排水口のつまりは、水回りでよく起こるトラブルの一つに挙げられます。
トイレやキッチン、浴室、洗面所など、どこか一か所の水の流れが滞るだけでも日常生活に支障をきたしてしまうため、なるべく早く解消したいものです。

本記事では、排水口がつまる原因と解消方法を解説します。
正しい知識を身に付けたうえで解消方法を実践し、快適な水回りを保つためにお役立てください。

【場所別】排水口がつまる原因

まずは水回りの場所ごとに、排水口がつまる原因を確認していきましょう。

排水口のつまりを引き起こす場所

• トイレ
• キッチン
• 浴室
• 洗面所
• 洗濯機

トイレ

トイレの排水口がつまる原因としてまず挙げられるのは、一度に大量のトイレットペーパーを流すことです。
トイレットペーパーは水に溶けやすい素材でできているため、基本的にはトイレに流しても問題ありません。
しかし、まとめて流すと排水管の途中で引っかかり、水の流れを妨げることがあります。

また、“トイレに流せる”と表示されている掃除用シートやおしりふきも、扱い方には注意が必要です。
これらも水に溶けやすい素材でつくられていますが、一度に何枚も流すと排水口をつまらせる可能性が高まります。

キッチン

キッチンの排水口は、日常の洗い物によって流れ込む油や食材のカス、洗剤などが原因でつまることがあります。

特に炒め物やドレッシングなどに使用される食用油は、洗い物の際に排水口へと流れ、冷えると粘り気を帯びて排水管の内側にこびり付いてしまいます。
こびり付いた油は、流れてきた食材のカスや洗剤を巻き込みながら少しずつ大きなかたまりとなり、やがて水の流れを妨げるのです。

キッチンの排水口がつまると、生ごみのような不快なニオイも漂うようになるので、早めに対処したいところです。

浴室

お風呂の排水口は、髪の毛や石鹸カス、皮脂、垢などが原因でつまりやすい場所です。

排水口にネットを設置しても、石鹸カスや細かい汚れは排水管の奥まで流れ込み、次第にヌルヌルとした汚れの膜をつくります。
そこに、ネットで受け止められなかった髪の毛が絡み付くことで汚れが蓄積し、水の流れを塞ぎます。

排水口のつまりが進行すると、浴槽の水がスムーズに流れず、洗い場に逆流してしまうことも少なくありません。

洗面所

洗面所の排水口がつまる主な原因は、髪の毛やヒゲ、石鹸カス、皮脂、垢などです。
浴室と同様、これらが少しずつ排水管の内側に付着し、ぬめりの膜をつくることで、徐々に水の流れを妨げていきます。

また、ヘアピンやボトルキャップなど、洗面所でよく使用する小物を排水口に落としてしまい、そこに汚れが溜まることでつまりを引き起こすケースもあります。

洗濯機

洗濯機とつながる排水口は、衣類から出る糸や繊維のくず、体毛などが原因でつまることがあります。
糸や繊維のくずなどが排水管の途中で引っかかると、そこに洗剤の溶け残りや石鹸カスが付着して固まり、次第にヘドロ状の汚れへと変化していきます。
このヘドロ状になった汚れが、排水管内に蓄積されることで水の流れが滞り、排水口のつまりを引き起こすというわけです。

またヘドロ状の汚れを放置すると、水の流れが悪くなるだけでなく、排水ホースの接続部分に圧がかかって外れてしまい、水漏れを起こすリスクも生じます。

排水口のつまりを解消する方法

排水口のつまりは、原因に合わせて正しい方法で対処することが大切です。
症状が軽いうちであれば、これから紹介する方法でご自身でも対処できます。

排水口のつまりを解消する方法

• 方法①お湯を流す
• 方法②重曹・クエン酸を使用する
• 方法③専用の薬剤で掃除する
• 方法④ラバーカップで異物を除去する
• 方法⑤ペットボトルを活用する
• 方法⑥針金ハンガーを使用する
• 方法⑦ワイヤーブラシで異物を除去する

方法①お湯を流す

油汚れが原因の場合は、以下の手順で排水口にお湯を一気に流し込むことで、つまりが解消する可能性があります。

手順

• 手順①布やビニール袋で排水口を塞ぐ
• 手順②50～60℃のお湯をシンクや洗面台に溜める
• 手順③布やビニール袋を取り出す
• 手順④お湯が流れきるのを待つ

熱湯を流すと排水管が熱で変形するおそれがあるため、お湯の温度は50～60℃以下にとどめましょう。
軽度のつまりであれば、この方法で水の流れがスムーズになるのを感じられるはずです。

方法②重曹・クエン酸を使用する

重曹とクエン酸の組み合わせは、排水管にこびり付いた汚れを炭酸の泡で浮かせて除去する効果が期待できます。
以下の手順を参考に、つまりの解消に挑戦してみてください。

手順

• 手順①排水口を水で濡らしたあとに重曹を振りかけ、5分ほど放置する
• 手順②重曹の上からクエン酸を入れ、少量の水をかけて泡立つのを確認する
• 手順③泡立ちが落ち着くまで数分間放置する
• 手順④50～60℃のお湯を流す

重曹とクエン酸はスーパーで購入することが可能で、手軽に使用できるのが魅力です。
つまりの解消のほかにも、トイレや浴室の日々の掃除にも活用できるので、揃えておくと便利でしょう。

方法③専用の薬剤で掃除する

排水口のつまりを解消するには、専用の薬剤を使用するのもおすすめです。
食用油や食材のカス、また髪の毛などを分解する効果が期待できます。

特に、スーパーや薬局で購入できるパイプクリーナーは、水道修理業者に依頼する前に試してみる価値はあるといえます。
多くの製品には投入量の目安が書かれているので、表示に従って使用すれば排水口を傷めるリスクはほとんどありません。

それでも十分な効果が得られない場合は、業務用の洗浄剤の使用を検討してみましょう。
業務用といっても主にホームセンターで販売されており、比較的簡単に手に入れられます。
一般家庭向けの洗浄剤よりも高い洗浄力が期待できるため、つまりの解消に役立ちます。

なお、こうした専用の薬剤を試す際は、各メーカーの使用方法を必ず確認してから実践してください。

方法④ラバーカップで異物を除去する

ラバーカップは、トイレをはじめ、キッチンや浴室などのつまりを解消するための便利な道具です。
柄の先端にゴム製のカップが付いたシンプルな構造で、排水口に押し当てて前後に動かすことで異物を除去します。

水に溶けやすいものが原因であれば、以下の手順に従ってラバーカップを使用し、つまりを解消できる可能性があります。

手順

• 手順①キッチンや浴槽の場合は、排水口の蓋・ごみ受けを外す
• 手順②ゴムのカップ全体が浸かる程度に水位を調整する
• 手順③排水口にラバーカップを密着させる
• 手順④勢いよく引く

つまりの原因が水に溶けない固形物だと判明している場合は、排水管の奥に異物を押し込んでしまうおそれがあるため、ラバーカップの使用は控えましょう。

方法⑤ペットボトルを活用する

ラバーカップが手元にないときは、ペットボトルで代用することも可能です。
トイレと、キッチン・浴槽で作業方法が異なるので、それぞれ以下の手順をご確認ください。

ペットボトルでトイレの排水口のつまりを解消する手順

• 手順①ペットボトルの底から3～4cmの高さで切り取る
• 手順②ペットボトルの底を排水口に挿し込む
• 手順③ペットボトルの飲み口を指で塞ぎ、押し引きする
• 手順④③の動作を何度か繰り返す

ペットボトルでキッチン・浴槽の排水口のつまりを解消する手順

• 手順①排水口の蓋・ごみ受けを外す
• 手順②排水口にペットボトルの飲み口部分を挿し込み、密着させる
• 手順③排水管内に空気を送るイメージでペットボトルをへこませる
• 手順④③の動作を10回以上繰り返す

使用するペットボトルは、排水口の大きさに合うものを選びましょう。
ほとんどの場合、500mlのペットボトルで対応できますが、排水口の形状によっては2Lのものが適しているケースもあります。

方法⑥針金ハンガーを使用する

針金製のハンガーの使用も、水に溶けやすいものが原因で起こる、排水口のつまりを解消する方法の一つです。
ハンガーを使用する際の手順は、以下をご覧ください。

手順

• 手順①ハンガーのフック部分をペンチで切り落とす
• 手順②真っすぐに伸ばして棒状にする
• 手順③片側の先端に輪っかをつくる
• 手順④輪っかのほうを排水口に挿し込む
• 手順⑤先端が異物に当たったら、それを崩すようにハンガーを前後に動かす
• 手順⑥ハンガーを引き抜き、バケツで水を流してつまりが解消されたかどうかを確認する

ハンガーがうまく曲がらずに奥まで届かない場合は、無理に押し込むのは避けましょう。
力を入れ過ぎるとハンガーが排水管内で折れてしまい、つまりが悪化する可能性があります。

方法⑦ワイヤーブラシで異物を除去する

ワイヤーブラシは、排水管に溜まった水溶性の異物を物理的に除去するためのものです。
以下の手順を参考に、先端のブラシでつまりの原因を除去すれば、水の流れが改善されるでしょう。

手順

• 手順①ワイヤーの先端を排水口に挿し込む
• 手順②ハンドルを回して排水管内へとワイヤーを押し進める
• 手順③先端が異物に当たったら、それを崩すようにワイヤーを前後に動かす
• 手順④ワイヤーを引き抜き、バケツで水を流してつまりが解消されたかどうかを確認する

もしも、ワイヤーブラシでも届かないところにつまりの原因がある場合は、水道修理業者に作業を依頼することをおすすめします。

排水口のつまりを予防する方法

排水口のつまりが起きてから慌てないためには、日常的な予防も欠かせません。
ここでは、日々の生活で取り入れやすい3つの予防策をお伝えします。

排水口のつまりを予防する方法

• 方法①洗剤は適量を使用する
• 方法②食べ残しを流さない
• 方法③油汚れは流さず拭き取る

方法①洗剤は適量を使用する

トイレやキッチン、浴槽などの水回りを掃除する際は、洗剤を適量にとどめて使用しましょう。
汚れをしっかりと落としたいと思うあまり、洗剤の投入量がつい多くなりがちですが、必要以上の使用はかえって排水口のつまりを引き起こす原因になります。

洗剤の適量は、製品のパッケージに記載されています。
一度確認してみると、実際には想定よりも多い量を使用していたことに気づくかもしれません。

方法②食べ残しを流さない

つまりを引き起こさないために、食べ残しをトイレやキッチンの排水口にそのまま流すのも控えてください。

キッチンの排水口には、ネットを設置しておけば、細かな食材のカスもしっかりと受け止めることができます。
また大きめの食べ残しや野菜の切れ端などは、排水口に流さず、ごみ箱に捨てるよう意識するだけでも、つまりの予防につながります。

方法③油汚れは流さず拭き取る

キッチンのつまりを防ぐためには、油を排水口に流さないことが大切です。

食器やフライパンに付着した油は、温かいうちは液体ですが、冷えると固まって排水管にこびり付きやすくなります。
油汚れが蓄積されると、つまりだけでなく悪臭を発することもあります。
こうした事態を避けるためにも、食器やフライパンに残った油はキッチンペーパーでしっかりと拭き取ってから洗いましょう。

普段からこのひと手間を意識するだけで、つまりや悪臭のない快適なキッチンを保てます。

ご自身で解消できない場合は水道修理業者に依頼しよう

本記事で紹介した方法を試しても排水の流れが改善しない場合は、早めに水道修理業者へ相談することをおすすめします。

無理にご自身で対処しようとすると、排水管や設備を傷付けたり、かえってつまりを悪化させてしまったりするかもしれません。
また、つまっている場所や原因が明確でない場合も、自己判断で作業を進めるのは避けましょう。
見えない部分で異物が引っかかっているケースもあり、そのまま放置すると水漏れや逆流などの深刻なトラブルにつながります。

排水口のつまりは場所や原因によって症状がさまざまであり、重度の場合には、専用の器具を使用した洗浄や配管の改修が必要となります。
つまりの程度を正確に判断し、適切に対処するためには、経験豊富な水道修理業者に依頼するのが安心です。

排水口のトラブルならみんなの町の水道職人へ

排水口のつまりは、日常生活でどのご家庭でも起こりうる水回りのトラブルです。
場所によって原因はさまざまで、トイレでは大量のトイレットペーパー、キッチンでは油や食材のカス、浴室や洗面所では髪の毛や石鹸カスなどが、排水口のつまりを引き起こします。

軽度のつまりなら、重曹とクエン酸、またラバーカップを使用してご自身でも解消できますが、症状が深刻な場合は無理をせず、水道修理業者に適切に対処してもらいましょう。

「自分では対処できない……」という方は、みんなの町の水道職人にぜひご相談ください。
確かな経験と技術を持つプロが、迅速かつ丁寧に水回りのトラブルを解決します。