毎日の暮らしの中で、ついついやってしまいがちな「流してはいけないもの」を排水口に流してしまう行為。
キッチンや洗面台、浴室、トイレの排水口は、目に見えない部分で住宅の衛生環境を支える重要な設備です。
しかし、些細な油断や誤った知識によって、排水管のつまりや悪臭、漏水など、思わぬトラブルを招いてしまうことがあります。
なかには、流しても問題ないだろうと思っていたものが、実は排水管や環境に大きなダメージを与えることもあるのです。
今回は、排水口に絶対に流してはいけない5つのものと、その理由について詳しくご紹介します。
これを機に、習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
目次
流してはいけないもの① 調理後の油
キッチンで最も多いトラブルの原因が、調理油です。
揚げ物の残り油や炒めものをした後のフライパンに残った油など、液体なので問題ないだろうと思ってそのまま排水口に流していませんか?
実は、油は冷えると固まりやすく、下水道に流れ切らずに排水管の中で蓄積していきます。
一度に大量の油を流さなくても、日々少しずつ流していると、やがて排水管の内壁にこびり付き、頑固な油の塊を形成します。
この油の塊が他のごみと絡まり、排水口のつまりや逆流、悪臭の原因になります。
排水管の中に油の塊を形成させないため、調理後の油は適宜処理を施した方が良いのです。
- 油は新聞紙やキッチンペーパーに吸わせて燃えるごみへ
- 大量の油は凝固剤で固めてから処分
- フライパンはキッチンペーパーで拭き取ってから洗浄する
ひと手間かけるだけで、排水管のつまりを予防できます。
流してはいけないもの②米のとぎ汁や小麦粉・片栗粉
意外かもしれませんが、米のとぎ汁や小麦粉・片栗粉といった粉類も、排水管トラブルの元凶です。
米のとぎ汁にはでんぷん質が多く含まれており、冷えるとネバネバとした膜を形成し、排水管の中にこびりつきやすくなります。
また、小麦粉や片栗粉などの粉類も水と混ざると粘度が高くなり、排水管の中で固まってつまりやすくなるのです。
さらに、これらは油と混ざると悪化し、ヘドロ化した頑固なつまりを引き起こします。
米のとぎ汁はできれば庭や植木鉢の水やりに活用し、粉類を使った調理器具は、あらかじめキッチンペーパーで拭き取ってから洗ってください。
流してはいけないもの③ 髪の毛やペットの毛
浴室や洗面所の排水口トラブルで多いのが、髪の毛やペットの毛によるつまりです。
人間の髪の毛は1本1本が細く軽いため流れやすいと思われがちですが、排水管の中で絡まりやすく、蓄積しやすいという特性があります。
シャンプーや石けんカス、皮脂と絡み合って固まってしまうと、ヘドロ化することで悪臭や排水不良の原因ともなり得るのです。
同様に、ペットの毛も排水口に流すのはNG。
ペットの毛は人間の髪の毛以上に細いため、流れやすいと思ってしまいがちですが、排水管の中で絡まり塊を形成します。
とくに、長毛種のペットを浴室や洗面台で洗う際には注意が必要です。
- 排水口に目の細かいヘアキャッチャーを設置する
- 定期的に取り除き、こまめに掃除する
- ペットを洗う際は、排水ネットを活用する
排水口に髪の毛やペットの毛が流れていかないように、対策を施すことがおすすめです。
流してはいけないもの④ 市販の洗剤の混ぜ合わせ使用
排水口掃除をする際、ハイターなどの塩素系洗剤と、サンポールなどの酸性洗剤を同時に使用することは厳禁です。
同時に使用していないから大丈夫と思っていても、排水管の中で混ざってしまうことがあります。
たとえば、午前中に塩素系洗剤で掃除し、その日の夜に別の酸性洗剤で掃除した場合、排水管内で残留成分が混ざることがあるのです。
その結果、塩素ガスと呼ばれる有毒ガスが発生することがあります。
この塩素ガスは、微量でも人体に害を及ぼす危険性があり、最悪の場合、呼吸困難や意識障害などの健康被害を引き起こすことも。
とくに、密閉された浴室やトイレ空間で発生すると非常に危険です。
・洗剤の種類と成分をしっかりと確認してから使用する
・塩素系洗剤と酸性洗剤は、十分に水で流した上で、時間を空けてから使用する
・可能な限り用途別に使い分け、混在しないようにする
塩素系洗剤と酸性洗剤を使用する場合は排水管の中で混ざらないように、これらのことに注意しましょう。
流してはいけないもの⑤ティッシュペーパー・おしりふき・生理用品
トイレには、トイレットペーパーしか流してはいけないという基本ルールがあります。
しかし、ティッシュペーパーやおしりふきは紙なので大丈夫と思って流してしまう方も少なくはありません。
実際には、これらは水に溶けにくく、排水管内でつまりやすい素材でできています。
流れたように見えても、排水管の途中で引っかかり、そこに石けんかすなどが絡まってつまりが発生するのです。
流した量が多い場合には、ティッシュペーパーやおしりふきなどが排水管を塞いでつまることも。
また、生理用品やおむつなどは、水分を吸収して膨らむ素材のため、排水口に流すのは絶対に止めましょう。
排水管の中で膨張してつまります。
「水に溶ける」と記載がない紙類はすべてごみ箱へ捨て、水分を吸収して膨らむ素材のものも、ごみとして処分しましょう。
排水口を守ることは暮らしを守ること
排水口は毎日使う場所だからこそ、ちょっとしたNG習慣で大きなトラブルに発展することがあります。
これくらいなら大丈夫だろうと思って流したものが、やがてつまりや悪臭を引き起こし、修理費用の発生といった予期せぬ出費やストレスを招いてしまうのです。
最近流れが悪いや、なんとなく臭うといった兆候があれば、みんなの町の水道職人にご相談ください。
みんなの町の水道職人は、地域密着型の水道修理業者です。
お客様のお悩みを親身にお伺いし、適切な対処法をご提案いたします。
排水管は見えない部分だからこそ、日ごろのちょっとした心がけが長持ちの秘訣。
今回ご紹介した5つのポイントを守って、清潔で快適な住まいを保ちましょう!