いつも通り使用していたトイレから、下水臭がすることがあるかもしれません。
マンションのトイレは、通常よりもトイレからの下水臭が発生しやすくなっています。
そこで今回は、マンションのトイレで下水臭が発生したときの原因や対処法、確認すべきことなどを解説いたします。
マンションのトイレの下水臭でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マンションで下水臭がする主な原因は封水切れ!
マンションのトイレから下水臭がする主な原因は、封水切れです。
トイレには通常、封水と呼ばれる水が貯まっています。
しかし、以下の7つの原因により、封水がなくなる封水切れを起こすことがあるのです。
- 封水の蒸発
- トイレのつまり
- 毛管現象
- 通気管の不具合
- 誘導サイホン作用
- 自己サイホン作用
- トイレタンク内の不具合
それぞれの原因について解説いたします。
封水の蒸発
封水切れの原因の1つは、封水の蒸発です。
封水は1日に1ミリほど蒸発していきます。
そのため、長期間トイレを使用していなかった場合は、封水切れが起こるかもしれません。
2~3日使わなくても封水切れが起こる心配はありませんが、1週間以上水を流していない場合は注意が必要です。
特に暑い季節では普段よりも蒸発のスピードが早く、蒸発しやすくなっているためご注意ください。
トイレのつまり
便器にトイレットペーパーを一度に大量に流してしまった場合、トイレはつまってしまうことがあります。
生理用品やおむつ、アクセサリー、ポケットに入れていた文房具などの異物を誤って流してしまった場合も、同様につまりが発生するでしょう。
トイレがつまると、つまりの原因物質が排水路の中で排水を邪魔するため、封水が貯められなくなってしまい、封水切れを起こします。
毛管現象
毛管現象が起こった場合にも、封水切れが発生することがあります。
毛管現象とは、トイレの排水管にきちんと流れきらなかったトイレットペーパーなどが便器に張り付き、詰まったままの状態で、つまりの間を抜けて水が流れる現象です。
トイレットペーパーなどつまりの原因物質の繊維が詰まっている状態であるため、水を吸い上げてしまいます。
このようにして、一定量の水を貯めにくくするため、封水切れが起こるのです。
通気管の不具合
マンションなどの複数階からなる集合住宅では、通気管の不具合によって封水切れが起こることがあります。
複数階からなる集合住宅の便器の下には、空気圧調節用の通気管や通気立管が設置されていますが、劣化や不具合で空気圧が適切に調節されなくなることがあるのです。
空気圧が適切に調節されないと、通気管内の圧力が下がり、封水が排水管に引き込まれ、封水切れを起こします。
誘導サイホン作用
マンションなどの複数階からなる集合住宅のトイレは、誘導サイホン作用により封水切れを引き起こすことがあります。
誘導サイホン作用とは、集合住宅で上層階から一気に水が流れ落ちてきた場合に、排水管内の気圧の変化が起こり、封水が排水管内に引き込まれる現象です。
別名を誘引現象ともいいます。
自己サイホン作用
封水切れの原因は、自己サイホン作用の場合もあります。
自己サイホン作用とは、トイレの水を一気に排水管に流した際に、排水管内で気圧の変化が起き、封水がその場に留まらず、排水管に流れてしまう現象です。
誘導サイホン作用とは異なり、上層階などの影響に関わらず起こります。
トイレタンク内の不具合
トイレタンク内に不具合が起きていると、封水は貯まりません。
トイレタンク内では、オーバーフロー管に補助水管がつながっており、封水の量を一定に保つために便器に水を流し続けています。
しかし、補助水管がオーバーフロー管とつながっていない場合、便器に十分な水が送られず、封水切れが起こるのです。
原因別のトイレの下水臭の対処法
トイレの下水臭は、封水切れ以外でも起こります。
ここでは、原因別のトイレの下水臭の対処法を解説いたします。
原因にあった対処法を試してみましょう。
封水が少ないまたは切れている場合
封水が少ないまたは切れている原因が蒸発の場合は、比較的容易に直すことができます。
レバーを回して一度便器内に水を流せば、封水の水位が戻り、悪臭を防げるでしょう。
もし長期間トイレを使用しない場合は、便器の蓋を閉めたり、ホームセンターなどで販売されている封水蒸発防止剤を利用したり、便器にラップをしたりして、封水が蒸発しないように工夫しておくことが大切です。
トイレのつまりや毛管現象が起きている場合
トイレのつまりや毛管現象が起きている場合は、水を勢い良く流してみましょう。
毛管現象が起きている場合には、つまりの原因となっている物質がきちんと流れることが重要です。
水を勢い良く流しても直らない場合は、毛管現象ではなく、つまりを起こしている可能性が高いといえます。
すっぽんやワイヤーブラシを使ってトイレのつまりの原因物質を取り除くか、専門業者に依頼しましょう。
誘導サイホン作用が働いている場合
誘導サイホン作用が働いている場合には、排水管内の空気を逃がす処置が必要です。
具体的には、空気圧の変動を低減するための通気管を設置したり、排水管を太くしたりする必要があります。
しかし、個人では対処できないため、専門業者に依頼しなければなりません。
トイレタンク内の不具合の場合
トイレタンク内に不具合が生じている場合は、故障している部品を交換、または正常に取り付けられていない部品を適切に取り付けましょう。
まず浮き球などを見て、給水に問題がないかを確認します。
給水に問題がない場合は、トイレタンクの底にあるフロートバルブが適切な位置にあるか確認しましょう。
適切な位置にない場合は、正常な位置に戻し、フロートバルブ自体に破損があったり、ブロードバルブとレバーハンドルをつなぐ鎖が切れていたりする場合は、ホームセンターなどで部品を購入し、交換することで直ります。
トイレと床の間に隙間がある場合
トイレと床の間に隙間がある場合は、尿汚れやほこりがつきやすくなっています。
隙間に汚れが溜まるのを防止するために、コーキングで綺麗に隙間を埋めましょう。
賃貸などでコーキングが難しい場合には、隙間用テープでも代用可能です。
排水ホースと排水管のつなぎ目から臭いが漏れている場合
排水ホースと排水管のつなぎ目から下水臭が漏れている場合は、排水ホースのつなぎ目にある防臭キャップを交換しましょう。
防臭キャップは、プラスチック製や金属製などさまざまな素材のものがあります。
自分で交換することが難しい場合は、専門業者に相談するのがおすすめです。
トイレの下水臭の予防策
トイレの下水臭が発生しないように、普段から対策しておく必要があります。
トイレの下水臭の予防策は、以下のとおりです。
- こまめな掃除と換気
- 座って用を足す
- 消臭剤を置く
それぞれの方法について解説いたします。
こまめな掃除と換気
トイレの下水臭を発生させないためには、こまめな掃除と換気が大切です。
汚れの蓄積を防ぐためには、2〜3日に一度簡単な掃除を、1週間に一度は細部までの掃除をするのがおすすめです。
たとえば、便器や床、壁の拭き取りや、トイレ用洗剤を使った便器内の掃除を定期的に行いましょう。
座って用を足す
トイレの下水臭を予防するには、座って用を足すのが効果的です。
床や壁など便器の外に排泄物が飛び散ると、臭いの原因になります。
飛び散った後の掃除も大変であるため、できる限り座って用を足すのがおすすめです。
また、座って用を足すだけでなく、排泄物を流す際には便器の蓋を閉めて流すのも意識すると、排泄物が飛び散るのを防げるでしょう。
消臭剤を置く
消臭剤を置くことは、下水臭を打ち消すのに効果的です。
消臭剤には多数の種類がありますが、なかでも除菌や抗菌のものを選ぶとより効果が得られます。
しかし、臭いがなくなったからといって、掃除しなくてもよいわけではありません。
掃除をしないと、汚れは蓄積されていくため、定期的な掃除を行いつつ、消臭剤を併用して臭いを予防しましょう。
自分で直せない下水臭もあるの?
トイレで下水臭が起こる場合、自分では直せないこともあります。
ここでは、自分では直せない下水臭と対処法について解説いたします。
自分では直せない下水臭
自分では直せない下水臭として、通気管の不具合と自己サイホン作用が挙げられます。
通気管の場合は空気圧を正常に調整する必要があり、自己サイホン作用の場合は排水管の不具合や設計ミスの可能性が考えられます。
どちらも自分では直すことはできないでしょう。
自分で直せないときは業者に依頼
通気管の不具合や自己サイホン作用が起こった場合には自分で直せないため、集合住宅の場合は管理会社に連絡、一軒家の場合は、専門業者に依頼する必要があります。
一時的にではありますが、下水臭を抑える方法として、便器内に水を補給するのがおすすめです。
バケツやペットボトルなどで便器内に水を補給して、修理が終わるまで待つと良いでしょう。
また、トイレの下水臭の原因がわからない場合も同様に、専門業者に依頼することをおすすめします。
万が一自分で対処し、誤った対策をしてしまうと、トイレが故障してしまうかもしれません。
自己判断せず、専門業者に相談しましょう。
マンションで下水臭が発生したときはこれを確認!
マンションなどの集合住宅のトイレで下水臭が発生したときには、以下の3つを確認しましょう。
- 契約内容
- 指定の修理業者がいるか
- 保険が適用されるか
それぞれの確認事項について解説いたします。
契約内容
まずは契約内容を確認しましょう。
契約内容によっては、入居者に過失がない限りは、管理会社が修理費用を負担してくれるかもしれません。
たとえば、以下の場合は基本的に管理会社が修理費用を負担してくれます。
- 共有部分でトイレのつまりが発生している
- 排水管の老朽化
- 排水管の設計ミス
- 排水管のメンテナンス不足
- 排水管の不備
契約内容を確認するとともに、管理会社にも相談しましょう。
管理会社に連絡する際には、「現在の状況」「いつから症状が起こっているのか」を細かく伝えることが大切です。
万が一管理会社に相談せずに、勝手に修理を行った場合には、本来管理会社が修理費用を負担してくれる場合でも自己負担になるなど、トラブルが発生する恐れがあります。
自分で対処できない場合には、すみやかに契約内容を確認し、管理会社に連絡しましょう。
指定の修理業者がいるか
集合住宅の場合は、指定の修理業者がいるかどうかも確認しなければなりません。
集合住宅の場合、管理会社が修理業者と提携している場合があります。
通常、トイレのトラブルが発生した場合、管理会社が修理業者を手配してくれるため、勝手に修理業者に依頼せず、管理会社に指定の修理業者の有無を尋ねましょう。
保険が適用されるか
トイレの修理には、火災保険が適用される場合があります。
ただし、以下の条件を満たしていなければなりません。
- 建物が火災保険の保障対象物に含まれている
- 火災保険の補償範囲内の災害で起きた被害である
火災保険の補償対象は、「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財の両方」の3つのどれかです。
「建物のみ」「建物と家財の両方」のどちらかが対象であれば、トイレの被害も補償されます。
また、火災保険の補償範囲は、大きく分けると以下の3つに分類されます。
- 自然災害で引き起こされる被害
- 突発的な事故で引き起こされる被害
- 建物外部からの物体の落下や衝突、飛沫物で引き起こされる被害
上記の3つによる被害であれば、トイレの修理も補償範囲の対象となります。
まとめ
トイレのマンションの下水臭は、主に封水切れによるものです。
封水切れはさまざまな要因で起こりますが、蒸発による封水切れの場合は対策を行うことで防止できます。
一方で、通気管の不具合や自己サイホン作用によって封水切れが起きている場合は、自分で直すことはできません。
このように、自分で直せない封水切れや下水臭の原因が何か特定できない場合は、自己判断で対処せず、すみやかに専門業者に任せるのがおすすめです。
また、マンションなどの集合住宅の場合には、修理業者に依頼する前に、契約内容を確認し、管理会社と自分のどちらが修理費用を負担するのか、指定の修理業者はいるのか、火災保険は使用できるのかを確認しましょう。
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