
パイプユニッシュよりも粘度が高いため、少量でも効果が強力なうえに、容器がスリムで収納面や持ち歩きにも便利なのが特徴です。
パイプユニッシュブリーチフリーにはパイプユニッシュと異なり、以下の成分が含まれています。
- 水
- 酵素剤
- キサンタンガム
- pH調整剤
- 香料
パイプユニッシュブリーチフリーには塩素系の成分が含まれておらず、代わりに香料が含まれているためツンとした独特の臭いがなく、オレンジの爽やかな香りがするのが特徴です。
排水管のさまざまな汚れが取れるため、浄化槽などにつながる排水溝にも使用できるなど、使用できる範囲が広いのが特徴です。
また、排水溝に注いで一晩放置しておくだけで臭いがなくなるほど、臭いに特化した商品なので、つまりの解消には適していません。
つまり解消のために使用するのであれば、パイプユニッシュブリーチフリー以外のものを使いましょう。
パイプユニッシュ激泡パウダーには、以下の成分が含まれています。
- 硫酸塩
- スルファミン酸
- 炭酸塩
- けい藻土
- アルキル硫酸エステルナトリウム
- 非イオン
こちらは、パイプユニッシュシリーズの中で唯一水が含まれていないパウダータイプです。
臭いやヌメリが綺麗に取れて、効果を実感できるでしょう。
パイプユニッシュはトイレつまりに使える?
パイプユニッシュは排水溝のつまりに効果があるため、トイレのつまりにも使えるのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、パイプユニッシュはトイレのつまりには効果がありません。
ここでは、パイプユニッシュがトイレのつまりに効果がない理由や本来の使い方、トイレのつまりに使用するとどうなるのかについて解説します。
パイプユニッシュはトイレのつまりに効果がない
パイプユニッシュの主な成分は水酸化ナトリウムと次亜塩素酸塩の2つです。
水酸化ナトリウムと次亜塩素酸塩によって油汚れ、食べ物のカス、髪の毛、皮脂、石鹸カスなどを分解し、つまりを解消します。
トイレのつまりの原因はトイレットペーパーや排泄物、ペットのトイレ砂、生理用品などさまざまですが、ほとんどの場合、パイプユニッシュで解消できるものではありません。
そのため、トイレのつまりにパイプユニッシュは効果的ではないのです。
パイプユニッシュの本来の使い方
パイプユニッシュの本来の役割は、キッチン、洗面台、浴室などの排水溝や排水管のつまりや臭いを予防したり、解消したりすることです。
排水溝のつまりや臭いを予防・解消するには、以下の方法でパイプユニッシュを使用しましょう。
- 排水溝に適量のパイプユニッシュを流し込む
- 規定の時間おいておく
- 水で洗い流す
パイプユニッシュの使用量は、解消したい症状によって決まります。
つまり予防や臭い、ヌメリ除去が目的の場合は、7〜8回ほどボトルを押した量で解決できるでしょう。
一方、つまりを解消するために使用する場合は、20回ほどボトルを押した量を使用します。
パイプユニッシュを使用する際、長時間放置すればより効果が得られるかもしれないと思う方がいるかもしれませんが、実際には逆効果です。
長時間放置することにより、取れた汚れが排水管の途中でつまってしまうおそれがありため、パイプユニッシュを使用する際、放置する時間は規定の時間を守りましょう。
パイプユニッシュをトイレのつまりに使用するとどうなるか
パイプユニッシュは塩素系の薬剤であるため、酸性やアルカリ性のものと混ぜるのは危険です。
尿は数値によって異なりますが、酸性またはアルカリ性であるため、塩素系のパイプユニッシュと混ぜると有毒ガスが発生してしまいます。
パイプユニッシュを使用したことで発生した有毒ガスは目や喉などに刺激を与え、最悪の場合失明や死に至ることもあります。
また、パイプユニッシュには尿以外にもお湯、クエン酸、酢など混ぜてはいけないものがたくさんあるため、パイプユニッシュを使用してしまうと、その後に使える手段が限られてしまうでしょう。
トイレつまり解消におすすめの薬剤
トイレつまりの解消におすすめの薬剤は、「サンポール」や「デオライト」です。
ただし、トイレつまりの原因によって効果のある薬剤は異なります。
トイレつまりの原因にあった薬剤を使用するようにしましょう。
サンポール
サンポールは、KINCHOが販売している強酸性のトイレ洗剤であり、トイレの黄ばみや尿石汚れに効果があります。
トイレつまりの原因が排泄物や蓄積された尿石汚れによるものである場合、サンポールで解決できるかもしれません。
ただし、トイレットペーパーや固形物など、排泄物や尿石汚れ以外のつまりには効果がないため、ご注意ください。
デオライト
デオライトは、和協産業が販売している強酸性の尿石除去剤であり、サンポールと同様にトイレの黄ばみや尿石汚れに効果があります。
尿石汚れによるトイレのつまりは、デオライトで解決できるかもしれません。
ただし、トイレットペーパーや固形物、排泄物など、尿石以外のつまりには効果がないため、ご注意ください。
薬剤でトイレつまりを解消する際の注意点
薬剤でトイレつまりを解消する場合は、以下の点に注意しましょう。
- 肌に触れない
- 吸い込まない
- 換気をする
- 他の洗剤と併用しない
肌に触れると荒れたり、痛みが出たり、吸い込んだ場合は気分が悪くなるおそれがあるため、薬剤を使用する際はゴム手袋を必ずはめ、窓を開けたり、換気扇をつけたりして十分に換気をしましょう。
薬剤使用後に水を流す際も、レバーを引いて水を流すと薬剤が飛び散るおそれがあるため、最初は少量の水をバケツなどで流すのがおすすめです。
また、他の洗剤と併用すると有毒ガスが発生するおそれがあるため、薬剤は単体で使用するようにしましょう。
トイレつまりが発生する原因
トイレの水を流すと、便器から排水管へトイレットペーパーや排泄物が流れていきます。
便器と排水管のつなぎ目で発生することもあれば、排水管の奥で発生することもありますが、つまる原因はさまざまです。
トイレつまりが発生する原因としては、主に以下の4つが考えられます。
- 本来流すべきではないものを流す
- 過度な節水
- トイレットペーパーの使用量が多い
- 掃除をしていない
本来流すべきではないものを流す
トイレは本来トイレットペーパーと排泄物を流す場所であるため、それ以外のものを流すとつまる危険性が高くなります。
トイレがつまる原因としてよくある異物は、以下のとおりです。
- おむつや生理用品
- ティッシュ
- ペットシーツ
- スマートフォン
- ペットのトイレ砂
- トイレに流せる掃除シート
中でもおむつや生理用品は時間が経つと水を含んで肥大化するため、早急に対処する必要があります。
また、トイレに流せると謳っている掃除用品でも、場合によってはつまることがあります。
トイレには、トイレットペーパーと排泄物以外は、流さないようにしましょう。
過度な節水
トイレタンクにペットボトルなどのものを入れたり、毎回の排泄後に流さなかったり、「大」と「小」を使い分けなかったりと、誤った節水をしている方もいるかもしれません。
トイレタンクにペットボトルを入れた場合、その分水のかさ増しになり、確かに節水はできます。
また、排泄後に毎回流さなかったり、区別せず、毎回「小」で流して節水したりする方もいるでしょう。
しかし、トイレットペーパーや排泄物をきちんと排水管に流すには、必要な水の量があるため、水圧が弱かったり、水の量が少なかったりすると、つまってしまいます。
上記の方法で節水したとしても、トイレがつまってしまったら、節水した以上の修理費用がかかり、結果的に高くついてしまうでしょう。
トイレットペーパーの使用量が多い
トイレットペーパーは本来水に溶けるものですが、使用量が多いとつまることがあります。
トイレットペーパーは一度に大量に流すことを想定されておらず、大量のトイレットペーパーを一気に流すと、水に溶けきらずに塊になってしまうためです。
トイレットペーパーをたくさん使用したい場合には、こまめに流すなどして一度に大量に流さないように気をつけましょう。
掃除をしていない
トイレは定期的に掃除しなければ、尿石や排泄物などによりどんどん汚れていきます。
特に尿石は一度蓄積されると、時間と共に硬くなっていくため取り除くのが難しいでしょう。
また、尿石が溜まると不衛生なだけでなく、悪臭の原因にもなります。
そのため、尿石や排泄物などによる汚れを溜めないために、定期的に掃除しなければなりません。
既に尿石が溜まっている場合、通常の洗剤やこすり洗いで取り除くのは難しいため、修理業者に依頼するのがおすすめです。
トイレつまりの解消方法
トイレのつまりを解決する主な方法は、以下のとおりです。
- ぬるま湯を使った方法
- すっぽんを使った方法
- ワイヤーブラシを使った方法
- サンポールを使った方法
- 専門業者へ依頼する
ぬるま湯を使った方法
ぬるま湯を活用してトイレのつまりを解消する場合は、以下の手順で行いましょう。
- 便器の水を汲み出す
- バケツなどでぬるま湯をゆっくり流し込む
- 水位が減るか確認する
- 1、2を繰り返す
ぬるま湯を使う場合、便器の水が飛び散るおそれがあるため、まず初めに床に新聞紙や要らないタオルを敷いて準備します。
また、ぬるま湯の温度は50度程度にしましょう。
多くの場合、トイレは陶器製であるため、熱湯を流すと割れるおそれがあるためです。
ぬるま湯で効果が感じられるのは、水に溶けるつまりです。
固形物やおむつ、生理用品などの水に溶けないものによるつまりには効果がないため、注意しましょう。
すっぽんを使った方法
すっぽんを使ってトイレのつまりを解消する場合は、以下の手順で行いましょう。
- 便器の水をすっぽんのゴム部分が隠れるくらいまで汲み出す
- 便器の穴にすっぽんを押し当てる
- 一気に引き抜く
- 水位が減り始めるまで2、3を繰り返し行う
- バケツなどで少しずつ水を流す
すっぽんを使う場合は、便器の水が飛び散るおそれがあるため、まず床に新聞紙やいらないタオルを敷いてから作業を始めるのがおすすめです。
すっぽんには和式用、洋式用、節水型トイレ用の3種類があるため、トイレにあったすっぽんを用意するようにしましょう。
また、すっぽんは水に溶けるものによるつまりにしか効果がありません。
誤って固形物によるつまりに使用した場合は、さらに固形物がさらに奥に入り込んだり、便器を傷つけてしまったりと、状況が悪化してしまうおそれがあるため、注意しましょう。
ワイヤーブラシを使った方法
ワイヤーブラシを使ってトイレのつまりを解消する場合は、以下の手順で行いましょう。
- ワイヤーブラシを便器の穴に差し込む
- つまりの原因物質を探す
- つまりの原因物質を見つけたら、ゆっくり動かして掻き出す
- つまりを取り除いたら、少しずつ水を流す
ワイヤーブラシを使う際は、まず水が飛び散らないように床に新聞紙やいらないタオルを敷くのがおすすめです。
つまりの原因を調べる際、誤って押し込んでしまわないように優しく動かしましょう。
誤って押し込んでしまった場合は、すみやかに修理業者に依頼してください。
また、ワイヤーブラシはトイレットペーパーや排泄物、嘔吐物などのつまりに効果があります。
サンポールを使った方法
サンポールを用いてトイレのつまりを解消する場合は、以下の手順で行いましょう。
- 便器の水を汲み出す
- 便器の穴にサンポールを流し込む
- 規定の時間おいておく
- バケツなどで少しずつ水を流す
尿石汚れがひどい場合は、2、3を繰り返し行ってください。
また、一気に水を流すと、サンポールが飛び散るおそれがあるため、少しずつゆっくりと流し込むのを意識しましょう。
専門業者へ依頼する
自分で解決できないトイレのつまりは、専門業者に依頼しましょう。
自分で解決しようと試行錯誤した結果、症状の悪化やトイレの破損を招くおそれがあります。
もし症状が悪化したり、破損したりした場合は、修理費用も高くなってしまいます。
軽度なつまりであれば、修理費用を安く抑えられるため、作業に自信がない、またはつまりの原因が分からない場合には、すみやかに修理業者に依頼しましょう。
トイレつまりの予防方法
トイレは普段からつまらないように予防することが大切です。
トイレのつまりを予防する方法は、以下のとおりです。
- トイレットペーパーの使用量に注意する
- ウォシュレットを活用する
- トイレットペーパーと排泄物以外流さない
トイレットペーパーの使用量に注意する
トイレットペーパーの使用量を意識することで、トイレのつまりの予防になります。
日頃から使用するトイレットペーパーの長さに気をつけることで、トイレがつまるリスクを減らすことができるのです。
特にダブルのトイレットペーパーを使っている場合はつまりやすいため、意識して使用量を減らしたり、たくさん使いたい場合は何度かにわけて流したりと、一気に流さないように気をつけましょう。
ウォシュレットを活用する
ウォシュレットを活用することで、トイレのつまり予防になります。
ウォシュレットを使用するとトイレットペーパーの使用量が減り、一度に流すトイレットペーパーの量が少なくなります。
また、ウォシュレットから出る温水がトイレットペーパーや排泄物などを柔らかくほぐしてくれるため、トイレが流れやすくなるのです。
ウォシュレットを活用すれば必ずしもつまりが発生しないわけではありませんが、トイレがつまるリスクは減らせるでしょう。
トイレットペーパーと排泄物以外流さない
トイレのつまりを予防する大前提として、トイレットペーパーと排泄物以外流さないことが挙げられます。
トイレにはできるだけ不要なものを持ち込まないようにしましょう。
たとえば、便座に座る際にポケットに入れていたスマートフォンやメモ帳、ボールペンが落ちてしまったというケースや、幼い子供がおもちゃを落としてしまったというケースがあります。
特に小さなお子さんは予期せぬ行動を起こしやすいものです。
おもちゃを持ち込ませないようにしたり、鍵をかけたりして、トイレに異物を持ち込まないようにしましょう。
まとめ
パイプユニッシュは排水溝のつまりを改善するのによく用いられるため、トイレのつまりにも効くと勘違いする方がいますが、トイレのつまりには全く効果はありません。
パイプユニッシュは浴室、キッチンなどの髪の毛や食べ物のカス、油汚れの予防や改善をするために使用する薬剤です。
薬剤を使ってトイレのつまりを解決する場合は、サンポールまたはデオライトを使用するのがおすすめです。
ただし、固形物や水に溶けないものによるつまりに対し薬剤は効き目がありません。
自分で直せないトイレのつまりは、専門業者に依頼しましょう。
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