去年に比べてご自宅の中やご自宅のまわりで蚊を見かけることが増えたと感じたときは、水漏れが原因かもしれません。
蚊は水がある場所に卵を産み、蚊の幼虫であるボウフラは水の中で育ちます。
ボウフラが生育される環境に必要なものは水たまりで、やぶ蚊には水たまりのサイズや深度は関係がありません。
散水栓や立水栓などの屋外蛇口からの水漏れ、水道管からの水漏れ、屋内蛇口からの見えない水漏れなど、水漏れが発生し水がたまることで、蚊が卵を産みつけている可能性があるのです。
また、排水溝や雨どいのつまりで発生した水たまりや、排水マス、雨水タンクなど、水まわりで蚊が発生してしまうことがあります。
今回は蚊の発生を防ぐために注意しておきたい、水まわりについてご紹介します。
水漏れは放置厳禁!あっという間に蚊の住処に
多少の水漏れなら放置しても問題がないだろうとそのままにしておくと、気が付いたときにはボウフラが孵化し、蚊がご自宅まわりで大量発生しているケースがあります。
蚊は1度に200個程度の卵を水面や水際で産み、成虫になるまで、約1~2週間程度の期間を水の中で過ごします。
卵の孵化は早く、2日程度あればボウフラが孵化し、7日程度でサナギになり、その後3日程度で羽化し、蚊となって水から出てくるのです。
蚊の寿命は約1か月といわれており、メスの蚊は卵を産むために吸血をし、寿命を迎えるまでの間に3~4回卵を産みます。
1度ボウフラが成虫に育ってしまうと、大量の蚊が発生し、卵を産むことでさらに増殖します。
蚊を発生させないためには、水たまりを作らないことが重要です。
蛇口や水道管からの水漏れでできた水たまりは、豊富な水資源にあふれた、蚊にとって格好の住処といえます。
成虫になるまでの期間が短いため、水漏れを放置せず、みんなの町の水道職人などの水道修理業者に依頼して修理し、水たまりを作らない環境に整えることが必要です。
つまりは水たまりの発生要因
屋外にある排水溝や雨どいなど、水の通り道につまりが発生すると、そこに水たまりができます。
排水でできた水たまりであっても、蚊は卵を産みつけるのです。
また、蚊の中には汚水を好むアカイエカと呼ばれる蚊や、チカイエカと呼ばれる蚊がいます。
イエカ属のこの2種類の蚊は姿が酷似しており、チカイエカの方はビルの地下にある浄化槽で卵を産むため、地下鉄や地下通路で刺されたときは、チカエイカかもしれません。
チカイエカは低温環境でも生きられ、冬場にも発生します。
汚水は、目視ではボウフラが発生しているか確認できないことがあります。
蚊の発生を防ぐためには定期的な点検やメンテナンスをし、スムーズに排水できるようにしておきましょう。
イエカ属の蚊のボウフラが生きるためには、水たまりにある程度の深度が必要といわれています。
つまりによる水たまりを発生させないことは、効果が高い対策になるのです。
参考:ボウフラが成長する際に必要な水の量は?┃公益財団法人ふくしま科学振興協会
排水マスには昆虫成長制御剤を
排水マスは、ご自宅敷地内から出るすべての排水の通り道です。
排水マスにはマンホールのような蓋がしてあり、太陽の日差しも当たりません。
そのため、常に湿気た環境で、水が蒸発しにくく、若干の水たまりができていることが多いでしょう。
排水マスのように、常に水が通ることで乾く時間がない環境では、昆虫成長制御剤(IGR)を導入することが有効です。
昆虫成長制御剤には、脱皮の阻害や産卵を抑制させる働きがあります。
また、成虫に対しては孵化しない卵を産ませることができるのです。
昆虫成長制御剤は蚊以外の害虫にも効果があります。
他の害虫被害にもお困りの方は、メーカーごとに対応している害虫が異なるため、どの害虫に効果があるかを確認してから購入することがおすすめです。
昆虫成長制御剤は、人体やペットへの有毒性が心配という方もいらっしゃるかもしれませんが、毒性が低い薬剤のため、不安が少なく使えます。
ただし、雨水タンクなど、生活用水に使うことは控えた方が良いでしょう。
排水マスがつまると、汚水が排水マスの中にたまります。
この場合は排水マスのつまりを除去した後に、昆虫成長制御剤を使ってください。
排水マスのつまりをそのままにしておくと、排水マスから汚水があふれ出したり、トイレが汚水で逆流を起こすことがあります。
排水マスのつまり除去は、みんなの町の水道職人などの水道修理業者に依頼しましょう。
流水環境では蚊の発生を抑えられる
流水環境では蚊の発生の抑制ができるという研究結果があるため、雨水タンクや井戸の場合、流水状態であれば蚊は発生しないでしょう。
蚊やボウフラには流水の中に留まるための吸盤などが備わっておらず、流水に流されてしまうのです。
そのため、流水環境を避けて産卵していると考えられています。
雨水タンクや井戸を生活用水として使っている場合、常に水の流れがあり、蚊の発生を抑制できるでしょう。
また、ご家庭で使う井戸ポンプは、害虫や異物の侵入を防ぐための対策が施されています。
しかし、雨水タンクは蚊の進入路となる隙間があるため、雨水タンクをあまり使っていないときは流水環境ができておらず、蚊が発生する可能性があります。
蚊が侵入できそうな隙間は塞いでおいた方が良いでしょう。
雨水タンクを長期間にわたって使う予定がない場合には、水を抜いてしっかりと乾かしておくことがおすすめです。
参考:水辺ビオトープにおける物理的環境操作による蚊の発生抑制の検討┃J-STAGE
水たまりができそうなものは対策を施す
ジョウロやスコップ、空き缶、タイヤ、プランター、ビニールプールなど、水たまりができそうなものは放置しないようにしましょう。
雨水にさらされない場所に移動させたり、雨が降った後は雨水を乾かしたり、使った後は水気を残さないように管理したりすることで、蚊の発生を防げます。
池や水槽は、ボウフラよりもサイズの大きな雑食性の水生生物を飼っておくことで、ボウフラを捕食します。
ただし、ボウフラよりも小さなサイズの場合、逆にボウフラに捕食されてしまうため、必ずボウフラよりも大きなサイズに育ってから、ボウフラ対策用として飼うようにしましょう。
池や水槽には排水マスと同様に、昆虫成長制御剤を使うことも効果的です。
まとめ
蚊の発生を防ぐためには、水たまりを作らない環境を維持することがとても大切です。
水がたまりそうなものを放置しないという対策を、実施している方は多いかもしれませんが、蛇口や水道管からの水漏れ、排水溝のつまりによる水たまり、排水マスの中など、水まわりまで意識して対策している方は、少ないかと思います。
水漏れやつまりの対策、排水マスの点検などはご自分で行うことが難しいこともあるかもしれません。
水まわりのメンテナンスを施すことで蚊の発生を抑えられるため、ご自分で対策ができないときは、みんなの町の水道職人にお任せください。