排水口の油汚れを防ごう┃「油・断・快適!」キャンペーンに学ぶ暮らしの習慣【水道職人:公式】|みんなの町の水道職人

排水口の油汚れを防ごう┃「油・断・快適!」キャンペーンに学ぶ暮らしの習慣【水道職人:公式】

東京都下水道局では、2025年10月1日から「油・断・快適!下水道」キャンペーン強化月間が開始されました。

本キャンペーンは今年で25周年を迎える、キッチンから下水道への油の流出を防ぐための大切な取り組みです。

調理や洗い物の際、何気なく排水口に流してしまう少量の油が、実は下水道のつまりトラブルの原因となることをご存じでしょうか。

油はご家庭の排水管はもちろんのこと、地域の下水道にも悪影響を及ぼし、最悪の場合は排水が流れなくなるケースもあります。

今回は、排水口に油汚れがたまる理由やその影響、そして日常生活の中でできる対策についてご紹介します。

東京都にお住まいの方も、他県にお住まいの方も、「油・断・快適!下水道」キャンペーンを機に、排水口の油汚れ対策について考えてみてください。

排水口に油汚れがたまる理由

キッチンの排水口に油汚れがたまる原因は、日々の調理や洗い物にあります。

炒め物・揚げ物をした際の残り油や、ドレッシング・調味料に含まれた油は、例えお皿・フライパンに付着した少量でも、水に混ざって排水管に流れ込みます。

多くの方がご存じの通り、水と油は完全には混ざりません

そのため、排水管内を通る内に油はどんどん冷えていき、流れが鈍くなり、水だけが排水管を流れていきます。

そして、冷えて固まった油が少しずつ排水管の内壁にこびりつき、やがて層となって蓄積していくのです。

また、食材のかすや石けんかすなどが油に絡むことで、さらに頑固な汚れとなります。

この汚れは時間の経過とともに酸化し、ベタつきや悪臭の原因にもなるでしょう。

とくに冬場は気温が低く、油が固まりやすいため、短期間でもつまりやすくなる傾向があります。

そして、ご家庭の排水管で起こる現象は、下水道でも起こります

大阪府柏原市では2019年5月に、下水管のつまりの原因となるため、油を排水管に流さないようにと注意喚起されています。

下水道の油によるつまりトラブルは、多くの自治体が抱えている問題だと言えるでしょう。

参考:下水道に油を流さないでください┃大阪府柏原市

油汚れを放置するとどうなるのか?

油汚れを放置すると、排水不良や悪臭の発生、水漏れなど、さまざまなトラブルが発生します。

排水不良

油汚れを放置した排水管では、まず水の流れが悪くなります。

最初は排水の流れが遅いと感じる程度でも、次第に流れなくなっていき、シンク内に水がたまるようになってしまうのです。

このとき、排水管の内部では油が層をなして管内を狭め、小さなゴミでもつまりやすい状態になっています。

関連記事:キッチンの排水口をつまりから守るための予防法とは?寒い季節はつまりの時期

悪臭の発生

排水不良だけではなく、雑菌やカビも繁殖します。

この理由としては、油分を栄養源とする微生物が増殖することが挙げられるでしょう。

目視では実感がないかもしれませんが、悪臭が発生し出したときは、雑菌やカビの繁殖を疑ってください。

この悪臭はシンクの周辺だけではなく、キッチン全体に広がることもあります。

関連記事:キッチンのシンク下が臭い!原因と対処法から水道業者の依頼まで

水漏れ

油汚れにより排水管に水圧がかかると、古い排水管では接続部から水漏れを起こす恐れも。

排水管の水漏れは床下という目に見えない場所で発生することがほとんどで、気が付くのが遅れる傾向があります。

そのため、気が付いたときには木材の腐食やカビ・シロアリ被害など、住まい全体に影響が及ぶこともあるでしょう。

修理や清掃に多額の費用も発生してしまうため、油汚れを「少しぐらい」と軽視せず、放置しないようにしてください。

ご家庭でできる油汚れ対策

油汚れを防ぐ最も効果的な方法は、油を排水口に流さないことです。

調理後に残った油は、キッチンペーパーや新聞紙に吸わせてから可燃ごみとして捨てましょう。

ドレッシングなど油が含まれた調味料がお皿に付着している場合も、調理後の油と同様に処理してください。

大量の油を処理する場合は、市販の油凝固剤(油処理剤)を使用して固めてから捨てるのがおすすめです。

また、洗い物をするときは、油を固めないよう水ではなくお湯を使用することで、排水口の油汚れを軽減できます。

洗い物にお湯を使用すると汚れ落ちが良く、乾燥も早くなるため、一石二鳥◎

なお、排水口にネットを設置すれば、油分を含む食べかすが排水管に流れ込むのを予防できます。

このように小さな習慣を積み重ねることで、排水管内の油汚れを未然に防げます。

とくに年末年始やお盆など、来客が多く揚げ物などで油の使用頻度が高い時期は、意識的に取り組むと良いでしょう。

定期的な清掃で油汚れをためない

日常の工夫に加えて、定期的な清掃も欠かせません。

排水口の清掃

排水口は週に一度を目安に、ゴミ受けやトラップ部分を取り外して洗いましょう。

中性洗剤と歯ブラシなどの細かい汚れを取り除けるブラシを使用し、ぬめりや油膜をしっかり落とします。

汚れがひどい場合は、重曹とクエン酸を使用したナチュラルクリーニングがおすすめです。

重曹を排水口にふりかけ、その上からクエン酸水をかけると泡が発生し、油汚れを浮かせてくれます。

数分置いた後、60℃程度の熱めのお湯を流すことでスッキリ仕上がります。

排水管の清掃

排水管の清掃には、パイプユニッシュなどのパイプクリーナーが効果的です

月に一度程度の使用で、排水管の中に油汚れが付着して層を形成することが予防できます。

ただし、アルカリ性の洗剤であるパイプクリーナーと酸性洗剤や熱湯が混ざると、化学反応を起こす恐れがあります。

有毒な塩素ガスが発生する可能性があるため、取扱説明書をよく確認してから使用しましょう。

なお、お酢やレモン果汁といった酸性成分が混ざることでも同様のことが起こり得ます。

調理前の清掃は控えた方が良いでしょう。

下水道への影響と社会的な取り組み

排水口に流れた油は、ご家庭の排水管を通って下水道へと流れます。

下水道は太く、ご家庭の排水管のように、油汚れでつまることはないだろうと思っている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、想像と実態は大きく異なります。

下水道内で油が冷えて固まると、下水管の内側にこびりつき、通水能力を低下させてしまうのです。

この状態が進行すると、下水が逆流したり、排水が流れなくなったり、悪臭を放つことがあります。

自治体によっては「油の塊(油脂閉塞/ゆしへいそく)」が原因で道路のマンホールから水が溢れるケースも報告されているのです。

東京都下水道局では、こうしたトラブルを防ぐために「油・断・快適!」キャンペーン強化月間を実施しています。

このキャンペーンでは下水道を守るために、「油を拭き取る」「油を吸い取る」「油を使い切る」という3つの啓発活動を行っています。

10月1日にはキックオフイベントが開催され、都内の至る場所で啓蒙(けいもう)ポスターの掲示やチラシが配布されており、お子様から大人まで油の正しい処理を学ぶ機会が設けられているでしょう。

「油・断・快適!」キャンペーン強化月間が示すように、油を流さないことは個人のマナーであると同時に、地域社会全体の環境保全にもつながります。

一人ひとりの意識が、未来の快適な下水道環境を守ることになるのです。

参考:油の処理について 油・断・快適!下水道┃東京都下水道局

キッチンの排水口を快適に保つために

キッチンは暮らしの中で最も油汚れが発生しやすい場所です。

目に見えない油汚れが排水管に残ると、つまりや悪臭が発生しやすくなります。

普段から油の処理方法や清掃習慣を見直すことが、キッチンの排水口を長く快適に使用するための第一歩です。

また、排水管の状態はご自分で確認し難い部分でもあります。

悪臭の発生や排水の流れが悪いと感じた場合は、水道修理業者に相談することもご検討ください。

みんなの町の水道職人では、排水管の洗浄やつまり除去、排水マスの清掃など、幅広い対応を行っています。

水まわりのプロに依頼することで、大規模なつまりトラブルを未然に防げます。

快適な水まわりを維持するには、日常の意識と定期的なメンテナンスの両方が欠かせません。

油を流さないという小さな行動が、地域の下水道を守ることにつながります。

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