蛇口の故障が発覚した場合、その仕組みをよく理解しておく必要があります。適切な対処を行うには、蛇口の仕組みへの理解が欠かせません。
特に、できるだけコストを抑えるために自分で「蛇口のメンテナンスをしたい」「蛇口を交換したい」という人は、仕組みに気を配りましょう。
本記事では蛇口の仕組みのほか、ありがちな故障パターンも紹介します。なかには業者に相談したほうがよいケースもあるので、冷静に見極めていきましょう。
目次
蛇口の仕組み
蛇口の仕組みを知るには、使われている部品を理解することが大切です。また、蛇口は「単水栓」と「混合水栓」に大きく分けられています。詳しく解説しますので、ぜひ参考としてお役立てください。
蛇口に使われている主な部品
一見シンプルにみえる蛇口ですが、使われている部品はとても多いものです。主に使用される部品は「ハンドルビス」「蛇口ハンドル・蛇口レバー」「スピンドル」「コマパッキン」「蛇口スパウト」「蛇口キャップ」です。
ハンドルビスはネジの一種で、蛇口ハンドルを固定するためには欠かせません。蛇口ハンドル・蛇口レバーは、さまざまな種類があります。蛇口からでる水量を決めるも、大事な部品です。スピンドルは、蛇口の水量を調節するものです。蛇口のサイズによって長さや径が異なります。
コマパッキンは、別名「毛レップ」とも呼ばれる部品です。吐水口から水が流れてしまうのを防ぐ役割があります。蛇口を閉めても水がポタポタと落ちるときは、コマパッキンの破損や劣化が原因かもしれません。
蛇口スパウトは、蛇口の先端につなげられるパイプです。ハンドルと水量・水温を連動させるには、必要な部品となります。蛇口キャップは水はねを防いだり、蛇口に発生したサビが流れるのを防いでくれます。どの部品も、正常に蛇口を使うには不可欠なので、よく覚えておきましょう。
単水栓と混合水栓の違い
「単水栓」とは、水もしくはお湯のみがでるものを指しています。対して「混合水栓」は、1つの蛇口で水もお湯もでるものをいいます。単水栓は、ハンドルをゆるめることで水圧によるコマが上昇し、その隙間から水がでる仕組みです。
混合水栓も基本的には、同じ仕組みです。ただ、シングルレバー式やサーモスタット式の混合水栓は、カートリッジの軸棒が動くことを利用し、水をだしています。カートリッジは、水やお湯の温度も調整している部分です。
補助パーツの種類
「蛇口の機能を増やしたい」という人には、補助パーツの取り付けをおすすめします。補助パーツの種類は主に「アダプター」と「蛇口鍵」があります。
アダプターはニップルとも呼ばれており、ホースなどの取り付けができます。また、蛇口鍵は盗水やいたずらへの対策に効果を発揮するものです。コストを抑えつつセキュリティー対策ができるので、おすすめです。
混合水栓の仕組み
一般家庭であれば、混合水栓を使用していることがほとんどです。しかし、その仕組みを十分に理解している人は少ないのではないでしょうか。
混合水栓の種類は「ツーバルブ混合栓」「シングルレバー混合栓」「サーモスタット式水栓」「自閉式水栓」に分けられます。それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
ツーバルブ混合栓
ツーバルブ混合栓は、水とお湯のそれぞれのハンドルが取り付けられているものです。「お湯はお湯」「水は水」というように、吐水する場所が決められています。
たとえば赤いマークのあるハンドルを回せばお湯がでて、青いマークのあるハンドルを回せば冷たい水がでます。それぞれのハンドルにコマ栓があるので、ひねった蛇口の栓が開き水がでるはずです。
シングルレバー混合栓
シングルレバー混合栓は、レバーを上下左右に動かし水をだしています。蛇口をひねるタイプではなく、レバーでの操作となります。
レバーを下げたり水が止まり、反対にレバーを上げると水がでる仕組みです。シングルレバー混合栓の特徴は、水とお湯の調節にカートリッジが使われる点です。
通常はハンドルやスピンドルが使われますが、シングルレバー混合栓はカートリッジの軸棒を動かすことで水とお湯の量を調節します。また、シングルレバーで水をだすときは右に、お湯をだすときは左に動かします。
サーモスタット式水栓
サーモスタット式水栓は、自分であらかじめ温度調整できるものです。特にシャワーなど、お風呂に使われることが多いでしょう。
決まった温度のお湯がでますが、ハンドルを回すことでお湯の温度を調整できます。水やお湯の量はサーモカートリッジで調節でき、調整用のハンドルが付けられているので安心です。
自閉式水栓
自閉式水栓は、ボタン式の蛇口です。一度に流れる水は3リットルほどと決まっているため、水の出しっぱなしをなくせます。銭湯や温泉などで使った経験のある人は多いかもしれません。
あまり一般過程では使われない蛇口のタイプです。温度調節も可能ですが、一定量になると水が止まってしまうので面倒に感じる人も多いでしょう。
蛇口のよくある故障と対処法
蛇口が故障した場合、トラブルの内容がわからず困り果ててしまう人は多いでしょう。しかし、蛇口の故障には、よくあるケースが存在します。
そもそも蛇口の耐用年数は、8〜10年ほどです。特に水道は毎日使うものなので、破損や劣化が生じやすい部分でもあります。
水道や蛇口に違和感を覚えたまま放っておくと、さらに大きなトラブルに発展する恐れがあります。トラブルを未然に防ぐためにも、蛇口のよくある故障を頭にいれ、適切な対処を行いましょう。
スピンドルにサビが発生している
蛇口の故障によくある原因は、スピンドルに発生したサビです。スピンドルにサビがでると、蛇口をきちんと締めても締めきれません。
スピンドルのサビのせいで水の通り道がふさげないので「水がポタポタと流れている」「水漏れしている」といったトラブルが引き起こされます。スピンドルのサビは、長い間使っていると発生する恐れが高いものです。
長く蛇口を使っている場合は、自分での修理は避けたほうがよいでしょう。自分で修理を行うと、ますます状態が悪くなるかもしれません。サビが疑われる場合は、修理業者に相談しましょう。
スピンドルが破損・劣化している
蛇口からの水漏れトラブルは、サビのほかにスピンドルが破損していたり、古くなっていたりする場合があります。蛇口の耐用年数以上に使い続けている場合は、破損や劣化を疑いましょう。
破損も劣化も、新しいスピンドルに交換する必要があります。破損や劣化のケースも、自分一人でも修理はとてもリスクが高いです。そのため、すぐに業者に問い合わせたほうがとてもスムーズに解決できるでしょう。
特に、強い勢いの水漏れが生じているときは、悩まずにすぐに専門の業者に連絡してください。蛇口の故障トラブルへの対応は、専門知識が求められるケースもあります。無理やり自分で修理をすると、より大きな破損や故障につながりかねないので、気をつけましょう。
蛇口の故障は水道業者に依頼しよう
蛇口の故障がみつかったら、一人で修理するのは避けましょう。耐用年数である8〜10年を超えた蛇口を使っている場合は、スピンドルの劣化やサビ、破損が疑われます。
「水漏れが強い勢いで発生している」「水が蛇口からポタポタと漏れている」という場合は、水道業者に頼ってください。蛇口の仕組みを理解しても、「対応している部品がわからない」「どのような工具を使えばよいのか不安」という人も、遠慮なく水道業者に相談しましょう。
また、なかには「なぜ蛇口から水が漏れているのかわからない」という人もいるかもしれません。この場合も、無理をせず水道業者に問い合わせてください。