トイレをはじめとする「水回りのトラブル」と言えば、「冬」をイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、真夏の暑い時期だからこそ発生しやすいトラブルもあるのです。
中でも注意したいのが、水道管の破裂(割れ)です。いったいなぜ夏の暑い時期にこうしたトラブルが発生するのか、理由や対処法について詳しく解説します。
水道管の水漏れトラブル…油断できない「夏」
破裂による水道管の水漏れトラブルが、もっとも多くなる季節は「冬」です。気温が低下することで水道管が凍結。内部からの圧力で破裂したり、解凍時の温度変化に耐えられずに破損したりするケースが目立ちます。
気温が高くなる夏の時期には、水道管が凍結する恐れはありません。だからこそ油断しがちですが、冬とはまったく異なる理由で水道管の破裂(割れ)トラブルが発生するのがこの時期なのです。
真夏の水道管でトラブルが発生しやすいのは、鉄管ではなく塩ビ管です。強化プラスチックとも呼ばれるグレーや紺色の塩ビ管は、私たちにとって身近な存在と言えるでしょう。鉄管とは違い「さびない」「軽くて施工しやすい」といったメリットがあり、多くの家庭で導入されています。
しかし塩ビ管にも弱点はあります。それが真夏の時期に強く降り注ぐ「紫外線」です。外部に露出している塩ビ管が長く紫外線にさらされ続けると、素材が劣化。水道管そのものがボロボロになり、破裂(割れ)の原因になってしまうのです。
水道管が破裂するとどうなる?
真夏の紫外線が原因で発生する水道管の破裂(割れ)トラブルは、いつどのタイミングで発生するのか予測するのは難しいでしょう。
・塩ビ管を利用していて、外部に露出している部分がある
・施工してから長い時間が経過している
これらの条件に当てはまるご家庭においては、いつ起こってもおかしくないトラブルと言えるでしょう。特に水道管を設置してから20年以上が経過しているお宅では、注意が必要です。
紫外線により水道管が破裂した場合、水が勢いよく噴き出してしまいます。まずは落ち着いて、自宅内の水道の元栓を閉めてください。とりあえず水が止まるので、落ち着いて次の行動に移れるはずです。
破裂してしまった水道管は、該当部分を取り替えて修理する必要があります。水道修理の専門業者に依頼するようにしましょう。修理が完了するまでは自宅の水道が使えなくなってしまうため、できるだけ早く手配するのがおすすめです。
何らかの事情で「どうしても今すぐに何とかしたい」と思う場合は、応急処置を施しましょう。水が噴き出している部分を特定したら、タオルや衣類などをしっかりと巻き付けます。その上から防水性のあるテープをしっかりと巻き付けて固定することで、とりあえず水道を使えるようになる可能性があります。
真夏の水道管破裂を予防するための方法
ただでさえ気温が高まる夏の時期。自宅で水道が使えないとなると、非常に困ってしまうでしょう。夏の時期特有の水道管破裂を予防するためには、破裂の原因を正しく理解した上で適切な予防法を実施するのが一番です。
先ほどもお伝えしたとおり、真夏の水道管破裂を引き起こす最大の原因は「紫外線」です。水道管がどの程度影響を受けるのかは、気候条件や設置条件によって大きく異なります。塩ビ管が直射日光にさらされている場合、蓄積するダメージはかなり大きくなってしまうため、十分に注意してください。
紫外線を避けるためには、水道管にカバーをするのがおすすめです。冬の凍結予防のため、発泡ポリウレタンの保温材やパイプガードを取り付けるケースも多いでしょう。実はこれらのパーツには、真夏の紫外線から塩ビ管を守る効果も期待できます。
発泡ポリウレタンもパイプガードも紫外線によって徐々に劣化してしまいますが、傷んだときには手軽に付け替え可能です。塩ビ管を守るためにも、ぜひ取り入れてみてください。
新築時にはこれらのカバーがしっかりと施工されていても、時間の経過とともに、劣化しているケースは少なくありません。住人が気付かない内にボロボロになって剥がれ落ち、塩ビ管が露出してしまう可能性もあるでしょう。
真夏の水道管の水漏れトラブルを防ぐためには、水道管の状態をこまめにチェックするのがおすすめです。カバーが外れたり傷んだりしていないか確認の上、必要であれば適切なメンテナンスを行ってください。
水道管に巻き付ける発泡ポリウレタンやパイプガードは、ホームセンターなどでも安価で購入可能です。傷んでいる部分を取り外し、新たなパーツを取り付けてテープで固定すればOKです。夏が始まる前、もしくはできるだけ早いタイミングで実施するようにしましょう。
水道管の水漏れには真夏も要注意
水道管の水漏れトラブルは、冬の時期だけに発生するわけではありません。夏の暑い時期に水道が使えなくなってしまえば、家族の生活への影響は甚大に。ちょっとした工夫でトラブルを避けられますから、ぜひ意識してみてください。
まずは自宅で使われている水道管の素材と、現在の状態を確かめてみてください。直射日光が当たっている場合、できるだけ早くカバーを取り付けましょう。すでに劣化が進んでいる場合、水道管が破損する前に専門の修理業者に相談するのがおすすめです。