冷蔵庫と水道は接続されていません。ただし、いろいろな要因が重なって水漏れが起きることもあります。
はじめて水漏れを目にした方にとっては、その原因を突き止めることが困難となるでしょう。今回は冷蔵庫の水漏れ原因について解説し、その対処法もご紹介します。
目次
冷蔵庫が水漏れしたときのチェックポイント
冷蔵庫の水漏れしているとき、水は床に落ちていく場合がほとんどで、どの箇所から水が漏れ出しているのか判別が困難となるでしょう。
以下、水漏れが想定される箇所をご紹介していきます。
ドレンパン
ドレンホースを通って排水されたものは、冷蔵庫下に設けられているドレンパンにたまる構造になっています。
普通、ドレンパンにたまった水は冷蔵庫のシステムで気化および蒸発されるのですが、生じた霜の量に関連して蒸発の速度が間に合わなかったケースでは、このドレンパンから水が溢れ出ていきます。
まだ高温の料理を冷蔵庫に入れると、冷蔵庫内の温度が上昇することで霜が多量に溶け出してしまい、ドレンパンから溢れ出ることが多いです。作り置きしたい料理を冷蔵庫に入れるときは、冷ましてから冷蔵庫内に入れるようにしましょう。
ドレンホース
冷蔵庫には、庫内の霜をとるシステム(霜取り機能)があります。溶け出した霜は水として流し出さなければならないので、ドレンホースというものが取り付けられています。このホースを通して排水される仕組みになっているのです。
仮に、このドレンホースがホコリやゴミ汚れでつまりを起こしてしまうと、行き先を失った水が床に漏れていきます。冷蔵庫の水漏れで1番頻繁にあるケースです。
ドレンホースは野菜収納室の引き出し裏や冷蔵庫の裏面から下方向に設置されている型が多いです。もし探しても見つからないときは、取り扱い説明書や製品メーカー公式サイトから確認してみましょう。
製氷機
製氷機付属の冷蔵庫のケースでは、製氷機が水漏れ原因となっていることもあります。
水漏れにより氷が溶け出してしまい、製氷室の底に大きな氷があったり、くっついていたりするときは、「製氷の皿」や「貯水用タンク」をチェックしてみましょう。
製氷の皿や貯水用タンクが機能していないと水漏れが生じやすくなります。
コンプレッサー
冷蔵庫は、熱交換というシステムで冷却動作しています。熱交換の動作循環のなかで大事な役目をするコンプレッサーというパーツがあり、このコンプレッサーが壊れてしまうと、円滑に冷却動作できずに霜が溶けてしまいます。
一般的に冷蔵庫の寿命は8〜12年といわれており、交換の基準となる兆候としては以下のことがあります。
・氷を作るのに時間がかかる
・冷却までに時間が必要
・不要な動作の音がやまない
このような症状が出てきます。冷えにくくなったと感じた場合、コンプレッサーの問題か冷蔵庫の寿命の可能性が高いです。
ドアの開閉
冷蔵庫は内部と外の空気とを完全に遮断することで、冷蔵庫内が冷却された状態を保っています。したがって少しでも隙間が生じてしまった場合、あたたかい外気が入り込んでしまい、結露を引き起こします。
冷蔵庫の扉がしっかり閉まらない主な理由は、以下の通りです。
・ドアパッキンの傷み
・食品が多く隙間なくしまらない
・残飯がある
これらの理由によって冷蔵庫のドアを何回も開閉すると、冷蔵庫内を密閉する機能をしているドアパッキンが傷みやすくなるのです。またパッキンが傷んでひびがはいってしまうと、空気が漏れることもあります。
くわえて、冷蔵庫内の食品が多すぎるとドアがスムーズに閉まらず、大きな隙間ができてしまいます。ドアがしっかりと閉まったかをチェックするには、扉を閉めたときにパッキンによる密閉時の音が聞こえるかで確かめましょう。
製品メーカーによっては、ドアが一定時間開いたままだと、ランプや音で知らせてくれるものもあります。
とりわけ冷凍室(冷蔵庫)は容量が少なく、キャパオーバーになりがちなので注意しましょう。
食材の液体漏れ
冷蔵庫内の飲み物などから液体が漏れていることも原因の一つとして考えられます。
ジュースや調味料などであれば色や匂い、糖分でベタつきを感じやすいので判断しやすいです。しかし、無色や透明なものは判別しづらいです。
チェックするときは、冷蔵庫内の食品をきちんと確認すると同時に、実際に液体に触れて確かめていく方法が良いです。
フタが開きかけているペットボトルが庫内で倒れている、フタをし忘れたタッパーやコップが傾いている、など、さまざまなケースがあるので、必ず確認しましょう。
停電による水漏れ
ひとたび停電が起きた場合、冷蔵庫の電気がとおらず、冷蔵庫の機能は止まります。そしてだんだん中の霜が溶けていき、水が漏れてきます。
長い間の停電ならまだしも、1時間くらいの短い停電であれば、冷蔵庫への悪影響はささいなものかもしれません。しかし、気温や他の環境によっては大きな影響が出てきます。とりわけ冷凍庫については冷蔵庫よりも影響が受けやすいので、短い間であっても注意するようにしましょう。
冷蔵庫で水漏れしたときの対処法
冷蔵庫が水漏れしたときには、自分で解決できるケースもあります。できるかぎり自分で対処して、割よく修理しましょう。
ドレンホースを掃除する
ドレンホースのつまりが要因の水漏れだったケースでは、ホース内部を清潔に清掃すれば水漏れが改善されます。ドレンホースは長細く清掃しづらいですが、「水を流し込む」「強い息を吹き入れる」「ワイヤーの線を挿入する」「専用のクリーニング道具を使用する」など、汚れのレベルに沿ってやり方を考えて清掃しましょう。
ただ、ドレンホースが劣化している場合、清掃用具でドレンホースを壊さないよう慎重に扱いましょう。
また、このとき、ドレンホースに接続している排水口やドレンパンも一緒に清掃しておくと良いです。排水口など手で清掃できる範囲のわずかな汚れは、細い割りばしや爪ようじなどで汚れを落としましょう。
ドアパッキンを掃除する
冷蔵庫を使いはじめてまもなく、パッキンの劣化だけが水漏れの要因となっているケースでは、ドアのパッキン交換をおすすめします。パッキンを交換するときは一番大きいドアだけでなく、冷凍庫や野菜収納室も一緒にチェックしましょう。
残飯のカスや汚れが付着しているだけのときは、水で絞ったタオルなどで拭き取り、清潔に清掃すればちゃんと閉まるようになります。
冷蔵庫自体を買い換える
原因がわかったケースでも、自分で直せそうにないこともあります。また、水漏れの原因や状態によっては自分で直そうとせず、別のやり方をした方が良い場合もあります。
そのようなときは、冷蔵庫を買い換えることが適切かもしれません。コンプレッサーの故障や冷蔵庫自体が寿命のときは、冷蔵庫を買い換える方が良い場合があります。
くわえて、あまり容量のない冷蔵庫では、パーツ交換の修理をするよりも、本体を買い換えた方がお得になるケースもあります。
コンプレッサーだけの交換であれば、容量200L未満の冷蔵庫で1万5,000〜5万円が目安となります。もし製品メーカーの保証期間中であれば上手に活用して修理コストを抑えましょう。
冷蔵庫からの水漏れを放置してはいけない?
冷蔵庫の水漏れ時は、漏れだす水量が多くないので、トイレや台所の水漏れと比較して軽く見られがちですが、そのままにしていると以下のトラブルが起こります。
・残飯や食材がくさる、悪臭がする
・床面が腐食してしまう
冷蔵庫の状態によっては修理で間に合わず、交換となることもあるのでご自宅の冷蔵庫をよく点検しましょう。
日常生活に必要な食品、その鮮度を保つための冷蔵庫です。その便利な性能を長持ちさせられるよう、問題が起こったらすぐに対応することを習慣づけましょう。
まとめ
今回は、冷蔵庫の水漏れの原因とその対処法を解説してきました。ドレンホースのつまりや排水が溢れているなど、いくつか原因がありうる冷蔵庫の水漏れですが、まれに停電といった非常事態が影響していることもあります。
日頃からメンテナンスを怠らず、手入れしていくことが長持ちの秘訣といえるでしょう。