「トイレからチョロチョロと水が漏れているような音がする」「レバーを動かしていないのにトイレが流れ続けている」というようなことを経験したことのある方は少なくないのではないでしょうか。
トイレの水がずっと流れている場合、原因の多くはタンクの中にあります。
今回の記事では、タンク内の構造やトイレが流れっぱなしになった場合の対処法について詳しく解説します。
目次
トイレの水がずっと流れている場合はすぐに修理すべき
トイレから水が流れている音がしても、少量ずつであればトイレを使用する上では支障がない場合もあるかもしれません。
また、漏れている水がごく少量であった場合はトイレの異常をまったく感じておらず、水道局から漏水を指摘されて初めて気付く方もいます。
しかし、少量の水漏れだったとしても長く続くことで懸念されるのが金銭面・機能面のリスクです。
まずはトイレの漏水を放置した場合のリスクについて、具体的にはどのようなことが起こるのか解説いたします。
水道代がかさむ
水漏れの量が少量ずつだったとしても、それが1日中続けば知らないうちにかなりの量の水が漏れていることになります。
もしトイレの漏水が1カ月続いた場合、どれくらいの水が無駄になり、水道代はどれくらいかかるのでしょうか?
たとえば、タンクから便器内に少量の水が漏れている場合「使用していない状態でも便器の水面が微かに動いている」ということがあります。
トイレのつまりや大量の水漏れとは違い、注意して見ていなければ気付かない程度の変化かもしれません。
しかし、それだけでも1カ月で約150立方メートルの水が漏れ、水道代は通常に比べて7万円近くかさんでしまうのです。
もう少し漏水量が少ない例が「便器内の上部からお箸の先くらいの細さの水が絶えず流れ込んでいる」という状態です。
この場合、1カ月での漏水量は約20立方メートルで、水道代にして7,000円前後となります。
多くの場合、トイレが漏水する原因は使い方の問題ではなく部品の経年劣化です。
しかし、このような理由で知らないうちに漏水していた場合でも、基本的に水道代は自己負担となっています。
所有者の過失ではない水漏れに関しては、かさんだ分の水道代を減免する制度があります。しかし、適用条件を満たしていないために制度が利用できないケースもあるため、水道代がかさむ前に早期発見・修理に努めましょう。
放置すると水漏れが悪化する
水漏れは「時間が経てば直る」ということはまずなく、一般的には時間が経過するほど漏水量が増えていきます。
そのため、最初は気付かない程度の漏水だったとしても徐々に漏水量が増えてしまうでしょう。
漏水量が増えると、水道代がかさむだけでなく、正常にトイレを流すことが難しくなったり、早期に修理をした場合よりも修理代金がかさんだりする可能性もあるため注意が必要です。
「専門業者を呼んで工事をしてもらうまでは家のトイレが使えない」という状況になる前に、水漏れの原因を確認して対策を講じましょう。
トイレタンクの仕組み
みなさんは、トイレのタンク内がどのような構造になっているかご存じでしょうか?
今回の記事ではずっと流れ続けているトイレを直す方法を紹介しますが、修理に取り掛かる前に内部の構造を知っておくと、実際に自分で修理を行う際、よりスムーズに作業を進められるようになるでしょう。
ここでは、タンク内にはどのような部品があり、水漏れとどのように関係しているのかについて解説いたします。
トイレの水が流れる仕組み
水道管から供給された水はタンクの中に貯められています。
トイレを流す際には、レバーをひねることでタンク内の水を一気に便器内へ流し込み、その勢いで便器内の排せつ物や水を押し流すという仕組みです。
トイレの水を流し終えると、タンクの中では便器への水の流れが止まり、再び水道管からの水を貯めます。
しかし、水がたまり続けて溢れることはなく、適切な量の水が貯まれば給水は止まります。
この給水・貯水を調整するためにタンク内に入っているのが「タンク内の水を便器に流すための部品」と「タンク内に適切な水量を貯めるための部品」です。
ここから先は機能ごとに部品の名称を紹介しながら、水量の調整方法と部品の役割について詳しく解説していきます。
水を流すための部品
トイレの水洗レバーは、タンクの中で鎖に繋がっています。
トイレを流すためにレバーを傾けることで、この鎖が上へ引き上げられる仕組みです。
リモコン式でボタンを押して洗浄する場合も、外からレバーは見えませんがタンク内では同じことが起こっています。
鎖の反対側の先端にはフロートバルブと呼ばれるパーツがつながっており、普段は便器への排水口に蓋をしています。
しかし、鎖で引き上げられることでフロートバルブが持ち上がり、排水口が開くとタンク内の水が便器に流れ込むという仕組みです。
水を流すためのパーツが原因で水が流れ続けている場合、下記のような状態であることが疑われます。
- 水洗レバーが故障してひねったままの角度になっている
- 鎖が引っ掛かったり絡まったりしている
- 排水が終わった後もフロートバルブが閉まっていない
タンクの水量を調整するための部品
タンク内の水が排水された後は、給水管から新しい水が流れ込んで再びタンクの中に貯まっていきます。そして、適切な量まで水が貯まると、タンク内の装置により給水が止まる仕組みです。
給水管にはボールタップというパーツがあり、給水・止水を制御するバルブの役割を果たしています。ボールタップから伸びている棒の先端には浮き球と呼ばれるボールが付いていており、浮き球はタンク内の水面に浮かんでいます。
ボールタップは、浮き球が上がると水が止まり、浮き球が下がると給水される仕組みです。そのため、水が流れ切った状態では水位とともに浮き球も下がり、給水管から水が出ます。そして、十分な水位まで水面が上がると、浮き球の位置も上がることで蛇口を締めるように給水が止まります。
こうした仕組みがうまく働かず、十分な水が貯まっても水が止まらないことも水漏れの原因となります。
水量調節に関する部品の不具合には、下記のようなものがあります。
- 浮き球が割れて水面に浮かなくなっている
- 浮き球が周りの部品に引っ掛かり水面より下に沈んでいる
- ボールタップのゆるみなどにより浮き球が上がっても水が止まらない
この話で「水が止まらなかったら便器の中でなくタンクの外に水があふれるのではないか」と不安になった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そのような事態を防ぐために、タンクの中にはオーバーフロー管というパーツがあります。
オーバーフロー管は過剰に給水された場合に水が外にあふれるのを防ぐために、タンク内の水が一定の水位を超えると過剰な水を便器内に流すパーツです。
トイレタンク内部品の寿命
トイレ内部の部品には、ゴムやプラスチックなど劣化しやすい素材で作られているものがあります。
また、金属であっても接続部分の劣化・ゆるみなどが起こる可能性もあるでしょう。このような点をふまえて、部品の寿命はおおよそ10年ほどとされています。
もちろん長年にわたり使用できる場合もありますが、10年ほど経ったら部品の劣化が故障の原因になり得ることや、交換が必要になることも頭の片隅に置いておきましょう。
ある日突然「トイレが水漏れしている」という状況になるのを避けるためには、半年に1度ほどの頻度でタンク内の錆の有無やゴムパーツが劣化していないかどうかなどを確認すると良いでしょう。
ゴムパーツが劣化している場合のサインは、表面の細かいひび割れです。
また、内部の掃除などをした際に劣化したゴムパーツを触ると、黒い粉のようなものが付くこともあります。
トイレの水がずっと流れている場合の応急処置
トイレの水がずっと流れていると気付いた場合、まず自分でできる対策にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、自分で修理をする・業者に修理を依頼するという2つのパターンに共通する対策について解説します。
止水栓を閉める
タンクに水を供給している給水管をタンク外へたどっていくと、止水栓があります。
止水栓は給水管の元栓のようなものです。
通常はあまり触れることはありませんが、トイレタンク内の確認・修理を行う場合は作業中の水漏れを防ぐために止水栓を閉めて水を止めます。
また、自分で修理をせず業者に依頼する場合でも、修理が始まるまでにトイレの水漏れが悪化して水が溢れてしまうケースもあるでしょう。
これはオーバーフロー管からの排水が間に合わずタンク外に水があふれているという状態です。
このような状況では、止水栓を閉める方向へ回すと給水量が減り、外への水漏れがおさまる場合があります。
業者が到着するまでの応急処置として覚えておくと良いでしょう。
電源コードを抜く
暖房便座・ウォシュレットなどが付いているトイレには電源コードがあるため、トイレの部品を取り外したり濡れた手で触れたりすると、漏電・感電するおそれがあります。
そのため、トイレの内部確認・修理の際には最初に電源コードを抜いておきましょう。
タンク内の部品交換・修理の際には、コンセントやプラグに水がかからないようビニール袋などで保護しておくと、修理の後、電源コードを差し直す際にも安心です。
トイレタンクの蓋を開けて状況を確認する
トイレがずっと流れている場合、原因を確認するためにはタンクの蓋を開ける必要があります。
蓋はタンクの上に乗っているだけで固定されていないことが多いため、まっすぐ上に持ち上げると簡単に外すことができます。
ただし、タンク内で蓋とタンク本体がバンドで留めてある場合は蓋を少し持ち上げて、隙間からバンドを外す必要があります。
タンクの上に手洗い管が付いているタイプでは、ボールタップと手洗い管が蛇腹管でつながっているため、蓋を開けた隙間から蛇腹管を接続しているナットを外しましょう。
トイレのタンク・蓋は陶器製のため、無理に外そうとして破損すれば水漏れのおそれがあるだけでなく修理費もかさんでしまいます。
自分では簡単に外せないと感じたら、業者に依頼する前に無理をして中を確認する必要はありません。
自分でトイレ修理を行う場合、水が貯まったままでは作業が難しい部品もあります。
止水栓が止まった状態でトイレのレバーをひねり、タンクの水を抜いてから作業を行うようにしましょう。
トイレの水がずっと流れている場合の症状別対処法
トイレの水がずっと流れている場合、症状によって考えられる原因が異なります。
症状別に主な原因と対処法について解説いたしますので、トイレの水漏れ・流れっぱなしの水が気になる方はぜひ参考にしてみてください。
便器内への水がずっと流れている
便器内へずっと水が流れている場合、水を流すための部品に異常が起こっていることが疑われます。
水洗レバーの角度が通常と異なる場合は、タンク内で玉鎖が周りの部品に引っ掛かったり絡まったりしていないか確認しましょう。
レバーと玉鎖に異常がない場合は、フロートバルブがしっかりと排水口をふさいでいない可能性が考えられます。
フロートバルブが持ち上がった状態になっていないか、劣化して変形・ひび割れが起きていないかの確認が必要です。
上記のいずれにも問題がない場合は、タンク内の水が多すぎるためにオーバーフロー管から便器内に余分な水が流れ込んでいる可能性が考えられます。
便器内に流れ込んでいる水が排水口・オーバーフロー管のどちらから来ているのか確認する基準は、タンク内の水位がオーバーフロー管の上部を超えているかどうかです。
水面がオーバーフロー管の上部を超えていれば流れている水はオーバーフロー管から、水面がオーバーフロー管を超えていなければ水は排水口から来ていると考えられます。
ただし、オーバーフロー管が破損している場合は水位が正常であっても破損部位から便器内に水が流入している可能性があります。
タンクからチョロチョロと水音がする
タンクからチョロチョロと音がする場合、音の出どころはボールタップからタンク内に給水されている水と考えられます。ボールタップからの給水が止まらない原因も、便器内に水が流れ続ける場合とほぼ同じです。
排水口周辺のトラブルにより水が便器へ流れてしまうために、タンク内の水が減り続けて給水が必要な状態になっているかもしれません。
または、十分な量の水が貯まっているにも関わらず給水が止まらないのであれば、ボールタップのトラブルが疑われます。
手洗い管の水がずっと流れている
トイレの手洗い管は、ボールタップに直接つながっています。
そのため、手洗い管から水が流れ続けているということは、上記の「タンクからチョロチョロと水音がする」ケースと状況・理由は同じです。
フラッシュバルブ式のトイレが流れ続けている
フラッシュバルブ式とはオフィスビル・病院・公衆トイレなどに採用されているタイプのトイレです。
タンクはなく、水道管から直接高い水圧の水を流すことで水洗を行います。
フラッシュバルブ式のトイレはレバーを押すと流れ、一定の時間が経過するとバルブが閉じることで給水が止まります。
しかし、レバー上部にある「ストレーナー」というフィルターのような部品にゴミがつまることで一定時間が経過しても水が止まらなくなることがあります。
このような場合は、止水栓を止めた上でフラッシュバルブ本体の上部を開けて、内部にあるストレーナーを歯ブラシなどで掃除すると状態が改善することがあります。
また、レバー下部には逆流防止弁のような役割を果たしている「バキュームブレーカー」という部品があります。
この部品につまりが発生した場合も水が止まらなくなることがあるため注意が必要です。
バキュームブレーカーは取り外し・修理が難しいため、ストレーナーを掃除しても故障が治らない場合は水道工事業者などに相談することをおすすめします。
トイレの水がずっと流れている場合の修理方法
トイレのタンクを開けて原因部位を確認したら、次は故障部位の修理です。
ここからは、部品別の修理・交換方法と、修理の際の注意点などについてまとめていきます。
レバー
レバーが破損している・曲がっていて直らないといった原因で水が流れたままになっている場合は、レバーを交換しましょう。
レバーを交換する際は、まずタンク内でレバーに付いている玉鎖を外します。
次に、タンクとレバーの接続部にあるナットを回してレバーを取り外しましょう。
取り外しが済んだら新しいレバーを差し込み、パッキン・ナットを付け直すと交換完了です。
玉鎖
レバーに接続された玉鎖は、周囲の部品などに引っ掛かってしまうことがあります。
このような場合は、鎖自体の絡まりをほどく・周囲に引っ掛かった鎖を外すといった対応が有効です。
また、内部を確認した際に鎖に錆・劣化などがみられた場合は、鎖の交換をおすすめします。
鎖の交換は、レバーとの接続部にあるフックを外し、フロートバルブの上部に付いた金具からも鎖を外すことで簡単に行うことができます。
ただし、鎖はフロートバルブに付いた状態で販売されていることが多いため、フロートバルブも交換する場合は鎖のみを別で購入・交換する必要はないでしょう。
フロートバルブ(ゴムフロート)
便器内に水が流れ続けている場合は、フロートバルブが十分に締まっていない可能性があります。
フロートバルブが閉まらないことについては、以下のような原因が考えられます。
- フロートバルブと排水口のあいだに異物がある
- フロートバルブが経年劣化して隙間が空いた
異物については、排水口とフロートバルブの隙間にあるごみなどを取り除くことで解決できます。
一方、フロートバルブ自体の劣化や破損が原因の場合は交換が必要になります。
フロートバルブはサイズが合っていないと正しく機能しないため、部品を購入する際は必ずメーカーや品番を確認するようにしましょう。
フロートバルブの交換時は、まず鎖を水洗レバーのフックから外します。
次に、オーバーフロー管の根元からフロートバルブ接続部を外しましょう。
鎖ごとフロートバルブを取り出した後は、新しいフロートバルブ・鎖を取り付けます。
取り付け後は、必ず鎖の長さが適切か確認するようにしましょう。
鎖は、少したるんでいる状態が正常であるため、玉鎖の場合は玉4つ分、チェーンタイプの場合は輪っか2つ分が余ってタンクの底に触れている程度に調整します。
浮き球
浮き球が周囲の部品に引っ掛かったり破損したりして、水位が上がっても浮かなければ給水も止まりません。
周囲の部品に引っ掛かっている場合は、引っ掛かった浮き球を元の状態に戻すだけで流れっぱなしの水が止まる可能性が高いでしょう。
しかし、浮き球が破損によって水面に浮かばない状態になっている場合は交換が必要になります。
浮き球のアームはロックナットというネジ式のパーツでボールタップから出ているアームに接続されています。
この部分を回すと浮き球とアームが取れるので、新しいものと交換しましょう。
浮き球が破損していないにもかかわらず水位が高すぎる場合は、ボールタップに付いている水位調整リングを回すことで調整を行います。
調整リングが付いていないタイプの場合は、浮き球のアームを山なりに曲げるという方法でも水位調整が可能です。
また、浮き球が球形でなく円柱形の場合は、浮き球自体を回すことで浮き球上部のネジが回り、水位を調整することができます。
ボールタップ
タンク内を確認して、下記の3つに当てはまった場合はボールタップの修理が必要となります。
- 十分な量の水がタンク内に貯まっている
- 浮き球がしっかり水面に浮いている
- 手で浮き球を持ち上げても給水が止まらない
ボールタップ自体を確認して、給水管との接続部や本体のナットにグラつき・ゆるみがあればナットを締め直す必要があります。
締め直したあとは、部品から手を離して給水が止まるか観察します。
給水が止まらない場合はボールタップの交換が必要です。
ただし、ボールタップを交換する際はトイレタンクの外にある給水管も一旦外す必要があります。
部品のみを取り外すだけでは交換できないため、難しいと感じたら業者への依頼をおすすめします。
新しいボールタップを購入する際は、使用中のボールタップに記載された品番を確認するか、トイレ本体の品番から適合するボールタップを調べましょう。
部品の準備が整ってから、止水栓を閉めてタンク内の水を抜き、給水管と止水栓・タンク本体を接続しているナットをそれぞれ緩めます。
給水管とボールタップを取り外して、新しいボールタップを取り付け給水管を元に戻します。
このとき、パッキンを付け忘れないよう注意することが重要です。
接続を終えたら、止水栓を開いて給水し、給水管周辺から水漏れがないことを確認しましょう。
ナット・パッキンなどの接続部分
トイレにはたくさんのパッキンが付いていますが、水が流れたままになってしまう場合に関係が深い部位は給水管・タンク底です。
パッキンは小さいながらもタンクや便器から水が漏れないようにするために非常に重要な部品です。
部品を交換する過程でパッキンを取り外したり、パッキン自体を交換したりする場合は、必ずもともと付いていたものと同じサイズのものを適切な位置に付けるようにしましょう。
また、タンク底のパッキンについては取り付け方を間違えるとトイレの外まで広がる水漏れの原因にもなるため、もし異常を感じたら業者に交換を依頼することをおすすめします。
ナットについては緩んでいることが故障・不調の原因であることもあります。
そのため、ナットが緩んでいる部位を探したら、ナットを締めて少し様子を見ましょう。
それでも状態が改善しない場合や、明らかに見た目に劣化・破損がある場合は交換が必要です。
ナットにもいろいろなサイズがあるため、交換の際は品番などを確認して正しい製品を選びましょう。
専門業者に依頼するべき故障内容
ここまでは自分でも対応可能な修理・部品交換について解説いたしましたが、故障の部位やトイレのタイプによっては業者に依頼すべきものもあるため注意が必要です。
どのような修理の場合、専門業者に頼むべきなのか、2つのパターンについてご紹介します。
オーバーフロー管(サイフォン管)の修理・交換
オーバーフロー管はタンク内の水位が上がりすぎないように、貯まりすぎた水を便器内に流すことで水位を調整している部品です。
このオーバーフロー管の修理にはタンク自体の着脱が必要であるため、業者に依頼することをおすすめします。
また、自分でも修理できる部品に関しても、誤った方法で無理に修理を続けると、もっと大きな故障につながるおそれがあるため、修理・交換が難しいと感じた場合は自分で対応せず業者に依頼しましょう。
タンクレストイレの修理
タンクレストイレの中でも、フラッシュバルブ式に関してはストレーナーの清掃など自分で対応可能な部分もがあります。
しかし、同じフラッシュバルブ式であっても止水栓に近い部品であるバキュームブレーカーは配管が細かく自力では外せないタイプもあるため、修理は業者に依頼したほうがいいでしょう。
また、家庭用のタンクレストイレは電動でバルブの開閉を行っているタイプが多いため、水が流れっぱなしの状態になった場合は電子基板などが不調を起こしている可能性があります。
このようなケースでは、メーカーで修理を行う場合があるため、まずはメーカーに問い合わせましょう。
ずっと流れているトイレは業者に相談するべき?
トイレの水がずっと流れている場合、専門業者以外では修理が難しいこともあります。
また、たとえ自分で交換できる部品であっても専門業者のほうがスピーディーかつ正確に修理してくれる可能性は高いでしょう。
最後に、トイレの修理を専門業者に依頼する場合の業者の選び方・修理費用の目安についてまとめました。
業者に依頼するなら「水道局指定店」がおすすめ
水道工事業者を探す際に「水道局指定店」「指定業者」と標榜している業者を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
水道局指定店は正式には「指定排水装置工事事業者」と呼ばれ、各自治体の水道局などが指定を行っています。
水道局指定業者と認められるためには、水道法施行令で定められた基準を満たす工事ができる業者でなければなりません。
水道工事に関して公的機関が業者の指定を行うのは、清潔な水を供給し排水を適切に処理することが住民の公衆衛生を守るために非常に重要だからです。
有名な水道工事業者の中にも非指定事業者はあるため、トイレの修理を業者に依頼する場合は「よく名前をきく業者だから」というような理由で即決せずに、水道局指定業者であるかホームページなどで確認しましょう。
修理費用の目安
業者に修理を依頼する場合の費用は、修理の難易度ごとの施工費・材料費・出張料の合計となります。
難易度ごとの修理費用・出張料の目安は下記のとおりです。
施工難易度 | 施工費 | 出張料 |
低度(パッキン交換など) | 2200円~ | 3300円/1回 |
中度(ボールタップ交換など) | 2万4200円~ | |
高度(トイレ交換など) | 4万9500円~ |
まとめ
トイレの水がずっと流れている場合、原因によってタンク内の水量調整・部品の交換など対応方法が変わります。
水漏れが少量だからと放置していると徐々に漏れる水の量が増えてしまい水道代にも大きく影響するため、まずは止水栓を閉めてタンクの中を確認してみましょう。
原因の中には自分で対処できるものもありますが、大掛かりな修理になる場合は水道工事の専門業者に依頼するのがおすすめです。
「トイレの水がずっと流れている」と感じた場合は、広い地域に対応できる「みんなの町の水道職人」に相談してはいかがでしょうか。