
現代の日本のトイレに欠かせなくなった温水洗浄便座(ウォシュレット)。しかし、突然ノズルが出なくなったり、使用後に戻らなくなったりすると、とても困りますよね。
このような状況に慌てて高額な修理を依頼する前に、まずは原因を知り、自分でできる対処法を試してみるのはいかがでしょうか。本記事では、ウォシュレットのノズルトラブルの原因と具体的な対処法について解説します。
目次
ウォシュレットのノズルトラブルとは

ウォシュレットやシャワートイレのトラブルの中でも、特に多いのがノズルに関する問題です。ノズルは使用頻度が高く、水や尿などに常に接する部分であるため、故障しやすい箇所の一つです。
ノズルトラブルの代表的な症状
ウォシュレットのノズルトラブルには、いくつかの典型的な症状があります。
「ノズルが出てこない」というのは最も多いトラブルの一つです。ボタンを押してもノズルが本体から出てこないため、洗浄機能そのものが使えません。
「ノズルが戻らない」という状態も頻繁に発生します。使用後にノズルがウォシュレット本体に収納されず、出たままになってしまう症状です。
その他にも、「途中で引っかかって完全に出ない・戻らない」「ノズルから異音がする」「ノズルは出るが水が出ない」などの症状が起きることもあります。
ノズルが戻らない・出ない問題が起きる仕組み
ウォシュレットのノズルは精密な機械部品で構成されており、モーターやギア、制御基板などによって動作しています。
リモコンや本体のボタンを押すと、制御基板からモーターに信号が送られ、モーターの回転によってギアが動き、ノズルが前方に押し出される仕組みです。
戻る際はモーターが反対方向に回転し、ノズルを引き込みます。この一連の動作のどこかに問題が生じると、ノズルが出ない・戻らないといったトラブルが発生するのです。
ノズルトラブルの主な原因として、電源の不具合、汚れの蓄積、部品の故障などが考えられます。
ノズルトラブルを放置するリスク
ウォシュレットのノズルトラブルは、放置すると様々なリスクを引き起こす可能性があります。
まず、ノズルが出たままの状態だと、トイレを使用する際に邪魔になるだけでなく、排泄物などが付着してより衛生状態が悪化する可能性が高いです。
また、ノズルの汚れや故障が進行すると、徐々に修理が困難になったり、修理費用が高額になったりすることも少なくありません。特に水漏れなどが発生していると、電気系統にダメージを与え、より深刻な故障に発展する可能性もあるのです。
さらに、温水洗浄機能が使えないことで、トイレの快適さが損なわれ、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。
こうしたリスクを避けるためにも、ノズルトラブルに気づいたら早めに対処することをおすすめします。
まず確認!ウォシュレットのノズルトラブルが起きたとき

ウォシュレットのノズルに問題が生じたとき、意外と簡単な原因で解決することが多いです。まずはシンプルな原因から確認していきましょう。
停電やブレーカーの状態
ノズルが動かない原因の一つとして、停電やブレーカーが落ちていることが考えられます。
まずは家の他の電化製品が動いているかどうかを確認してみましょう。もし他の電化製品も動いていなければ、停電の可能性があります。
また、トイレの照明だけが点かない場合は、トイレの回線のブレーカーだけが落ちているかもしれません。分電盤を確認し、落ちているブレーカーがあれば戻してみてください。
特に掃除などでブレーカーを落とした後、戻し忘れていることもよくあるため、念のため確認することをおすすめします。
電源プラグとコンセントの接続
ウォシュレットは電化製品ですので、電源プラグがコンセントにしっかり差し込まれているかを確認することが大切です。
掃除の際に誤って電源プラグを抜いてしまったり、プラグが緩んでいたりすることがあります。プラグがしっかりと差し込まれているか確認し、必要に応じて差し直してください。
また、ウォシュレットのプラグには保護装置がついている機種もあります。表示ランプが消えていれば、プラグのリセットボタンを押してみましょう。
電源・運転ランプの状態
ウォシュレット本体の電源や運転ランプをチェックしましょう。
多くのウォシュレットには、電源が入っていることを示すランプや、運転状態を示すランプがついています。これらのランプが消えている場合は、本体の電源が入っていない可能性があります。
もし電源ボタンやスイッチが「切」になっていれば、「入」に切り替えてみてください。
また、ランプが点滅している場合は、エラーや異常を示していることがあります。この場合、取扱説明書を確認して対処法を調べるか、専門業者に相談することをおすすめします。
リモコンの電池残量
ウォシュレットの操作ができない原因として、リモコンの電池切れも考えられます。
リモコンのボタンを押しても反応がない、ランプが点かない、または暗い場合は、電池が消耗している可能性があります。リモコンの電池を交換してみましょう。
電池交換後も問題が解決しない場合は、リモコン自体の故障や、本体との通信に問題がある可能性があります。
着座センサーが正常に反応しているか
多くのウォシュレットには、人が座っていることを感知する「着座センサー」が搭載されています。
着座センサーが正常に作動していないと、ノズルが出てこないことがあります。センサーが汚れていたり、便座カバーなどで覆われていたりすることで正常に反応しない場合も多いです。
センサー部分をきれいに拭き取り、余計なカバーなどを取り外してみましょう。また、座り方が浅すぎる場合もセンサーが反応しないことがあるため、しっかりと腰掛けてみてください。
ノズルが出ない原因と対処法

ウォシュレットのノズルが出ない場合、さまざまな原因が考えられます。順を追って確認していきましょう。
電源系統のトラブル
前述の通り、電源系統の問題でノズルが出ないことがよくあります。
考えられるのは停電や電源プラグの抜け、ブレーカーが落ちているといった原因です。これらの問題は比較的簡単に解決できますので、最初に確認しましょう。
次に、漏電保護プラグが作動している可能性を考えます。多くのウォシュレットのプラグには漏電を防ぐ機能が備わっており、電源ランプが消えていれば通電していません。プラグについているリセットボタンを押して、再度電源を入れてみましょう。
ただし、漏電遮断器(漏電ブレーカー)が頻繁に落ちる場合は、漏電が発生している恐れがあるため、早めに専門の業者に相談することをおすすめします。
ノズル周りの汚れや詰まり
ノズルやその周辺に汚れが溜まると、動作不良の原因になります。
長期間の使用で尿石(尿に含まれるカルシウムなどの成分が固まったもの)や水垢がノズルに付着することがあります。これらの汚れがノズルの動きを妨げて、出てこなくなることがあるのです。
ノズルの掃除は、リモコンの「ノズル洗浄」ボタンを押すか、電源を切ってから手動でノズルを引き出し、洗剤をつけた布やブラシで優しく汚れを落としましょう。強くこすると故障の原因になるため注意してください。
また、ノズルの水が出る穴がつまっていることもあります。この場合も同様に掃除することで改善することがあります。
着座センサーの検知不良
着座センサーが正常に機能していないと、ノズルが出ないことがあります。
センサー部分に汚れが付着していると、人が座っていることを正しく検知できません。トイレ掃除用シートなどで優しく拭き取り、センサー部分をきれいにしましょう。
便座カバーや厚手のマットなどを使用している場合、センサーが正常に機能しないことがあります。これらを一時的に取り外して着座センサーが正しく作動するか試してみてください。
長年使用しているウォシュレットの場合、センサー自体が劣化して反応しにくくなることもあります。この場合は部品交換や本体の交換が必要です。
リモコンの不具合
リモコンに問題があるとノズルが出ないことがあります。
電池切れはもちろん、リモコンの送信部や本体の受信部に汚れが付着していると、信号が正しく伝わらないことがあります。リモコン全体を拭いて汚れを取ってください。
リモコン自体が故障している可能性を考慮して、本体側の操作ボタン(あれば)で操作できるかも試してみてください。本体ボタンで操作できれば、リモコンの故障と考えられます。
なお、リモコンの故障は、交換することで解決できます。メーカーや専門業者に相談して、適切なリモコンを購入しましょう。
内部機械の故障
上記のすべての確認と対処を行っても解決しない場合は、内部機械の故障が考えられます。
ウォシュレットの内部にあるノズルを動かすためのモーターやギア、制御基板などの精密部品が故障すると、ノズルが出なくなることが多いです。
内部機械の故障は素人では対処が難しいため、専門の業者に修理を依頼することをおすすめします。また、ウォシュレットの使用年数が10年を超えている場合は、本体の交換も検討しましょう。
ノズルが戻らない原因と対処法

ウォシュレットを使用した後、ノズルが戻らないトラブルも多く報告されています。この場合の原因と対処法を見ていきましょう。
ノズルの汚れや尿石の付着
ノズルが出ない場合と同様に、汚れや尿石の付着が原因となることがあります。
長期間の使用で尿石や水垢がノズルの伸縮部分に付着すると、スムーズな動きを妨げるためです。特にノズルが収納される部分の汚れは、戻る動作に大きく影響します。
ノズルを優しく手で持ち、中性洗剤を薄めた液体を布に染み込ませて拭き取りましょう。頑固な汚れには、専用のクリーナーを使用するか、クエン酸水で拭き取るのも効果的です。
ただし、ノズル自体は繊細な部品ですので、強くこすったり引っ張ったりしないように注意してください。
ノズルシャッターの動作不良
ノズルが収納される部分には、「ノズルシャッター」と呼ばれるカバーがある機種もあります。
この部分に汚れや変形があると、ノズルがスムーズに戻らなくなることがあるため、きれいに掃除しましょう。
また、シャッターの周辺も含めて、ノズルが収納される空間全体を掃除することで、スムーズな動きを取り戻せることがあります。
ノズル先端の取り付け不良
一部の機種では、ノズルの先端部分を取り外して掃除や交換が可能です。
取り外した後正しく取り付けられていないと、ノズルが戻らなくなることがあります。最近ノズルの先端を交換した場合は、取り付け方法が正しいか確認し、必要に応じて取り付け直してください。
正しい取り付け方法は機種によって異なりますので、取扱説明書を参照するか、メーカーのサポートに問い合わせることをおすすめします。
本体マイコンの不調
ウォシュレットの動作を制御しているマイコン(小型コンピュータ)に不具合が生じると、ノズルが戻らなくなることがあります。
マイコンが一時的に不調な場合は、電源プラグを抜いて約10秒待ってから再度差し込む「リセット」操作により、内部のマイコンが再起動し、正常な動作に戻ることが少なくありません。
ただし、頻繁にこの症状が発生する場合は、マイコンや制御基板の故障が考えられるため、専門業者に修理を依頼しましょう。
モーターやギアの故障
ノズルを動かすモーターやギアが故障すると、ノズルが戻らなくなることがあります。
モーターやギアは機械部品のため、長期間の使用で摩耗したり破損したりするほか、汚れや水分の侵入によって故障することもあるからです。
これらの部品の故障は素人では修理が難しいため、専門業者に依頼しましょう。修理費用や使用年数によっては、本体の交換を検討したほうが経済的な負担が少ない場合も少なくありません。
ウォシュレットノズルのメンテナンス方法

ウォシュレットのノズルトラブルを予防するには、日頃のメンテナンスが重要です。
定期的な清掃
ノズルトラブルを予防するには、定期的な清掃が欠かせません。
週に1回程度、ノズルの清掃を行うことをおすすめします。特に、硬水地域にお住まいの方は、水垢が付きやすいので注意が必要です。
ノズル掃除の手順
ノズル掃除の基本的な手順は以下の通りです。
- 1.リモコンの「ノズル洗浄」ボタンでノズルを出す状態にします。
- 2.中性洗剤を薄めた液体をやわらかい布に染み込ませノズル全体を優しく拭きます。
- 3.清潔な水で濡らした布で洗剤を拭き取り、最後に乾いた布で水分を拭き取ります。
- 4.ノズルを元の位置に戻します。
ノズル自動クリーニング機能
最近のウォシュレットには、ノズルの自動クリーニング機能が搭載されているものもあります。
使用前後にノズルを自動的に洗浄するため、日頃のメンテナンスの手間を軽減してくれます。お使いのウォシュレットにこの機能があるかどうかは、取扱説明書で確認してください。
ただし、自動クリーニング機能があっても、定期的な手動清掃は必要です。自動クリーニングはあくまで補助的なものと考え、定期的に手動でのメンテナンスも行いましょう。
また、一部の高機能モデルでは、除菌水や電解水でノズルを洗浄する機能もあります。これらの機能を活用することで、より衛生的な状態を保つことができます。
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