お盆休みなどの長期休暇を利用した旅行は、日常の疲れを癒やしご家族や友人との時間を楽しむ大切な機会です。
しかし、その間にご自宅の水まわりでは思わぬトラブルが進行していることがあります。
とくに見落とされがちなのが、キッチンや洗面所、浴室などの排水口に設けられている「排水トラップ」の状態です。
排水トラップは、普段の生活では意識することが少ない部品ですが、長期間水を流さないと機能が低下し、悪臭や害虫の侵入といった問題を引き起こす原因となります。
今回は、お盆休みなどでご自宅を長期間空ける際に知っておきたい、排水トラップの仕組みや、旅行前後の適切なトラブル対策についてご紹介します。
目次
排水トラップの役割とは何か?
排水トラップとは、排水口の内部に水をためておくことで下水管からの悪臭や害虫の侵入を防ぐ装置です。
構造はシンプルで、S字やP字に曲がった配管、もしくはカップ型の器に常に一定量の水がたまるようになっています。
この水のことを「封水」と呼び、封水がふたの役割を果たし、悪臭や害虫が室内へ入り込むのを防いでいるのです。
排水トラップはキッチンや浴室、洗面所、洗濯機置き場など、家中のほぼすべての排水口に設置されています。
排水トラップの機能を損なわないためには、常に水がたまっている状態を維持しなくてはいけません。
普段の生活では水を流すたびに封水が自動的に補充されるため、特別な手入れをしなくても機能は保たれます。
しかし、旅行などで長期間水を使用しない場合、封水が蒸発してしまうことがあるのです。
そのため、封水を蒸発させないための対策を講じることで、ご不在時に起こり得るニオイや害虫の侵入といったトラブルを予防できるでしょう。
長期不在で起こる排水口のトラブル
お盆休みのように数日から1週間以上ご自宅を空ける場合、封水の蒸発によるトラブルが起こりやすくなります。
特に、夏場は気温が高く蒸発スピードも早まるため、注意が必要です。
封水がなくなると、下水道や排水管内の空気が直接室内に流れ込みます。
これにより、さまざまなトラブルが発生します。
【封水が蒸発することで起こるトラブル】
- 室内に下水臭が広がる
- コバエやゴキブリなどの害虫が侵入する
- カビの原因となる湿気や雑菌が入り込む など
これらのトラブルは不快なだけではなく、衛生面や健康にも悪影響を及ぼす恐れがあるでしょう。
旅行から帰宅して玄関を開けた瞬間、強い悪臭が漂っていると、楽しい気分も台無しになってしまいます。
旅行前にできる封水の蒸発対策
旅行に出発する前には、排水トラップの封水を保つための準備を行いましょう。
簡単にできる方法を3つご紹介します。
1. すべての排水口に水をたっぷり流す
出発前にはキッチンや浴室、洗面所、洗濯機置き場など、家中のすべての排水口にたっぷりと水を流してください。
これにより、封水が充満した状態を作れ、蒸発までの時間を延ばせます。
蛇口から直接水を流せない場所は、コップやバケツなどを使用し、水が排水口のまわりに溢れ出さないようにゆっくり注ぎましょう。
2. 封水に油膜を作る
水の表面に薄く食用油やミネラルオイルを注ぐと、蒸発を防ぐ効果があります。
油膜がふたの役割を果たし、水分の蒸発を抑えてくれるのです。
キッチンや浴室など、油膜が後の掃除に影響しない箇所で活用すると良いでしょう。
なお、ベンジンや灯油などの揮発性の高い油分の使用は厳禁です。
揮発性が高い油分は下水管内で気化して爆発する恐れがあるため、多くの自治体で下水管に流すことが禁止されています。
3. 蒸発防止剤を使用する
市販の蒸発防止剤を使用すれば、蒸発防止膜が排水トラップの中で作られ封水の蒸発を防げます。
数日単位でご自宅を空ける回数が多い方や、旅行や出張などで長期間ご不在にする方、以前に悪臭や害虫被害を経験した方には特におすすめの方法です。
蒸発防止剤は、ホームセンターやインターネット通販などで購入できます。
1本あたりの価格が4,000円前後するため少し高額商品ではありますが、内容量が多く、少量の使用で効果を発揮し、総合的に見ればパフォーマンスに優れます。
旅行後に行うべき排水口のメンテナンス
旅行から戻ったら、まずは水まわりの状態をチェックしてください。
特に夏場の長期不在後は、封水が減っていたり、完全に蒸発していたりする可能性があります。
そのままの状態で放置してしまうと、悪臭や害虫が侵入できる状態が持続してしまうため、少しでも早めの対策がおすすめです。
【簡単にできる排水口のメンテナンス】
- 家中の排水口に水を流し、封水を復活させる
- 悪臭がする場合は中性洗剤や重曹を使って掃除する
- しつこい臭いが残る場合は、排水管クリーナーで奥まで洗浄する
また、帰宅後すぐに換気を行うことで、こもったニオイを速やかに外へ逃がせます。
【排水トラップ別】お盆休み中の害虫対策
お盆休みは気温も湿度も高く、害虫が活発になる時期です。
封水が切れた(蒸発した)排水口は、害虫にとって格好の侵入口です。
特にコバエやチョウバエは排水口周辺で繁殖するため、封水切れを放置すると帰宅後に大量発生してしまう恐れがあります。
旅行前には封水の維持に加え、排水口周辺の掃除も行いましょう。
石鹸カスや油汚れ、生ゴミなどを残したまま旅行に出発すると、害虫の発生源になってしまいます。
【排水トラップの種類と特徴】
排水トラップにはいくつかの種類があり、それぞれメンテナンスのポイントが異なります。
- Sトラップ
床に向かって設置され、S字型に曲がった配管に水をためます。
蒸発しやすい構造のため、長期不在時は特に注意が必要です。
蒸発防止剤の使用がおすすめです。
- Pトラップ
壁に向かって接続され、P字型に曲がった配管で封水を保持します。
Sトラップより蒸発しにくい構造ですが、油膜対策をしておいた方がよいでしょう。
- ワントラップ
カップ状の器に水をためるタイプで、キッチンや浴室の排水口に多く使用されています。
カップを外して掃除ができ、旅行前後のメンテナンスも容易です。
排水トラップの点検頻度と日常でできるケア

長期不在時だけではなく、日常的に排水トラップを清潔に保つことも重要です。
月に1回程度は、排水口内部の掃除や排水口の確認を行いましょう。
これにより、排水口のつまりや排水管の破損など、排水口まわりのトラブルを予防できます。
また、ニオイや排水の流れの悪さを感じたら、早めに対処することが大切です。
旅行の直前だけではなく、普段から意識しておくことで、急な外出や長期不在にも安心して対応できます。
排水口のお困りごとはみんなの町の水道職人にお任せください!
排水口や排水トラップの異常は、悪臭や害虫被害だけではなく、排水管のつまりや漏水などの大きなトラブルにつながることがあります。
みんなの町の水道職人では、排水トラップの点検や交換、排水管内部の高圧洗浄など、幅広い水まわりメンテナンスに対応しています。
お盆休みの旅行を排水口のトラブルに悩まされることなく快適に過ごすためには、事前の準備と帰宅後のケアが不可欠です。
少しでも異常や不安を感じた場合は、早めにみんなの町の水道職人にご相談くださいませ。
旅行前後の封水対策で快適な帰宅を実現
お盆休みの旅行前の封水対策は、帰宅後の快適さを守るための大切な準備です。
封水の維持や排水口の掃除といった小さな手間で、旅行中に悪臭や害虫が発生することを防げます。
長期不在を予定している方は、ぜひ今回ご紹介した方法を取り入れてみてください。
そして、排水口や水まわりに関してお困りごとがあれば、排水口トラブルの専門知識と経験を持つみんなの町の水道職人がサポートいたします。
快適な住環境を守り、安心してお盆休みを満喫するために、早めの点検と準備を心がけましょう。