油はそのまま水道に流してもOK?油や洗剤を捨てる問題と正しい処理方法|みんなの町の水道職人

油はそのまま水道に流してもOK?油や洗剤を捨てる問題と正しい処理方法

普段、調理後に油を捨てることがあると思います。また、食器洗いの際に洗剤を捨てることもあるでしょう。

油については、そのまま流してしまうと問題になることをご存知の方は少ないかもしれません。

そこで、今回は油や洗剤を捨てる場合の問題と正しい処理法について解説します。

水道に油や洗剤を流すと起こること

まず油を流すと、二つの大きな問題が発生します。以下順に説明します。

一般家庭への悪影響

水道にそのまま油を流してしまうと、家庭用の排水口が詰まりを生じやすくなってしまいます。実際の問題として、家庭内の排水口が詰まる理由で最も数多いのが油といわれているほどです。

排水口から続く水道管にこびりついた油は、冷え固まります。その部分に食材カスや洗剤が付いて固まりが肥大し、水の流れをせき止めてしまうのが要因です。

また、油をそのまま流さなければOKではありません。料理でたくさん使った場合、確実に処理したと思っていても、食器類に油が残っています。少量の油も積もれば排水口の詰まりのもとになってしまいます。なので、注意してください。

周囲環境への悪影響

それぞれの一般家庭から出された排水は、下水の処理場で清潔に処理されてから川に流されるのが通常です。したがって、各一般家庭が水道に油を流すと、下水処理の際の負荷が増してしまいます。

同時に、環境への汚染問題も深刻です。下水処理の設備がない地域だと、一般家庭の排水は排水口から排水管を通じてそのまま川や海に流れつくので、水質を悪くしてしまいます。油を自然に流すことは、川や海の生物の命を危険に晒すことにもなるのです。

国の環境庁の生活雑排水対策推進指導指針によると、使い切った天ぷら油20ミリリットルを流してしまうと、魚が安全に住めるレベルの水質に回復させるためには浴槽(300リットル)20杯分相当の清潔な水が必要になります。

環境を保護するためにも、わずかな脂でも布やキッチンペーパーで拭き取るといった予防対策をするように心がけましょう。

また、洗剤をそのまま流してしまうと、配管の故障を招く危険性があります。この問題点については、洗剤の捨て方を次項で詳しく解説していきます。

正しい油や洗剤の処理の仕方

以下、油と洗剤の処理法について解説します。

まず、油の処理方法についてです。

油のゴミ種別

油は燃えるゴミとして処理できます。ただ、油を液体の状態で捨てることはできません。
正しい油の処理法をあとで解説します。参考にしてみてください。

油をゴミで処理するとき、各自治体によって扱い方が異なるケースもあります。各地域のゴミの回収規則を事前に調べた上で、正しく処理するようにしましょう。

回収をお願いする

各自治体によって、油を資源ゴミとして再生利用するためにリサイクルしてくれる地域もあります。用済み油はバイオディーゼル燃料などにリサイクル利用ができるので、行っている自治体に住んでいる場合は、回収をお願いすることで環境保護活動に対する意識も強くなるでしょう。

また、リサイクル利用することは燃えるゴミを減らすことにもなるので、リサイクル利用を実施する自治体も増加傾向にあります。各自治体によって回収の仕方は異なるので、自治体のウェブサイトで確認してみるといいでしょう。

新聞紙を利用する

油の処理法として1番馴染みあるのが、新聞紙に吸収させて燃えるゴミとして処理する方法です。新聞紙に吸収させるのは、油が低温度になってから行いましょう。油が高い温度だと、自然発火する危険性もあります。

牛乳パックを利用する

牛乳パックを活用した処理法を行っている人も多いかもしれません。下記の手順で処理します。

・空の牛乳パックに丸めた新聞紙やキッチン用ペーパーを詰める
・油を冷やしてから注ぎ、吸収を待つ
・牛乳パックの口箇所をガムテープで確実に密閉する
・燃えるゴミで捨てる

新聞紙やキッチン用ペーパーの代わりとして、使い古した衣服の切れ端を使っても問題ないでしょう。ただし、この手法も自然発火に注意しなければなりません。高い気温のシーズンに行うときは、中に詰める紙や布切れを水で湿らせておくようにしましょう。

固めてから処理

油の処理法として1番簡単なのが、市販購入できる凝固剤で油を固める方法です。油が冷えないうちに凝固剤を入れてよく混ぜ合わせておくと、60分くらいで油が凝固します。その後は、凝固した油を取り出して「燃えるゴミ」で処理すれば終了です。

また、凝固剤の代用として片栗粉を利用することもできます。まだ油が冷めないうちに、油と同じ量の片栗粉を入れて混ぜ合わせておくだけです。凝固剤レベルには及びませんが、どろりとした状態に固められます。

つづいて、洗剤の処理方法についてです。

皮膚に合わない、臭いきついなどの原因で洗剤が残った場合の処理法を説明します。各自治体によって処置方法が異なる場合があるので、確かめてから処理するようにしましょう。

洗剤・柔軟剤

ほとんどの自治体では可燃ゴミとして処理することが通常の流れです。パウダータイプや固形タイプはそのままで、液体タイプは新聞やボロ布に含ませて可燃ゴミとして処理ましょう。ちなみに、水で薄めてから排水口に流しても大丈夫です。

塩素系ハイター

洗剤と同じく、各自治体によっては可燃ゴミとして処分できる場合が多いです。ただ、酸性の物と混ぜ合わさると有毒ガスが生じてしまうので、酸素系洗剤と同時に処理するのは避けましょう。

水で薄めてから排水口に流せますが、原液の状態で流すと配水管損傷の危険があるので危険です。

賢い油の利用方法

油を再生利用するときの大切なコツは、「使った後の油を清潔なままにすること」「なるべく空気中に触れないこと」です。

はじめに、下記のものを準備してください。

・アミ杓子(網目が細かいタイプ)
・油用こし紙
・こし器
・保存用の容器

そして、下記の手順で油を清潔にします。

・揚げ物調理が終了したら、油が冷めないうちにアミ杓子で揚げものカスを全部すくい取る
・保存用の容器に、こし器を設置する
・こし器の上に油用こし紙を設置し、油を注いでこす

使った後の油を鍋内にそのまま残すのはおすすめしません。酸化を早めてしまうので、必ず容器に移して保存するようにしてください。

また、油を清潔にするとき、揚げ物カスを1つの場所に集めておくと発火の危険もありますので注意してください。また、油が冷え固まると粘度が増して、こしづらくなるので油をこすときは、冷めないうちにするのも重要な点です。

油を水道に流した場合

油を水道に流してしまうと、油の詰まりが起こることもあります。詰まり症状には、以下のようなものがあります。

・ゴボゴボという異音が聞こえる
・水流速度が遅い
・水が逆流する

以上の症状がある場合、台所の排水口で詰まりが起こっている場合が多いです。また、油を流すとトイレが詰まる場合もあるので注意してください。

以下、油詰まりの場合の対処方法の代表例です。

お湯とボロタオルを利用

軽度の油詰まりだと、お湯とタオルを用いて下記手順で解決できます。

・台所の排水口にボロタオルを詰め込む
・流し内に45〜50度のお湯を張る
・ボロタオルを引き抜いてお湯を勢いよく注ぎ込む

この際、決してボロタオルが引っ張られて流れないように注意してください。また、高温の熱湯の使用はパイプ箇所を傷める恐れがあるため、気を付けましょう。

ペットボトルを利用

水を流しに張ったままで蓋を取り外したペットボトルの口部分を排水口に挿入し、側面部を押したり・戻したりしてください。何回か繰り返すと、水圧によって油汚れがはがれ落ちてきます。

まとめ

今回は、油はそのまま水道に流しても大丈夫なのか、油や洗剤を捨てる問題と正しい処理方法を解説してきました。洗剤を原液で流すことはなくても、油を直接流してしまう人は多いのではないでしょうか。

詰まりや臭いの被害を受けている人は、ぜひ本記事内の対処方法を実践してみてください。

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