シャワーが出ない!原因と対処法を水道のプロが徹底解説|みんなの町の水道職人

シャワーが出ない!原因と対処法を水道のプロが徹底解説

突然シャワーが使えなくなると、誰もが焦ってしまうものです。シャワーが出なくなる原因は実はいくつかのパターンがあり、症状によって対処方法も変わってきます。中でも重要なのは、まず「水とお湯の両方が出ないのか」「お湯だけが出ないのか」「水圧が弱くなっているだけなのか」を見極めることです。この症状の違いを理解することで、より的確な対処ができるでしょう。

今回は水道修理のプロフェッショナルとして、シャワーが出なくなった際の原因と対処法、そして予防方法までを詳しく解説していきます。

シャワーが出ないときに考えられる主な原因

シャワーが突然出なくなると、たいへん困りますよね。シャワートラブルの90%以上は以下の3つの症状に分類されます。

  1. 1.水もお湯も全く出ない
  2. 2.お湯だけが出ない
  3. 3.水圧が極端に弱い

それぞれの症状には特徴的な原因があり、適切な対処方法も異なります。まずは現在の状況をしっかりと確認して、より適切な解決方法を見つけましょう。

水もお湯も出ない場合の原因

最も深刻な症状が、水もお湯も全く出なくなる状態です。当社への修理依頼で最も多い原因は以下の通りです。

1. 止水栓が閉まっている

掃除や工事の後に止水栓を閉めたままになっているケースがよく見られます。止水栓は浴室や洗面所の周辺に設置されていることが多く、完全に閉まっていなくても水圧低下の原因となることがあるため、定期的な確認が大切です。

2. 水道管の凍結

気温が氷点下になる地域で特に多く発生する問題です。真冬の朝方に発生しやすく、特に北向きの配管では注意が必要です。放置すると配管が破裂する危険性があるため、早めの対処が重要です。

3. 断水・工事の影響

計画断水の見落としや災害時の緊急断水が原因で起こることがあります。また、近隣での工事による一時的な断水や、地域全体での水圧低下が影響している可能性もあるため、周辺状況を確認しましょう。

4. シャワーヘッドの目詰まり

長期間の使用により、水垢やカルキが蓄積してシャワーヘッドがつまることがあります。特に硬水地域で発生しやすいですが、定期的な清掃で予防できます。分解して掃除することで多くの場合は改善します。

お湯だけが出ない場合の原因

シャワーから水は出るのに、お湯だけが出ない状況の場合、以下のような原因が考えられます。

1. 給湯器関連のトラブル

ブレーカーの落下や停電後の電源復旧忘れが主な原因です。また、給湯器のエラー表示が出ている時もあります。リモコンの設定ミスや、機器の経年劣化による故障の可能性もあるため、総合的なチェックが必要です。

2. ガスの供給状態

プロパンガスを使用している場合は残量不足、都市ガスの場合は供給停止が考えられます。ガスの元栓が閉まっていないか、メーターが正常かの確認が必要です。季節の変わり目にトラブルが多く発生します。

3. 温度設定の問題

給湯器の設定温度が低すぎる場合や、温度調節機能に不具合が生じていることがあります。また、混合栓の故障やサーモスタットの劣化により、適切な温度調節ができなくなっている可能性もあります。

4. その他の不具合

配管経路でのトラブルや、バルブの故障が原因で起こるパターンです。給湯器のセンサーの不具合や、配管内に空気が溜まっていることで、正常な温度調節ができなくなることもあります。

これらの症状は、場合によっては複数の要因が重なっていることも少なくありません。原因を正確に特定し、適切な対処をすることが重要です。特に配管設備の問題は、素人判断での対処が難しく、より深刻な故障につながる可能性があるため、専門家への相談をおすすめします。

水圧が弱くなっている場合の原因

水の勢いが急に弱くなった場合、以下のような原因が多く見られます。

1. 止水栓の状態

止水栓が完全に開放されていないことが最も多い原因です。また、経年劣化による性能低下や、錆びによる動作不良を起こしていることもあります。適切な調整を行うことで改善できる場合が多いです。

2. フィルター類の目詰まり

シャワーヘッドや蛇口内部のフィルター、給水口にゴミや水垢がつまることで水圧が低下します。定期的な清掃で予防できる問題ですが、長期間放置すると取り返しのつかない劣化を招くことがあります。

3. 配管関連の問題

長年の使用により配管内に水垢が蓄積したり、サビにより通水断面が減少したりすることがあります。また、配管の曲がりや潰れ、継手部分の劣化によって水圧が低下することもあり、場合によっては配管の取り替えが必要です。

4. 供給側の問題

地域全体の水圧低下や、高層階での圧力不足が原因となることがあります。また、マンションなどの集合住宅では、ポンプの故障や貯水槽の不具合により水圧が低下することも珍しくありません。マンションの場合は、勝手に業者を呼ぶのではなく管理会社にまず相談しましょう。

すぐにできる!シャワーが出ないときの対処法

シャワーが出なくなった時、すぐに修理業者に依頼する前にご自身で確認し対応できることがいくつかあります。ここでは、安全に行える簡単な対処方法をご紹介します。

これらの方法で改善が見られない場合は、無理な対応は避けてください。まずは以下の手順で確認してみましょう。

止水栓の確認と調整方法

最初に確認したいのが止水栓です。止水栓は通常、浴室の近くや洗面所の下に設置されています。

掃除や工事の際に閉めたままになっていることがよくあるため、反時計回りにゆっくりと回して開いてみましょう。

水が急に勢いよく出ることがあるので、最初は少しずつ回すことをおすすめします。

全開にしても水圧が弱い場合は、他の原因の可能性が高いため、次の確認作業に移りましょう。

シャワーヘッドの掃除方法

シャワーヘッドの目詰まりも、水が出なくなる主な原因の一つです。長年の使用で水垢やカルキが蓄積し、水の出が悪くなることがあります。

掃除の手順は以下の通りです。

  1. 1.シャワーヘッドを本体から外す
  2. 2.内部のフィルターやネットを取り出す
  3. 3.ぬるま湯に重曹やクエン酸を溶かした水に30分ほど浸す
  4. 4.歯ブラシなどで優しくこすり洗いする
  5. 5.よくすすいで元に戻す

特に硬水地域にお住まいの方は、半年に1回程度の定期的な清掃をおすすめします。

給湯器の動作確認と再起動

お湯が出ない場合は、給湯器の状態を確認しましょう。以下の点を順番にチェックします。

  • 電源が入っているか
  • エラーコードが表示されていないか
  • 設定温度が適切か

問題が見つからない場合は、一度電源を切ってから再起動してみましょう。

ガス給湯器の場合は、ガスの元栓を確認します。プロパンガスをご使用の場合は、ガス残量も確認してください。

凍結時の応急処置

寒冷期は水道管の凍結に注意が必要です。凍結している場合の応急処置は以下の手順で行います。

  1. 1.蛇口を開けたままにする
  2. 2.凍結している部分にタオルを巻く
  3. 3.40~50度のぬるま湯をゆっくりかける

熱湯は水道管を破損させる可能性があるため、絶対に使用しないでください。

凍結している箇所をドライヤーで温めるのも効果的ですが、直接熱風を当てすぎないよう注意しましょう。

解凍後は水漏れがないか必ず確認します。水漏れを発見した場合は、すぐに止水栓を閉めて専門業者に連絡してください。

解凍作業中は水が突然出てくる可能性があるため、床や壁が濡れても良いよう養生をしておくことをおすすめします。

シャワートラブルを未然に防ぐメンテナンス方法

シャワーのトラブルの多くは、適切なメンテナンスで未然に防ぐことができます。日常的なケアと定期的な点検を組み合わせて、シャワーを長く快適に使用したいですね。

ここでは水道修理の現場で実際に効果が確認されている、具体的な予防方法をご紹介します。トラブル発生時の不便さや修理費用を考えて、定期的なメンテナンスをしておくと良いでしょう。

定期的な清掃で予防できること

シャワーヘッドやフィルターの定期清掃は、水回りトラブルの予防に最も効果的です。

月1回の簡単な清掃と、半年に1回の本格的な清掃を組み合わせれば、多くの問題を防ぐことができます。

月1回の簡単清掃

  • シャワーヘッドの表面を柔らかい歯ブラシで軽くこする
  • 蛇口周りの水垢を拭き取る
  • 排水口のヌメリを除去する

半年に1回の本格清掃

  • シャワーヘッドを分解して内部までしっかり洗浄する
  • 蛇口のフィルターを外して清掃する
  • 給湯器のフィルターを洗う(機種により可能な場合)

寒冷期の凍結対策

冬場の水道管凍結は、放っておくと破裂などの重大なトラブルにつながる可能性があります。以下の対策で凍結を防ぎましょう。

屋外の水道管の場合

  • 保温材やテープで水道管を包む
  • 市販の凍結防止ヒーターを取り付ける
  • むき出しの配管は断熱材でカバーしておく

屋内の水道管の場合

  • 窓を閉め、すき間風を防ぐ
  • 温度が下がりやすい場所は暖房で保温する
  • 夜間は微量の水を流し続ける

特に気温が氷点下になる地域では、これらの対策は必須です。費用をかけずにできる対策から始めましょう。

長期不在時の水抜き手順

旅行や出張で長期不在にする場合は、水抜きを行うことで凍結や水漏れを防げます。

手順は以下の通りです。

  1. 1.給湯器の電源を切る
  2. 2.ガスの元栓を閉める
  3. 3.家全体の止水栓を閉める
  4. 4.すべての蛇口を開ける
  5. 5.シャワーヘッドは外して逆さにする
  6. 6.完全に水が抜けるまで待つ

帰宅時は、以下の順で水を戻します。

  1. 1.すべての蛇口を閉める
  2. 2.止水栓をゆっくり開ける
  3. 3.蛇口を1つずつ開けて空気を抜く
  4. 4.ガスの元栓を開ける
  5. 5.給湯器の電源を入れる

この作業は10分程度で完了し、トラブル予防に大変効果的です。

こんな症状は業者に相談すべき!危険なサイン

気を付けたいのは、シャワーのトラブルにおいて素人判断で対処すると、逆に状況を悪化させてしまう可能性があることです。放置すると水漏れや破損などの二次被害につながる可能性があるため、異常を感じたらすぐに対応することが重要です。特に以下のような症状が出た場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。

水漏れが発生している場合

水漏れを放置すると、高額な修理費用が必要になるだけでなく、建物にも悪影響を及ぼす可能性があります。

蛇口の根元やシャワーホースの接続部から水が染み出している場合は、内部のパッキンの劣化の可能性が高いです。

水道管からの水漏れは天井のシミや壁のふくらみなどの形で発見されることが多く、すでにかなりの劣化が進んでいる可能性があります。

このような症状を見つけたら、すぐに止水栓を閉めて専門業者に連絡しましょう。

異音や振動がある場合

シャワー使用時の異常な音や振動は、重大なトラブルの前触れかもしれません。

特に「キーン」という金属音や「ゴボゴボ」という異常な音は、配管内の気泡や水圧の異常を示している可能性があります。

配管からの異音は、継ぎ手の緩みや配管の固定不良が原因のことがあり、そのまま放置すると破損につながるかもしれません。

シャワーヘッドを交換しても音が消えない場合は、配管に問題がある可能性が高いため、専門家による点検が必要です。

部品交換が必要な場合

シャワーの各部品には寿命があり、経年劣化による交換が必要です。

交換作業は自分でもできますが、内蔵されているサーモスタットやシャワー栓、止水栓などの交換は専門的な知識と技術が必要です。

素人による無理な分解や交換は、水漏れや破損の原因となる可能性があるため避けましょう。

交換部品の選定も重要です。互換性のない部品を使用すると新たなトラブルの原因となりますので、判断しにくい場合は専門業者に任せてください。

給湯器に不具合がある場合

給湯器は家庭内で最も複雑な機器の一つで、電気系統やガス系統の知識が必要です。

エラーコードが表示される、着火しない、お湯の温度が安定しないなどの症状がある場合は、専門業者が点検しないと原因を正しく把握できません。

特に10年以上使用している給湯器は、経年劣化による故障リスクが高まるため、定期的な点検をおすすめします。

給湯器本体からの水漏れや異常な音、焦げ臭いにおいなどがある場合は、すぐに使用を中止して専門業者に連絡しましょう。

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