
洗濯機を使用していると、排水口付近から水が溢れたり、洗濯が終わらなかったり、エラー表示が出るといったトラブルが起こることがあります。
それらのトラブルは洗濯機の不具合を疑う方が多いかもしれませんが、排水ホースのつまりで起こることもあるのです。
排水ホースは洗濯機の動作を支える重要な部品ですが、内部の汚れや折れ曲がりによって水の流れが悪くなり、思わぬ水まわりトラブルにつながることがあります。
今回は、水道修理の現場で多く耳にする、洗濯機の排水ホースつまりの確認方法と、つまりの対処法をご紹介します。
目次
排水ホースがつまる原因とは

排水ホースのつまりは、突然発生するように見えて、糸くずなどにより知らぬ間にじわじわと進行しています。
洗濯機は毎日のように使用することが多く、ホース内部には汚れが少しずつ蓄積しているのです。
原因①糸くずやほこり
排水ホースをつまらせる代表的な原因は、洗濯物から出る糸くずやほこりです。
洗濯槽の糸くずフィルターで取り切れなかった細かい繊維がホース内に流れ込み、時間をかけてホースの内部で固まり、水の通りを悪くします。
そこに皮脂汚れや洗剤の残りが混ざることで粘着質の汚れとなり、さらにホースの内部をふさぎやすくなります。
原因②排水ホースの折れ曲がり
糸くずやほこりだけがつまりの原因ではありません。
もう一つ大きな原因とされるのが、排水ホースの折れや潰れです。
洗濯機の設置や移動の際にホースが強く曲がり、水が流れにくくなるケースが少なくはありません。
ホースが折れ曲がると排水や排水に含まれる皮脂、洗剤、糸くずなどが曲がった部分にたまり、ホースの内部をふさいでしまうのです。
また、経年劣化によるホースの硬化やひび割れによって内部が狭くなり、排水しにくくなる場合もあります。
原因③複合的な要因
排水ホースのつまりは、糸くずが原因、ホースの折れ曲がりが原因というように、理由が一つだけの場合もあれば、複数の原因が考えられる場合もあります。
ホースのつまりと一見関係がないように思うかもしれませんが、洗濯機の排水トラップに汚れがたまっていると、ホース内の排水の流れにも影響してしまうのです。
そのため、排水トラップに汚れがたまっており、ホースの折れ曲がりも発生しているといった、二つ以上の原因が重なっていることもあります。
このように、つまりの原因は複数考えられ、原因を特定するためにはいくつかのポイントを確認する必要があるのです。
排水ホースの汚れが引き起こすトラブル

排水ホースがつまると、排水不良以外にも、洗濯機の故障や床の水漏れといったさまざまなトラブルを引き起こすことがあります。
トラブル①
排水ホースがつまると排水の勢いが落ち、洗濯機内部に水が残ったままになることがあります。
洗濯機の中に水が残ってしまうと、脱水機能が正常に働かず、洗濯物がしっかり脱水されなくなり、干しても乾きにくいという状態が生まれます。
こうなると洗濯物が乾きにくいだけではなく、洗濯物の生乾き臭も発生しやすくなってしまうのです。
トラブル②排水の逆流
排水ホースがつまると、排水が戻ってくる逆流現象が起きることがあります。
ホースがつまっていることで排水できなかった汚れた水は、洗濯機側へ戻り、洗濯機の清潔さを損ない、衛生面でも大きな問題へと発展することがあるのです。
トラブル③水漏れ
排水ホースが長期間つまったままになると、水が溢れて床や周辺の家具に被害が及ぶ可能性があります。
また、アパートやマンションなどの集合住宅では、水漏れ被害が拡大し階下漏水につながるケースも少なくはありません。
ご自宅だけではなく他所のご家庭を巻き込んでしまうと、多額の賠償責任が生じる恐れもあるでしょう。
関連記事:洗濯機の水漏れを予防するポイント!注意深く守ることで水漏れは防げる
トラブル④悪臭
悪臭の発生も無視できないトラブルの一つ。
排水ホース内部の汚れや滞留した排水が原因で悪臭が発生し、洗濯機周辺に不快なニオイが広がることがあります。
ニオイの問題はご家族の生活環境に影響を与えるため、早めの対策が大切です。
関連記事:洗濯機の排水口から下水の臭いが!原因と対処法を水道のプロが徹底解説
排水ホースのつまりを確認する方法

排水ホースのつまりは、いくつかのサインから判断できます。
チェックポイント①排水音
最初に確認したいのは、洗濯機の動作中に排水の音が小さくなっているかどうかです。
以前よりも音が小さい、あるいは水の勢いが感じられない場合、排水ホース内部で水の流れが制限されている可能性があります。
チェックポイント②排水ホースの外観
次に確認しておきたいのが、排水ホースの外観です。
目視で、折れや強く曲がっている部分がないかをチェックしましょう。
ホースが壁に押し付けられて潰れてしまうこともあるため、今は大丈夫でも近い将来潰れてしまう可能性がある場合は、設置環境を見直してください。
チェックポイント③洗濯機のエラー表示
洗濯機のエラー表示も重要な手がかりです。
多くの機種では、排水異常があると専用のエラーコードが表示されます。
エラーコードは「排水できません」という文字や、「E2」「E12」などの数字の組み合わせで示される場合があります。
液晶画面に普段とは違うものが表示されたときは、取扱説明書で確認しましょう。
チェックポイント④ニオイ
排水口まわりのニオイにも注目してください。
排水が滞り、水が長くたまってしまうと独特のニオイが上がってきます。
これは排水トラップ・排水ホース内部の汚れの蓄積や、水の流れが悪いことを示すサインです。
チェックポイント⑤排水口まわりの水位
排水口付近の水位も確認ポイントです。
排水中に排水口の水が溢れそうになる、あるいは既に漏れ出している場合は、排水ホースもしくは排水口側がつまっていると考えられます。
ご自宅で排水ホースのつまりを確認する際の注意点

排水ホースの状態を確認する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
安全を確保しながら作業するために、事前に注意点をチェックしておきましょう。
動かす際の注意点
洗濯機を動かす際には無理に力を加えないことが大切です。
洗濯機は重量があり、移動によって床を傷付けることや、動かしている方に向かって倒れて怪我をしてしまうことがあります。
また、電源コードやアース線を引っ張ってしまうと洗濯機が故障する原因にもなります。
排水ホースを取り外す際の注意点
排水ホースを外すと中の水がこぼれることがあるため、周囲に新聞紙やビニールシートを敷いたり、タオルを用意したり、バケツを準備しておくと安心です。
取り外しの際に汚れが付着する可能性があるため、ゴム手袋やエプロンを着用する方もいます。
排水口の注意点
排水ホースのつまりを確認するときは、排水口につまる原因がないかも確認するようにしましょう。
洗濯機の排水口には髪の毛や汚れがたまりやすく、この部分がつまるとホースにも影響します。
つまりそうなものがたまっているときは取り除き、排水トラップも汚れがたまっていないかなどを確認してください。ただし、排水トラップの構造はご家庭によって異なるため、軽く触って外れないときは、無理に取り外すことは控えた方がよいでしょう。
無理やり取り外すと、排水トラップの破損につながります。
取扱説明書の確認必須
洗濯機の取扱説明書やメーカー保証に記載された注意事項を必ず確認してください。
取扱説明書やメーカー保証に記載されている内容を無視してしまうと、自己責任での故障となり、保証が受けられなくなることがあります。
また、取扱説明書やメーカー保証には、メーカーの連絡先や購入店の連絡先情報が載っていることが多いため、不安なときは問い合わせてから作業しましょう。
排水ホースのつまりを予防する方法

排水ホースのつまりを防ぐためには、日頃のちょっとしたケアが役立ちます。
特別な手間を掛けなくても、少し意識するだけでトラブルが予防できるのです。
まず最も大切なのは、洗濯機の糸くずフィルターをこまめに掃除することです。
糸くずやほこりがたまりすぎるとホース側にも流れ込みやすくなるため、洗濯機を使用するたびに掃除することが理想的。
次に、洗剤の使用量を守ることも大切です。
洗剤を多く入れすぎるとすすぎ残しが増え、排水ホース内に汚れが付着する原因になります。
洗剤の注意書きに記載されている適正量を守ることで、ホースへの負担が減ります。
さらに、定期的に排水口の掃除も行うとより効果的です。
排水口がつまっていると、ホースがつまっていなくても排水が逆流することがあります。
排水口や排水トラップを分解して中性洗剤で掃除したり、市販の塩素系洗剤を使用したりして、掃除しましょう。
また、洗濯機の設置環境も見直してみてください。
ホースが強く折れていないかや、壁や家具に押し付けられていないかを確認することで、水の流れを阻害する環境ができにくく、排水がスムーズに流れます。
安心して洗濯機を使用するために

排水ホースのつまりは、洗濯機の不調や水まわりのトラブルに直結する重要な問題ですが、日頃の点検や簡単なケアで予防できます。
水の流れが悪い、ニオイが気になる、エラー表示が出るなど少しでも異変を感じた場合は、早めに原因を特定し解決することが安心につながります。
しかし、ご自分で原因を特定できないことや、解決できないこともあるかもしれません。
そのようなときは、みんなの町の水道職人にお任せください!
みんなの町の水道職人では、洗濯機のつまりや水漏れトラブルのご相談も承っております。
最寄の作業員が最短30分で駆けつけ、しっかりと点検した上で原因を見極め、修理や交換対応、メーカーに相談した方がよい旨の案内など、最善の提案をいたします。
洗濯機の排水に不安がある場合は、お気軽にお問い合わせくださいませ。



