こんにちは、水道職人の矢野です。
蛇口を捻って出てくる水道水から、いつもとは違う異臭を感じたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
なぜ水道水から異臭が急にするようになったのか、不思議ですよね。
今回は水道水が臭くなる原因についてご紹介します。
なぜ水道水は臭くなる?
通常、水道水はほぼ無臭です。
水道水にはカルキが混ざっているため、鼻が良い人は若干のカルキ臭を日常的に感じ取っている可能性がありますが、気にならないと感じている人の方が多いのではないでしょうか。
ほぼ無臭であるはずの水道水が臭いを発する原因には、夏の気温や季節の変わり目が関係している場合があります。
夏などの季節変動でカルキが臭いを強く発することがあり、水道の原水がダムや池の場合、夏の気温で藻が大量発生してカビ臭くなることがあるのです。
煮沸や水を暫く出しっぱなしにするなどで改善する、一時的なものが多いですが、何日も続く場合は水道管が損傷したことにより不純物が混ざってしまっていることが原因の可能性があるため、みんなの町の水道職人などの水道修理業者や、お住いの地域の水道局に、水道管の点検依頼・相談をした方が良いでしょう。
油臭い
水道管の工事が行われた後は、水道水が油臭くなることがあります。
これは水道管工事の際に使用される切削油が原因だと考えられるでしょう。
水道管の工事とは水道本管の取り換え工事だけではなく、ご自宅に新しく水道管の設置をすることも含まれます。
ご自宅の水道水は、道路などの下に埋まった配水管(水道本管)から、ご自宅の蛇口に水を運ぶための給水管(ご自宅内における水道管)に分岐し、この分岐させる作業の際に水道管の切断が行われ、切削油が切断に使用されるのです。
切削油の臭いは、水道水を暫く出しっぱなしにしておくことで解消します。
また冬場に灯油の入れ替えを水道管が埋まった土の上で行った場合、こぼれた灯油が土に染みこみ、水道管に浸透するケースがあります。
このときも切削油と同様に、水道水を暫く出しっぱなしにしておくことで臭いは消えますが、臭いが続く場合には灯油が染みこんだ土の入れ替えや、水道管の交換が必要になるでしょう。
カルキ臭
水道水には殺菌のためにカルキが使用されています。
このカルキは人の身体や動植物に影響を与えないと言われていますが、カルキ臭を感じて水道水が美味しくないと思う人や、肌トラブルが起きる人もいらっしゃいます。
カルキ臭は夏の暑い時期や季節の変わり目に臭いを強く感じるようになることがあるでしょう。
また自然豊かな地域から都心部へ引っ越した場合、カルキの臭いが強いと感じることもあります。
カルキ臭は都度カルキ抜きを行ったり、浄水器を設置することで取り除くことができます。
カビ臭い
水道水の水源地がダムや池の場合、夏の気温で藻類が大量に発生してしまい、カビ臭いと感じることがあります。
これは藻類が分解したときに発生する、2-MIB(2メチル・イソ・ボルネオール)やジオスミンという物質が原因です。
水道水に含まれるカルキや、浄水場の設備ではカビ臭さを取り除くことは難しいため、ご自宅の水道に臭いを残したまま水が配水されます。
水道水は定期的な検査などを実施しており、有害物質などが規定値一以上発生している場青などは、発表されます。
そのため、カビ臭さが残った水を飲用しても身体に害はありませんが、摂取することを躊躇うでしょう。
カビ臭いと感じたときは、お住まいの地域の水道局に相談を相談をしてみてください。
プランクトンの発生が増加し、魚のような生臭さを感じる場合もあるため、このときも水道局に相談をしましょう。
参考:J-STAGE┃生物接触ろ過法によるかび臭 2-MIB の処理特性と浄化機構
サビ臭い(金属臭)
ご自宅の水道管が銅や鉄でできている場合、長期間水に晒されることでサビが発生していることがあります。
これにより、水道管に水が長時間滞留していた場合、水にサビの臭いが染みこんでしまうことがあるのです。
朝一番に蛇口を開いて出した水や、日中誰もご自宅におらず帰宅後最初に出した水、旅行や出張などで数日家を空けていた後に出した水などは、サビ臭いと感じることがあるでしょう。
サビの臭いは水道水を暫く出しっぱなしにしていることで消えますが、臭いがいつまでも残る場合は、水道管内に蓄積したサビが水と一緒に吐水されている可能性があるため、水道管の交換を検討した方が良いかもしれません。
硫黄の臭い
水道水を長期間流していなかった水道管に久しく水を通すと、硫黄のような臭いが発生することがあります。
これは長期間水道管を使用していなかったことにより、水道管の中に酸素が通っておらず、硫酸塩還元細菌が繁殖し、硫化水素が発生することが原因です。
臭いが消えるまで水を出しっぱなしにしてください。
またクロスコネクションが原因となっていることもあるでしょう。
クロスコネクションとは給水を目的とした水道管と、井戸水や農業用水などの給水する目的以外の配管が直接連結されていることを言い、水道法で禁止されている接続方法です。
バルブで切り替えができるようになっている場合も、同様に禁止となっています。
クロスコネクションで接続された配管は、損傷やバルブの操作不良・故障が起きた場合、生活用水として安全の保証がされていない井戸水などが、水道本管に逆流してしまうことがあるのです。
安全の保証がされていない水は汚染されている可能性もあり、同じ水道本管を利用している人々に健康被害を与える可能性があります。
例え水質検査をしっかりとした井戸水の場合であったとしても、水道水とは検査基準が違う可能性や、井戸水の検査当時にはなかった細菌などが混ざっている可能性があるでしょう。
クロスコネクションの疑いがもたれる場合や、クロスコネクションになっていることを知っている場合は、みんなの町の水道職人などの指定給水装置工事事業者へ連絡し、配管の切り離しなどを行ってください。
参考:千葉県営水道┃クロスコネクションは水道法で禁止されています!
シンナー臭い
現在流通している水道管の多くは、塩化ビニル管(塩ビ管・塩ビパイプ)で作られています。
塩化ビニル管の水道管を設置する工事では、接着剤が使用され、稀に水に臭いが移ってしまうことがあるのです。
また新築の家や家を増改築した場合に使用された塗料が、水道管の工事の際に混ざってしまうこと、水道管が埋まった土に浸透し水道管にも染みこんでしまうこともあります。
水道水を暫く出しっぱなしにすることで臭いは消えますが、いつまでも臭いが消えない場合、灯油を土にこぼしてしまったときと同様に、土や水道管の点検・交換の依頼が必要となるでしょう。
またシンナーが含有された塗料などが出しっぱなしになっているときには、漏れがないかを確認し、すぐに片づけるようにしてください。
どぶ臭い
水道水がどぶ臭いときは、排水口から上がってきている悪臭が水道水から臭っているように感じている場合があります。
排水口から臭いが上がってくるときは、排水トラップに溜まっている封水と呼ばれている水が乾いてしまっている可能性があるため、排水口から水を足して様子を見てください。
ただし、水道水がどぶ臭い臭いを放っている場合、水道水の中に不純物や細菌などが混ざっている可能性があるため、使用を中止し、水道局へ連絡をしましょう。
水道管の工事が正しく行われておらず、汚水が混ざっている可能性も考えられるため、水道局の指示に従うようにしてください。
水道のご相談はみんなの町の水道職人まで!
水道水が臭い場合、水道管の点検や修理・交換が発生するケースがあります。
水道管に係るご依頼は、指定給水装置工事事業者である、みんなの町の水道職人までご依頼くださいませ。
みんなの町の水道職人では、各自治体の水道局より指定給水装置工事事業者の指定を受けています。
水道管は家庭用水を安心して使用できるように設置する義務があります。
そのため、水道管の施工を任せられるほどの技術と知識を兼ね備えているということを、各自治体の水道局に認めてもらう必要があるのです。
水道管に係る工事を指定給水装置工事事業者以外が行うことは、水道法に抵触します。
水道水からの臭いの多くは、水を暫くの間出しっぱなしにしていることで解決しますが、解決しないケースの場合、臭いが消えるまで水道水を使用することができなくなってしまいます。
早急に対応をすることで水が使用できないという不便さから解放されるでしょう。
みんなの町の水道職人では、作業員一人一人が高い技術をもっているため、迅速にトラブル解決をできるように取り組みます。
水まわりトラブルはなんでも受け付けていますので、水まわりでお困りの際は、みんなの町の水道職人までご相談くださいませ!
まとめ
水道水が臭くなる原因は様々で、臭いの原因によっては、みんなの町の水道職人などの水道修理業者や、水道局への連絡が必要になります。
多くの場合は水道水を出しっぱなしにすることで解消しますが、臭いが消えない場合は、水道水の使用を中断し、すぐに連絡するようにしましょう。
特に飲用水として使用することはお控えください。
飲用水として使用することで、身体へ悪影響が出る懸念があるので、水道局へ相談の際は飲用していたことも伝えた方が良いでしょう。