シンクはさまざまな要因によって詰まりが発生してしまうことがあります。
シンクで詰まりが発生した場合には、溶かして解消することが可能です。
そこで本記事では、シンク詰まりの原因や、溶かして解消する方法などを解説します。
シンク詰まりでお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
シンク詰まりは溶かして解消できる!
ここでは、シンクが詰まる原因や、溶かして解消する方法について解説します。
シンクの排水管が詰まる原因について
シンクの排水管が詰まる原因は、以下のとおりです。
- 油汚れ
- 洗剤カス
- 固形物
- 食材カス
排水がうまくできない原因の多くは、油汚れです。
調理後のフライパンや食後のお皿は、きちんと拭き取らないと油が付着しています。
油が付着したまま水で洗い流すと、排水管の中を通り、徐々に蓄積されていくのです。
ほかにも、野菜の皮や食材を切った際に出た細かいカスなどは、排水管のゴミ受けを通り抜けて、詰まりを発生させることもあります。
掃除用の歯ブラシやスポンジなどの固形物を落としてしまった場合には、そこにゴミが溜まり急激に水の流れが悪くなってしまうでしょう。
排水栓はベルトラップやワントラップと呼ばれ、シンクのサイズに合ったものが設置されています。
基本的には、排水ボックスの底におわん型のカップがかぶせられており、おわん型のカップを外すとロックが外れ、取り外しできるようになるでしょう。
おわん型のカップを外すと、ドーナツ状の溝になっており、そこに封水と呼ばれる水が溜まっている仕組みです。
この排水栓内に油汚れなどが付着し、徐々に量が増えて排水管の中に入り込み、詰まりが生じます。
シンク詰まりを溶かして解消する方法
油汚れや食材カス、洗剤カスによるシンク詰まりは、溶かして解消することができます。
ただし、シンク詰まりを解消する際に、排水管を取り外さないよう気をつけましょう。
排水管は比較的に簡単な構造をしていますが、施工時に特殊な加工が施されていたり、特殊な部品が用いられていたりする場合もあり、プロでなければ対応できない製品や、工具を使用することがあるかもしれません。
排水管を外すと、接合部分から水漏れが発生したり、思わぬ破損が起きたりすることもあるため、排水管は取り外さずに作業を行いましょう。
シンク詰まりを溶かして解消する方法は、以下のとおりです。
- お湯
- 重曹とクエン酸(酢)
- パイプクリーナー
それぞれの方法について解説します。
お湯
軽度の油汚れや洗剤カスの塊であれば、お湯を一気に流し込むことで溶ける可能性があります。
お湯を使用した方法は、以下のとおりです。
- 1.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを取り外す
- 2.お湯が流れていかないように排水溝にタオルを詰め込み、先端だけ外に出しておく
- 3.シンクの6~7割程度まで50~60℃程度のお湯を溜める
- 4.タオルの先端をつかんで一気に引き抜く
- 5.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを先ほどと逆の手順で取り付ける
お湯を使用する際は、60℃以上の熱湯を使用すると排水管が傷んでしまうため、熱湯は使用しないよう注意が必要です。
また、固形物による詰まりの場合は、さらに奥へ押し込んでしまう恐れがあるため、お湯で流すのは止めましょう。
重曹とクエン酸(酢)
重曹とクエン酸は、油汚れや固着した食材カスによる軽度な詰まりを改善できます。
重曹とクエン酸が化学反応を起こし、泡を出して洗浄するため、お湯で詰まりを解決できなかった場合に試してみましょう。
重曹と クエン酸を使用した方法は、以下のとおりです。
- 1.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを取り外す
- 2.排水溝に重曹を振りかける
- 3.重曹の2倍の量のクエン酸をふりかける
- 4.クエン酸と同量のお湯をかける
- 5.泡が出たら1時間程度放置する
- 6.水で洗い流す
- 7.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを先ほどと逆の手順で取り付ける
重曹とクエン酸は、有毒ガスの発生の心配はありませんが、二酸化炭素が発生するため、作業前に換気しましょう。
パイプクリーナー
液体パイプクリーナーは、排水溝の詰まりを溶かして詰まり改善をするアイテムです。
粘り気があり、排水溝や排水管の内側にきちんと密着して汚れを取り除きます。
パイプクリーナーを使用した方法は、以下のとおりです。
- 1.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを取り外す
- 2.排水管に液体パイプクリーナーを規定の量入れる
- 3.所定の時間放置する
- 4.水で洗い流す
- 5.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを先ほどと逆の手順で取り付ける
パイプクリーナーは放置する時間を守らないと、かえって詰まってしまうため、所定の時間を守りましょう。
また、パイプクリーナーは強力な洗剤であるため、肌に触れないようにゴム手袋をはめて、換気をして作業してください。
パイプクリーナーの選び方
パイプクリーナーを選ぶ際には、液体の粘度や水酸化ナトリウムの濃度を確認しましょう。
パイプクリーナーには「高粘度タイプ」「濃密タイプ」「ジェルタイプ」があります。
粘度の低いジェルタイプは、軽度の詰まり改善に適しており、高粘度タイプは長く留まってじっくりと分解しながら汚れを溶かしていくため、油汚れやひどい詰まりにも効果が期待できるでしょう。
また、水酸化ナトリウムの濃度は高ければ高いほど、重度な詰まり改善が期待できますが、最初から濃度の高いものを使用せず、徐々に濃度を上げていくのがおすすめです。
パイプクリーナーで溶けない場合は?
パイプクリーナーで溶けない場合には、以下の業務用洗剤がおすすめです。
- 和協産業「ピーピースルーF」
- 純閃堂「パイプ洗浄剤 クロッグパス」
- スリーエス「パイプをキレイにする3S」
すべて業務用の洗剤であるため、一般家庭用のパイプクリーナーよりも効果が期待できます。
ただし、どれも強力な洗剤であるため、取り扱いには注意しなければなりません。
特に、ピーピースルーFはプロでも取り扱いが難しいため、安易に使用しないよう注意が必要です。
シンク詰まりを溶かすときの注意点
シンク詰まりを溶かすときの注意点は、以下のとおりです。
- 扱い方に気を付ける
- 取扱説明書に従う
- ほかの洗剤と併用しない
- 成分によって溶かせるものが異なる
- 固形物の詰まりには効果がない
それぞれの注意点について解説します。
扱い方に気を付ける
パイプクリーナーは刺激の強い洗剤であるため、注意して使用しなければなりません。
肌に触れると肌荒れを引き起こす恐れがあるため、パイプクリーナーを使用する際には、ゴーグルやゴム手袋、マスクなどの保護アイテムを活用しましょう。
特に、小さなお子さまやペットがいる家庭は注意してください。
万一肌に触れてしまった場合には、すぐに水で洗い流しましょう。
取扱説明書に従う
パイプクリーナーは所定の時間や量が決まっており、効果を最大限に発揮するには規定に従うことが大切です。
汚れがひどいと、放置時間を長くした方がより効果があるのではないかと考える方もいるかもしれませんが、長く放置することでせっかく溶けた汚れが排水管の下の方で再び固まり、かえって詰まりが悪化してしまう恐れがあります。
量や放置する時間など、規定をきちんと守って使用しましょう。
ほかの洗剤と併用しない
パイプクリーナーは塩素系洗剤であるため、ほかの洗剤と併用するのは禁止されています。
もし酸性洗剤と混ざってしまうと、有毒ガスが発生してしまうためです。
有毒ガスは、目や鼻、喉などに刺激を与える上に、アレルギー症状を引き起こしてしまうこともあるため、注意してください。
掃除中に誤って、ほかの洗剤と混合させてしまうという事故も発生しているため、掃除中はほかの洗剤を近くに置かないようにしましょう。
成分によって溶かせるものが異なる
パイプクリーナーは製品によって主成分が異なり、溶かせるものも違います。
液体パイプクリーナーで主に使用されている成分と落とせる汚れの種類は、以下のとおりです。
主成分 | 落とせる汚れ |
水酸化ナトリウム | 油汚れや皮脂汚れ |
次亜塩素酸ナトリウム | 髪の毛などのたんぱく質のゴミ |
微生物 | ヌメリ汚れ |
詰まりの原因に合わせてパイプクリーナーを選びましょう。
固形物の詰まりには効果がない
パイプクリーナーは、固形物のような溶かせないものに使用しても効果はありません。
排水溝に固形物が詰まった際には、業者に依頼して取り除いてもらう、またはパイプクリーナー以外の方法を活用しましょう。
シンク詰まりを溶かす以外で直す方法
シンク詰まりは、溶かす以外にもさまざまな方法があります。
溶かす以外でシンク詰まりを解決する方法は、以下のとおりです。
- 排水トラップを洗浄する
- ペットボトルを使う
- ワイヤーブラシを使う
- すっぽん(ラバーカップ)を使う
それぞれの方法について解説します。
排水トラップを洗浄する
シンクの排水溝には、排水トラップに汚れが蓄積することで、水の流れを妨げているケースがよくあります。
排水トラップを確認して汚れているようであれば、キッチン用の中性洗剤で洗浄しましょう。
キッチン用中性洗剤を使用した排水トラップの洗浄方法は、以下のとおりです。
- 1.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを取り外す
- 2.スポンジに水と中性洗剤を含ませて汚れを落とす
- 3.細部の汚れは歯ブラシなどの小さなブラシで落とす
- 4.水で洗い流す
- 5.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを先ほどとは逆の手順で取り付ける
中性洗剤でも落ちない頑固な汚れには、塩素系漂白剤などを使用するのがおすすめです。
ただし、塩素系漂白剤を使用する際には、取り扱いに気を付けて使用しましょう。
ペットボトルを使う
詰まり解消アイテムが家にない場合は、ペットボトルでも代用できます。
1~2Lの大きなペットボトルを利用するのが良いでしょう。
ペットボトルを使用した方法は、以下のとおりです。
- 1.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを取り外す
- 2.露出した排水管にペットボトルの飲み口を差し込む
- 3.ペットボトルを5~10回程度へこませて排水管に空気を送る
- 4.ペットボトル一気に引き抜く
- 5.ゴボゴボという音が聞こえるまで繰り返す
- 6.音がしたら水を流し、詰まりが解消されたか確認する
- 7.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを先ほどとは逆の手順で取り付ける
ペットボトルを使用するコツは、飲み口と排水管に隙間を作らないようにすることです。
隙間ができてしまう場合には、ガムテープなどで塞ぐと良いでしょう。
ワイヤーブラシを使う
ワイヤーブラシは細長いため、狭い排水溝や排水管の詰まりの改善にも効果的でしょう。
ワイヤーブラシを使用した方法は、以下のとおりです。
- 1.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを取り外す
- 2.排水管の中にワイヤーブラシを入れて詰まりの箇所を探る
- 3.詰まりに当たったら、水を流しながら削るように上下に動かす
- 4.十分に詰まりを削り取れたら、水がスムーズに流れるようになるまで水を流す
- 5.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを先ほどとは逆の手順で取り付ける
すっぽん(ラバーカップ)を使う
トイレ詰まり改善によく用いられるすっぽんですが、シンク詰まりにも効果的でしょう。
すっぽんを使用した方法は、以下のとおりです。
- 1.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを取り外す
- 2.すっぽんのゴム部分が隠れる程度に水を溜める
- 3.すっぽんを排水管の口に密着させる
- 4.すっぽんをゆっくりと押し付ける
- 5.すっぽんを一気に引き抜く
- 6.蛇口から水を流して、スムーズに流れるか確認する
- 7.排水溝の蓋やゴミ受け、排水トラップを先ほどとは逆の手順で取り付ける
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シンク詰まりの予防法
シンクの排水溝は一度詰まってしまうと、解消するのが大変であるため、できるだけ詰まらないように日頃から気を付けて使用する必要があります。
シンク詰まりの予防法は、以下のとおりです。
- 油汚れは拭き取ってから洗う
- ゴミ取りキャッチャーをつける
- 定期的な清掃
それぞれの方法について解説します。
油汚れは拭き取ってから洗う
食器や調理器具は、洗う前に油汚れをきちんと拭き取りましょう。
油汚れは洗剤で綺麗に落ちますが、分解されずに排水管へと流れてしまうため、冷えて固まると詰まりの原因になります。
また、食材カスや洗剤カスをそこへ流し込むと、大きな塊になってしまうでしょう。
食後の食器や、調理後のフライパンなどをきちんと拭き取ってから洗うことで、排水管へ流れる油の量が抑えられて詰まりにくくなります。
ゴミ取りキャッチャーをつける
シンクには食材カスやゴミ、髪の毛なども流れることがあるため、排水管へ流れていかないようにゴミ取りキャッチャーをつけるのがおすすめです。
基本的にシンクの排水溝にはゴミ取りキャッチャーが設置されていますが、目が粗く異物が入り込みやすいため、目の細かいゴミ取りキャッチャーやネットを装着することをおすすめします。
なお、ゴミ取りキャッチャーやネットは、事前に確認してサイズが合ったものを選びましょう。
定期的な清掃
シンクの排水溝の詰まりは、日々の汚れやゴミの蓄積によって生じます。
そのため、定期的に掃除をして汚れやゴミが溜まらないように心がけましょう。
たとえば、ゴミ取りキャッチャーを毎日軽く洗ったり、週に1回程度パイプクリーナーや重曹とクエン酸で排水管の中を洗浄したりするなどがあります。
詰まりだけでなく、悪臭や雑菌の繁殖も抑えられて、清潔に利用できるでしょう。
まとめ
シンクは詰まりやすい箇所の1つですが、パイプクリーナーで溶かして改善することができます。
ただし、パイプクリーナーは強力な洗剤であるため、使用する際には気を付けなければなりません。
また、パイプクリーナーが家にない場合には、すっぽんやペットボトル、ワイヤーブラシなどといった、溶かす以外の方法で改善することも可能です。
固形物の詰まりについては、どれも効果がないため、固形物が詰まった場合にはすみやかに業者に依頼しましょう。