日常生活を送る上で欠かせないトイレですが、さまざまな原因でつまることがあります。
トイレが使えなくなると、家に2つ以上トイレがあっても不便に感じる方もいるでしょう。
そこで、今回は、サンポールでトイレつまりを直す方法、使用する際の注意点について解説します。
サンポールで直せるつまりと直せないつまりがあるため、トイレのつまりでお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
サンポールってどんな商品?
サンポールとは、大日本除虫菊株式会社から販売されているトイレ用洗剤です。
トイレの掃除に使うための洗剤ですが、トイレのつまりを改善できることもあります。
ここでは、サンポールの特徴やつまりに効く理由、代用品について解説します。
サンポールの特徴
サンポールには、以下の成分が含まれています。
- 塩酸
- 界面活性剤
- 洗浄助剤
- 増粘剤
- 香料
- 着色剤
中でも塩酸は9.5%も含まれており、塩酸の力を使って尿石・黄ばみ・水垢などのアルカリ性の汚れを分解して落とし、アンモニア臭を除去します。
サンポールがトイレのつまりに効く理由
酸性洗剤は尿石やアンモニア臭などのアルカリ性の汚れや臭いに分解反応が起こります。
そのため、酸性洗剤であるサンポールは尿石を溶かし、便器に付着した汚れを取り除いたり、アンモニア臭を除去したりする効果があるのです。
サンポールの代用品
和協産業から販売されているデオライトLはサンポールと類似した商品で、代用品として使用可能です。
デオライトLは便器や配管の尿石を素早く溶解する効果があるため、尿石によるトイレのつまりや臭いを除去することができます。
デオライトLでトイレのつまりを解消する方法は、以下のとおりです。
- 濃度が薄まってしまうため便器の水を汲み出す
- 規定の時間放置する
- 水位が下がったらバケツなどで少しずつ水を流し込む
水を流し込むときは勢いよく流すとデオライトLが飛び散る可能性があるため、少しずつゆっくり流し込むことを意識しましょう。
サンポールはどんなときに使える?
ここでは、サンポールが使えるつまりや、サンポールでは直せないつまりについて解説します。
トイレのつまりの原因
トイレがつまる主な原因は、以下のとおりです。
- 尿石の蓄積
- トイレットペーパー
- 固形物
- トイレに流せる掃除シート
尿にはカルシウムイオンが含まれており、トイレの掃除を怠ると、便器や排水管に尿石が蓄積されていきます。
一度蓄積された尿石は何度水を流しても取れることはありません。
尿石はアンモニア臭を発生するため、尿石で黄ばむだけでなく、悪臭も広がるでしょう。
トイレットペーパーもつまりの原因の1つです。
トイレットペーパーは本来水に溶けるものですが、一度に大量のトイレットペーパーを流すと水に溶けずきらず、塊となりつまりの原因になります。
トイレがつまる原因の1つに、固形物もあります。
たとえば便座に座る際に便器内に落下したスマートフォンや文房具は、つまりの原因としてよくあげられます。
トイレに流せると謳っている掃除シートも、トイレがつまる原因の1つです。
水圧が弱かったり、流れる水が少なかったりすると、つまることがあります。
サンポールで直せるつまり
サンポールで直せるつまりは、蓄積された尿石や排泄物等の汚れによる、酸性洗剤で直るつまりです。
サンポールで直せないつまりに使っても効果はありません。
つまりの原因によって使い分けましょう。
サンポールで直せないつまり
サンポールで直せないつまりは、以下のとおりです。
- トイレットペーパーによるつまり
- 排泄物によるつまり
- 固形物によるつまり
上記のつまりは、酸性洗剤では対処できないため、サンポールを使っても効果はありません。
サンポールでトイレのつまりを直す方法
ここでは、サンポールでトイレのつまりを直す手順や必要な道具、サンポールでは直せないつまりへの対処法について解説します。
必要な道具
サンポールでトイレのつまりを直す際に必要な道具は、以下のとおりです。
- サンポール
- ブラシ
- ゴム手袋
- マスク
- 保護用メガネ
- 新聞紙や要らないタオル
- バケツ
- 給油ポンプ
サンポールでトイレのつまりを直す際は、まず上記のものを準備した上で作業に臨むようにしましょう。
サンポールでトイレのつまりを直す手順
サンポールでトイレのつまりを直す手順は、以下のとおりです。
- 給油ポンプを使って便器の水をできるだけバケツなどに汲み出す
- 目に見える尿石や排泄物等の汚れにサンポールをかけてブラシでこする
- 便器の排水口に2プッシュ程度のサンポールを流し込み、2〜3分程度おいておく
- バケツなどでゆっくり少しずつ水を流す
便器に水がたくさん入っている状態でサンポールを注ぐと薄まってしまい、尿石や排泄物等による汚れが反応しなくなってしまうため、まずは便器の水をできるだけ取り除きます。
なかなかつまりが解消しない場合は、修理業者に相談するのがおすすめです。
水を流す際は、思い切り流し込むとサンポールが飛び散ってしまうため、バケツなどでゆっくり少しずつ流し込むように意識しましょう。
また、サンポールを使う際は、吸い込んだり、肌に触れたり、目に入ったりしないようにするため、保護用メガネやマスク、ゴム手袋を使用するのがおすすめです。
サンポールで直せない場合
サンポールを使ってもつまりが解消されない場合は、別の要因でつまっている可能性があります。
原因が分からない状態でむやみにさまざまな方法を試すと悪化したりトイレの故障につながったりするおそれがあるなど、非常に危険です。
状態が悪化したりトイレが故障したりすると、修理費用はさらに高くなってしまいます。
サンポールで直せず、つまりの原因がわからない場合は、すみやかに修理業者に依頼しましょう。
サンポールでトイレのつまりを直す際の注意点
サンポールを使用する際の注意点は、以下のとおりです。
- 他の洗剤と併用しない
- 使用できない素材もある
- 決められた量と時間を守る
- 換気をする
- 目や肌に触れないようにする
他の洗剤と併用しない
サンポールは強い酸性洗剤です。
そのため、酸性のサンポールに塩素系の洗剤や漂白剤と混ぜると、有毒ガスが発生してしまいます。
有毒ガスは目や喉などに強い刺激があり、痛みが出るほか、吸い込むと吐き気や頭痛などが生じて気分が悪くなるおそれがあります。
最悪の場合は呼吸困難に陥り死に至ることもあるため、サンポールは注意して使用しましょう。
酸性の洗剤は尿石に効果があり、塩素系の洗剤はカビや黒ずみに効果があるため、一緒に使えば早く解決できると考える方もいるかもしれません。
しかし、酸性の洗剤または塩素系の洗剤のどちらかを使用したら、しっかりと洗い流し、1日程度おいてから使用するのが安全です。
使用できない素材もある
サンポールはどんなものにでも使用できるわけではありません。
金属製品や人工のものを含む大理石には使用できないと販売元が公式に発表しています。
サンポールを金属製品に使用すると、酸性の力により金属が腐敗して変色したり錆びたりするおそれがあります。
また、大理石の多くは炭酸カルシウムでできているため、溶けてしまうおそれがあるのです。
あらかじめ使用できる素材であるか確認してから使用するようにしましょう。
決められた量と時間を守る
サンポールの商品取扱説明欄には、決められた量と時間が書かれています。
サンポールの使用量の目安は1回につき2プッシュ程度、使用後に放置しておく時間の目安は2〜3分です。
トイレのつまりを解消したいからといって、使用量を増やしたり、おいておく時間を長くしたりすると、便器が変質してしまうおそれがあります。
サンポールを使用する際は、決められた量と時間を守るようにしましょう。
換気をする
サンポールは強力な洗剤であり、独特な臭いがするため、トイレに充満すると気分が悪くなるおそれがあります。
そのため、サンポールを使用する際は、トイレの窓を開けたり、換気扇を回したりして、事前に必ず換気するようにしましょう。
また、誤って口に入ることのないように、使用中はマスクをして掃除するのがおすすめです。
目や肌に触れないようにする
薬剤を使用してトイレのつまりを解決する場合、目や肌などに薬剤が触れてしまうことがあります。
サンポールは塩酸を含む酸性洗剤であるため、目や肌に触れると非常に危険です。
サンポールが目に入ってしまった場合、視力の低下や最悪の場合は失明につながるおそれがあります。
また、肌に触れてしまった場合はただれや腫れなどの肌の異常があらわれ、口に入ってしまった場合は口腔内がただれるかもしれません。
必ず保護メガネ、ゴム手袋、マスクをつけるなど、安全のための対策を行ってからサンポールを使用するようにしましょう。
万が一、目や肌に触れてしまった場合は、十分にかつすみやかに洗い流し、異常があらわれた場合はすぐに病院を受診してください。
また、小さなお子さんがいるご家庭は、手が届かないところに保管することも大切です。
トイレのつまり対策
トイレのつまりは発生頻度の高い水のトラブルですが、日常のなかで予防することも可能です。
トイレのつまりをあらかじめ予防する方法は、以下の4つがあげられます。
- 定期的に掃除する
- 誤った節水はしない
- トイレットペーパーの使用量に注意する
- 流すべきではないものは流さない
定期的に掃除する
トイレがつまらないようにするためには、尿石や排泄物等の汚れが蓄積されないように、定期的に掃除することが大切です。
特に便器のふちの汚れは目視できず、尿石が溜まっていても気付きにくいでしょう。
気がつかない間にどんどん尿石は大きくなっていき、つまりの原因になります。
トイレの掃除は、以下の手順で行いましょう。
- トイレ用洗剤を便器全体に吹きかける
- ブラシでこする
- 水で流す
- トイレ用掃除シートで便座の裏と表を拭く
- 便器の外側と床、壁もトイレ用掃除シートで拭く
特に便座の裏や便器のふちの上と下は、尿石や排泄物等の汚れが付着しやすい部分であるため、念入りな掃除が必要です。
上記の方法で定期的に掃除をしていれば、トイレがつまる確率は低くなるでしょう。
誤った節水はしない
よくある誤った節水としては、以下の方法があげられます。
- トイレの使用後に毎回流さず、何回か使用してから流す
- トイレタンクの中に水を入れたペットボトルなどを入れてかさ増しする
- 「大」と「小」を使い分けず、いつでも「小」で流している
トイレの使用後に毎回水を流さないことは、不衛生なだけではなく、つまりの可能性も高めてしまいます。
トイレットペーパーや排泄物は本来水に溶けるものですが、一度に多く流されることを想定して作られたものではありません。
一気に流すと、水に溶け切らず塊となり、つまりの原因となることがあります。
また、トイレットペーパーや排泄物は、必要な水の量や水圧がなければきちんと排水管に流れません。
上記の方法で節水をしたとしても、トイレがつまってしまうと、節水した分の金額よりも高額な修理費用が発生してしまうでしょう。
トイレットペーパーの使用量に注意する
トイレットペーパーの使用量に気をつけることで、トイレがつまるリスクを下げます。
トイレットペーパーをたくさん使用する場合は、何回かに分けて流しましょう。
また、シングルよりもダブルの方がつまりやすいため、徹底的に予防する際はシングルのトイレットペーパーを使うのがおすすめです。
流すべきではないものは流さない
流すべきではないものを流さないことは、トイレのつまりを予防するうえで大切なポイントです。
流すべきではないものの代表的な例としては、以下のようなものがあります。
- ティッシュペーパー
- 残飯
- ペットの糞
- トイレットペーパーの芯や検尿コップ
- おむつや生理用品
トイレットペーパーの代用品としてティッシュペーパーを使っている方もいるかもしれません。
しかし、トイレットペーパーはトイレに流すことを前提として作られているため水に溶けるようになっていますが、ティッシュペーパーはトイレに流すことを想定して作られていないため、水には溶けません。
最近ではトイレに流せるティッシュペーパーやシートなども販売されていますが、トイレットペーパーほどの水溶性はないため、使用量に気をつけないとつまってしまうおそれがあります。
残飯はトイレに流せば、処理する必要がないため楽だと考える方がいるかもしれません。
しかし、残飯等の生ごみは水に溶けないため、つまってしまいます。
トイレに残飯などの生ごみを流した場合、生ごみを処理する以上に面倒なことになるでしょう。
ペットの糞も同じ排泄物だからトイレに流せると考えている方がいるかもしれません。
しかし、ペットの糞には木の枝や葉っぱ、小石などが混ざっていることがよくあります。
木の枝などが混ざったペットの糞をトイレに流し、つまってしまった事例もあるため、ペットの糞は水洗トイレには流さないようにしましょう。
トイレットペーパーの芯はわざわざ捨てに行くのが面倒という理由で、検尿コップはゴミ箱に捨てるのが不衛生であるなどの理由でトイレに流す方がいます。
どちらも細長い形状だから流れるだろうと考える方もいるかもしれません。
しかし、どちらも水に溶けるものではないため、トイレに流すとつまりの原因となってしまいます。
トイレットペーパーの芯や検尿コップは袋に入れるなどしてゴミ箱へ捨てましょう。
まとめ
蓄積された尿石や排泄物等の汚れによるつまりは、サンポールで改善できることがあります。
サンポールは強い酸性タイプの洗剤であり、アルカリ性の物質を分解し、取り除く効果があるためです。
ただし、トイレットペーパーや固形物などのつまりには、効果がありません。
サンポールで直そうとしてもなかなか改善しない場合は、尿石や排泄物等の汚れによるつまりではない可能性があります。
原因が分からない状態でむやみに直そうとすると、症状が悪化したり、トイレの故障につながったりするおそれがあるため、まず自分で対処できるかどうかを考え、難しそうであれば修理業者に依頼しましょう。
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