近年では洋式トイレが一般的となってきました。和式と洋式では構造が異なるため、問題が起きたときの対処法も変わっていきます。そこで今回は、洋式トイレの構造を詳しくご紹介していきます。
目次
洋式トイレの構造
洋式トイレで万が一問題が起きたときでも、構造を理解しておくと対処しやすくなります。構造を理解しないままむやみに触ると、問題が悪化する可能性があるため、注意しなければいけません。
洋式トイレの仕組み
洋式タイプは和式タイプと同じように、水が溜まっている状態が基本となります。常に水が溜まっている状態なのは、汚れをつきにくくするためです。他にも、悪臭の予防や下水道から侵入してくる害虫の予防のためでもあります。
そして、タンクの横のレバーを回すことで、内部の部品が連動し、汚物が流れていきます。水が溜まっていなければ、汚物を流すための威力が半減してしまうのです。しっかり汚物を下水に流すためにも十分な量の水が必要です。
洋式トイレのタンク構造
洋式トイレのタンクは基本的に10個のパーツから成り立っています。
・浮き球
・オーバーフロー管
・フロートバルブ
・ボールタップ
・クサリ
・レバー
・レバーアーム
・手洗い管
・止水栓
・排水弁
それぞれの部品が連動することで、水が流せるようになります。ただし、タンクや本体は丈夫ですが、内部の部品はプラスチック製のものもあるので、使えば使うほど劣化していきます。
詰まっていなくても、部品の劣化が原因で問題が起きるケースもあるので注意が必要です。
洋式トイレで水が流れなくなったときの対処法
洋式トイレの問題の多くは、「つまり」によって引き起こされます。特に、誤って固形物を落とした際に引き起こしやすいです。また、トイレットペーパーも注意が必要です。
1回で多くの量を流すと、水に溶けるスピードが追いつかず詰まってしまう可能性があります。つまりが原因で起きた問題であれば、自分で対応できることが多いです。
重曹とお酢を使う
トイレットペーパーなどが詰まった場合は、溶かす方法で対応することで改善できることが多いです。
用意するもの
重曹… 50グラム
お酢… 100グラム
お湯…適量
重曹とお酢をトイレの中に入れてください。しばらくするとシュワシュワとお湯が発生するので、40〜45度程度のお湯を上から注ぎましょう。
そのまま1時間程度時間をおきます。1時間たったら、バケツ一杯分の水をトイレに注ぎます。
その後レバーを引いて、問題なく流れたら完了です。水を注ぐ際は、できるだけ高い位置から入れるのがポイントです。高い位置から注ぐことでより圧力が生まれやすくなるので、問題が解消しやすくなります。
ちなみに、パイプクリーナーもおすすめです。パイプクリーナーは、薬液を入れて、説明書に記載してある通りの時間を放置するだけなので、簡単にできます。
ラバーカップを使う
トイレットペーパーや汚物などが詰まってしまった場合は、ラバーカップがおすすめです。
ラバーカップのゴム部分を便器に押し当てて、ぴったり密着したら、ラバーカップを押し込み、そのまま引っ張りましょう。水や空気の圧力で、つまりを解消できることが多いです。詰まりが解消されるまで、何度か押し引きをしてみましょう。
ワイヤーブラシを使う
ワイヤーブラシとは、ワイヤーの先に短いブラシが付いているものです。ワイヤーブラシを奥まで差し込み、ブラシで詰まったものを取り除くように意識して、上下に動かしてみてください。
ただし、無理矢理動かすと配管を傷つけてしまう可能性があるので、ガチャガチャと動かすのはNGです。慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、コツをつかめば柔軟に使いこなせるようになります。
洋式トイレのつまりを防ぐポイント
詰まってしまうと、水が流れなくなるだけではなく、逆流してくる可能性もあります。詰まりを防ぐためにも、以下のポイントに注意してください。
水に溶けにくいものを流さない
基本的にトイレに流して良いのは、トイレットペーパーのみです。同じペーパーでも、ティッシュペーパーは水に溶けにくい性質を持っているため、トイレットペーパーの代用として使うのは避けましょう。
また、猫砂なども水に溶けにくいので、大量に流すと詰まってしまいます。ティッシュペーパーも猫砂も水に流せるタイプのものが販売されていますが、大量に流すと詰まってしまうかもしれません。
水に溶ける性質のトイレットペーパーでも、一度に多くの量を流すのはやめましょう。多くの量を流す際は小分けに流すことがポイントです。
タンクに異物などを入れない
中には、節水するためにタンクにペットボトルなどを入れている方もいるでしょう。ペットボトルや異物などを入れてかさましをすると、水の量が減るので、汚物を押し流す水圧が弱まってしまいます。
トイレづまりが起きて症状が悪化すると、大きな修理が必要になるケースもあり、余計に費用が必要になるかもしれません。
節約することはとても良いことなのですが、使用方法は守ることが大切です。また、ポケットに入っていたボールペンやヘアピンなどを誤って落とすことでも、つまりを引き起こしてしまいます。
固形物を間違って落とさないためにも、トイレをする際はポケットに何か入っていないか確認してから用を足すようにしましょう。スマートフォンなどの機械類も要注意です。
問題に対応できる道具を用意しておく
いつトイレが詰まっても良いように、問題に対応できる道具を用意しておきましょう。重曹やお酢は家庭にある場合が多いですが、トイレットペーパーの詰まり程度しか効果がありません。
大きな詰まりの場合は、ラバーカップやワイヤーブラシが必要になるので、あらかじめ用意しておくのがおすすめです。
各部品の状態を確認する
トイレも消耗品なので、使えば使うほど部品が劣化していきます。内部の部品が劣化すると問題を引き起こしやすくなるので、定期的に確認することが大切です。劣化している部品を見つけたら、新品に変えるなどして対応しましょう。
また、丈夫な素材でできているタンクや便器も、何か物を落としたり、ぶつけたりすると、そこからひび割れをして、水漏れが発生するケースも少なくありません。使用年数によっては軽くものをぶつけただけでも傷ができてしまうことも。
タンクや便器自体がひび割れしてしまった場合は、迅速に業者に修理を依頼した方が良いです。補修テープなどで対応できる場合もありますが、応急処置に過ぎません。一度ヒビが入ると、少しの衝撃でどんどん傷が大きくなっていきます。
「まだ大丈夫」と思うのではなく、本体の故障は迅速に対応することが大切です。早めの行動をすれば修理費用を抑えられる場合があるので、コストカットにもつながるでしょう。
まとめ
万が一問題が起きた時でも、洋式タイプの内部構造を把握しておけば対応できる可能性が高いです。新しいタイプのものでも使い方が間違っていれば、問題を引き起こしてしまいます。
問題を引き起こさないための一番の方法は、使用方法を守ることです。節約のためにと行った行動でも、場合によっては大きな修理が必要になって、多額の費用がかかってしまうかもしれません。
正しく使用することで問題を防ぎ、修理費用の節約にもつながるのです。