日常生活で特に起こりやすい水道のトラブルとして挙げられるのが、水漏れです。
水が流れつづけるとその分水道料金が高くなり、家計に大きな負担がかかるため、早めに対処したいものです。
本記事では、水漏れが発生したときの応急処置の方法や、ご自身で修理できるかどうかを判断するための基準を解説します。
いざというときに慌てず対応できるよう、ぜひ最後までご覧ください。
目次
水道トラブルが生じた際の応急処置
まずは、水道のトラブルが発生した際の応急処置の方法を見ていきましょう。
以下の3つの項目に沿って、順に対処していきます。
水道トラブルが生じた際の応急処置
- 止水栓を閉める
- 水が漏れている場合は補修テープで止める
- 賃貸物件の場合は管理会社や大家に連絡する
止水栓を閉める
蛇口や給水管から水が漏れているケースでは、その蛇口または給水管につながる止水栓を閉めることで一時的に水を止められます。
止水栓は、キッチンや洗面台、トイレなど、各設備付近の壁や床に設置されており、ハンドルあるいはマイナスドライバーを使用して右に回せば閉まります。
もしも止水栓が見つからないときは、家全体へ水を供給している元栓を閉めるのも一つの手段です。
ただし、元栓を閉めると家中の水道が完全に使用できなくなるため注意が必要です。
水が漏れている場合は補修テープで止める
蛇口や排水管、給水管からの軽度な水漏れの応急処置には、ホームセンターで購入できる水漏れ用の補修テープが役に立ちます。
補修テープは主に、自己融着テープ・水道用ラップテープ・防水補修テープの3種類に分けられます。
それぞれの特徴は、以下の通りです。
水漏れ用補修テープの種類と特徴
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 自己融着テープ |
|
| 水道用ラップテープ |
|
| 防水補修テープ |
|
補修テープを使用する際は、しっかりと密着させるために、補修箇所の汚れや水分を可能な限り拭き取っておきましょう。
補修テープでは対応しきれないほどの水漏れが発生している場合は、バケツや雑巾などを使用して被害が広がらないようにしてください。
賃貸物件の場合は管理会社や大家に連絡する
賃貸物件にお住まいの方は、ここまでにお伝えした応急処置にくわえて、管理会社や大家への連絡も忘れずに行いましょう。
入居者が自ら水道修理業者に連絡してしまうと、本来管理会社や大家が負担すべきだった修理費用が自己負担になるケースも少なくありません。
また賃貸契約書には「水道トラブルの発生時は管理会社または大家すること」と明記されていることが多く、自己判断による行動が契約違反につながる可能性もあります。
こうしたトラブルを未然に防ぎ、迅速に水道のトラブルを解決するためにも、まずは管理会社や大家に連絡し、適切に対処してもらうことが大切です。
【水漏れの箇所別】ご自身で修理できるかどうかの判断基準と修理方法
ここからは水道で水漏れが起きた箇所別に、ご自身で修理できるかどうかの判断基準と、具体的な修理方法を解説します。
現在水漏れが発生している場合は、現状と照らし合わせながらご確認ください。
【水漏れの箇所別】ご自身で修理できるかの判断基準と修理方法
- 蛇口で水漏れが発生した場合
- 排水管で水漏れが発生した場合
- シャワーで水漏れが発生した場合
- トイレで水漏れが発生した場合
- 止水栓や元栓で水漏れが発生した場合
修理や交換に必要な道具や部品は、ホームセンターやインターネット通販で購入できます。
蛇口で水漏れが発生した場合
蛇口の水漏れは多くの場合、以下の4か所のいずれかから発生していると考えられます。
蛇口の水漏れが発生する箇所
- 蛇口のパイプの先
- 蛇口のパイプの根元
- 蛇口のハンドルの根元
- 蛇口の取り付け部分
以下で、ご自身で修理可能なケースと修理方法を確認しましょう。
ご自身で修理できるかどうかの判断基準
蛇口の水漏れでは、前述の4か所いずれの場合もご自身で修理できます。
ただし、設置から10年以上経過している蛇口、あるいはセンサー式の蛇口の場合は、ご自身で修理できません。
設置から10年以上経っている蛇口は、外観では問題がないように見えても、内部ではサビによる腐食やナットの固着が進んでいることがあります。
力任せに分解しようとすると、サビでもろくなった部品が破損してしまう可能性もあるため、ご自身での無理な修理は避けたほうが無難です。
また、手をかざすだけで水が出るタイプのセンサー式の蛇口は、内部構造が複雑で専門的な知識が必要なため、ご自身で分解せずに水道修理業者へ依頼してください。
蛇口の水漏れの修理方法
ここからは、蛇口の水漏れが発生している箇所ごとに修理方法をお伝えします。
いずれの場合でも、作業を行う前に止水栓を必ず閉めてください。
蛇口の水漏れの修理方法
| 水漏れの発生箇所 | 修理方法 |
|---|---|
| 蛇口のパイプの先 |
|
| 蛇口のパイプの根元 |
|
| 蛇口のハンドルの根元 |
|
| 蛇口の取り付け部分 |
|
作業後は、水がきちんと止まっているか確認しましょう。
もしも改善しない場合は、早めに水道修理業者へ相談することをおすすめします。
排水管で水漏れが発生した場合
排水管の水漏れは、壁や床の内部にある配管、もしくはシンクや洗面台の下に設置された排水ホースで発生するケースが多くみられます。
どのような状況だとご自身で修理可能なのか、その基準を以下で詳しく説明します。
ご自身で修理できるかどうかの判断基準
排水管の水漏れは、発生源を目視で確認できるかどうかが、ご自身で修理できるか否かの判断材料になります。
たとえばシンクや洗面台の下にある蛇腹状の排水ホースからの水漏れであれば、比較的簡単な交換作業で対処できるため、ご自身で修理することが可能です。
一方、水漏れが壁の中や床下など、普段の生活では確認できない配管部分に及んでいる場合は、ご自身で修理するのは困難です。
この場合は水漏れの発生場所を特定するだけでも専門的な技術が必要となるため、水道修理業者へ依頼しましょう。
排水管の水漏れの修理方法
ご自身で排水ホースを交換する場合は、以下の手順をご参照ください。
手順
- 手順①収納庫内の床面にある排水プレートを外す
- 手順②防臭キャップ・防臭ゴムを外す
- 手順③排水ホースを引き抜く
- 手順④シンク・洗面台側の接続部分を外す
- 手順⑤①～④と逆の手順で、新しいパッキンと排水ホースを取り付ける
新しい排水ホースが長めの場合でも、余った部分は丸めず、なるべく直線のまま収納しましょう。
丸まった部分に油や熱湯が溜まり、排水ホースの劣化を早める原因になります。
シャワーで水漏れが発生した場合
シャワーから水が漏れるときは、以下の5か所のいずれかに原因があると考えられます。
シャワーの水漏れが発生する箇所
- シャワーヘッド本体
- シャワーヘッドの根元
- シャワーホース
- エルボ
- ハンドル部分
以下で、ご自身で修理が可能かどうかの判断基準を説明します。
ご自身で修理できるかどうかの判断基準
シャワーから水が漏れている場合、ハンドル部分以外の4か所のいずれかに原因があれば、ご自身で修理することが可能です。
ハンドル部分からの水漏れは、シャワーと蛇口を切り替える“切り替えバルブ”で発生していることが多く、ご自身で修理できる場合と難しい場合があります。
基本的にはハンドルとナットを外し、新しい切り替えバルブと交換すれば水漏れは解消されますが、水栓が耐用年数を超えている場合はこの作業を行っても改善されません。
また、ナットがサビで固着していると、無理に取り外そうとすることで壁内の給水管を傷め、被害が広がるリスクも生じます。
こうしたケースでは、ご自身での修理は避け、水栓の買い替えや水道修理業者への依頼を検討するのが賢明です。
シャワーの水漏れの修理方法
シャワーの水漏れの修理方法は、以下の通りです。
シャワーホースやエルボの交換作業を行う際は、事前に止水栓を閉めてください。
シャワーの水漏れの修理方法
| 水漏れの発生箇所 | 修理方法 |
|---|---|
| シャワーヘッド本体 |
|
| シャワーヘッドの根元 |
|
| シャワーホース |
|
| エルボ |
|
作業が終わったら、水が漏れていないかを必ず確認し、安全に使用できることを確かめましょう。
トイレで水漏れが発生した場合
トイレの水漏れは、次の4か所で発生するケースが多くみられます。
トイレの水漏れが発生する箇所
- 給水管と止水栓、または給水管とトイレタンクの接続部分
- ウォシュレットの給水ホースや洗浄ノズル
- 便器やトイレタンク
- トイレと床の接地面
ご自身で修理できる場合とできない場合を、以下で解説します。
ご自身で修理できるかどうかの判断基準
トイレの水漏れは、給水管と止水栓・トイレタンクをつなぐ接続部分から水がにじんでいる程度であれば、ご自身で修理できます。
一方で、ウォシュレットに関連する部分からの水漏れは、取扱説明書に沿ってご自身で解決できる場合もあれば、メーカーによる修理が必要になるケースもあります。
また便器やトイレタンクがひび割れており、そこから水漏れが発生している場合は、補修では完全に直らないことが多く、トイレ本体の交換が必要です。
トイレと床の接地面から水が漏れ出ているケースでは、壁の中や床下の配管に問題がある可能性が高いため、無理に対処しようとせず、水道修理業者へ依頼しましょう。
トイレの水漏れの修理方法
給水管と止水栓、またはトイレタンクとの接続部分で発生した水漏れは、ナットを締め直すかパッキンを交換することで改善できる可能性があります。
パッキンの交換方法は、止水栓側とトイレタンク側とで手順は同じです。
以下の流れで、水漏れが発生している箇所のパッキンを取り替えてみましょう。
給水管と止水栓、またはトイレタンクの接続部分の修理方法
- 手順①止水栓を閉める
- 手順②接続部分のナットをレンチで緩め、給水管を取り外す
- 手順③接続部分に付いたO型のパッキンを交換する
- 手順④給水管を取り付ける
- 手順⑤止水栓を開けて水を流し、漏れていないか確認する
パッキンにはさまざまなサイズや形があるので、購入する際は、交換箇所と合わないものを選んでしまわないよう注意が必要です。
古いパッキンをあらかじめ取り外して、ホームセンターに持参すれば、間違えずに選べます。
止水栓や元栓で水漏れが発生した場合
止水栓や元栓からの水漏れは、家全体の水の供給に影響を及ぼすため、早めの対処が重要です。
以下で、ご自身で修理できる場合とできない場合、そしてご自身で修理する際の手順を確認しておきましょう。
ご自身で修理できるかどうかの判断基準
止水栓のナットの緩みやパッキンの摩耗が原因の水漏れであれば、比較的簡単な作業で修理が可能です。
ただし、経年劣化している場合や構造が複雑な場合は、経験豊富な水道修理業者に依頼するのが望ましいでしょう。
水道の元栓については、各自治体の水道局が管理しており、万が一水漏れが発生したとしてもご自身で修理することは控えてください。
この場合は修理に専門的な知識や適切な手順が必要になるため、速やかに水道局に連絡し、対応してもらうことが重要です。
止水栓の水漏れの修理方法
止水栓で水漏れが発生している場合は、以下の手順で対応しましょう。
手順
- 手順①元栓を閉める
- 手順②ウォーターポンププライヤーまたはラジオペンチを使用して、ハンドルを外す
- 手順③モンキーレンチを使用して、袋ナットを外す
- 手順④コマパッキンを外す
- 手順⑤新しいコマパッキンを取り付ける
- 手順⑥①～③と逆の手順で、元に戻して完了
作業後は止水栓や元栓を開け、水漏れが解消されたかご確認ください。
ご自身で対処できない場合は水道修理業者に依頼しよう
キッチンや洗面台の蛇口、収納庫内の排水管、また浴室のシャワーヘッドなどは、使用している製品に対応した部品が揃えば、ご自身で交換作業を行うことが可能です。
しかし、設置から長い年月が経過した設備では、サビによって配管と水栓の接続部分が固着し、簡単には取り外せない場合があります。
このような場合、無理に力をかけて取り外そうとすると、配管が破損して被害が拡大する可能性もゼロではありません。
ご自身での作業が困難だと判断したときは、無理せず水道修理業者に依頼しましょう。
経験豊富なスタッフが、安全かつ確実に水道のトラブルを解決してくれます。
水道トラブルの修理にかかる作業費用の相場
ここからは、水漏れの修理にかかる作業費用の目安を紹介します。
以下で一般的な相場を確認し、水道修理業者選びの参考にしてください。
水漏れの修理にかかる作業費用の相場
| 場所 | 一般的な作業費用の相場 |
|---|---|
| キッチン | 4,400円～ |
| 洗面台 | 4,400円～ |
| 浴室 | 3,300円～ |
| トイレ | 4,400円～ |
上記の作業費用にプラスして、出張費や材料費が発生するので、その点はあらかじめ理解しておきましょう。
水道修理業者を選ぶ際のポイント
水道修理業者を選ぶときは、作業にどのくらいの費用がかかるのかという点が大切な判断材料です。
ですが、安心して任せられる業者を見つけるためには、費用以外にもチェックしておきたいポイントがあります。
水道修理業者を選ぶ際のポイント
- ポイント①水道局指定工事店に認定された水道修理業者に依頼する
- ポイント②複数の水道修理業者から見積もりを取る
- ポイント③見積もりの内訳が明確かどうかを確認する
ポイント①水道局指定工事店に認定された水道修理業者に依頼する
水道修理業者を選ぶ際は、“水道局指定工事店”に認定されているかどうかを確認しましょう。
水道局指定工事店とは、名前の通り、各自治体の水道局から正式に指定された水道修理業者のことを指します。
上水道や下水道の工事を安全に行うためには、確かな技術と適切な作業管理が欠かせません。
こうした能力を備えているかどうかを確認するために設けられているのが“指定工事店制度”であり、認定を受けるには自治体への申請にくわえ、複数の条件を満たす必要があります。
水道局指定工事店は、定められた条件をクリアして認定されていることから、一定の技術力と信頼性が担保されているといえるのです。
もちろん、水道局に指定されていなくとも、豊富な経験と実績を持つ水道修理業者は数多く存在します。
しかし対応できる工事の範囲が異なる場合があるため、安心して任せたいときは水道局指定工事店に依頼することをおすすめします。
ポイント②複数の水道修理業者から見積もりを取る
水道修理業者をはじめから一社に決めて「ここなら安心できる」と判断するのは、難しいものです。
そのためまずは、複数の水道修理業者に見積もりを依頼し、比較することをおすすめします。
複数の見積もりを取ることで、修理費用や作業内容が適切かどうかを判断しやすくなります。
また、もしも相見積もりを強く拒むような協力的でない水道修理業者がいれば、その時点で候補から外す目安にもなるでしょう。
ポイント③見積もりの内訳が明確かどうかを確認する
水道修理業者から見積もりを受け取ったら、費用の内訳や作業内容が納得できるものであるか確認することが重要です。
水道のトラブルは、現場を実際に見なければ正確な金額を出せないことも多く、作業前の説明になかった追加費用があとから発生するケースも少なくありません。
こうした予期しない請求を避けるためにも、見積もりの段階で「追加費用が発生する可能性はあるのか」「どんなときに追加料金が必要なのか」を事前に確認しておきましょう。
また、「この作業は状況によって別料金になる可能性がある」という注意点を、事前に説明してくれる水道修理業者であれば、比較的信頼できるといえます。
水道トラブルならみんなの町の水道職人へ
水漏れは発生箇所によって原因や対処法が異なりますが、まずは応急処置で被害を広げないことが大切です。
そのうえで、ご自身で対応できるケースなのか、水道修理業者に任せるべき状況なのかを見極めることがスムーズな解決につながります。
「自分で修理するのは難しい……」と判断された場合は、水道局指定工事店に認定されている、みんなの町の水道職人にぜひご相談ください。
豊富な経験と技術を持つプロが、水漏れをはじめとする水道のトラブルを、迅速かつ丁寧に解決いたします。
