日常生活で欠かすことのできないトイレは、気分転換やリラックスにもなる大切な場所です。しかしある日突然、トイレを使用し水を流す時に聞きなれない「ゴボゴボ…」といった音が聞こえてくることがあります。
水を流した後はすぐトイレから出る、という方は気づきにくいかもしれませんが、一度気になりはじめるとせっかくのトイレの時間が逆にストレスになってしまいそうです。
その音に加え、普段気にすることの無い便器の中にたまっている水も「なんだか少ない気がする…」ということも。ゴボゴボ音がしている・水位が下がっている状態は、トイレに異常が起きはじめているサインかもしれません。どんな原因で起きるのか、またどんな対処法があるのでしょうか。
トイレからゴボゴボと音がして水位が低いとき、原因は?
トイレで水を流した際にゴボゴボと音がした時は、まずは「つまり」が考えられます。便器の中や、その先にある排水管などの水の通り道で何かがつまり、水の流れを邪魔していることがあります。つまる物として、次のようなものが考えられます。
1・紙や便など排泄時に流したもの
大量にトイレットペーパーを使いその後一度に流した際などに、溶けきれずに残ったものがつまります。
2・オムツやペット砂などの吸水性の高いもの
オムツやペット砂など、吸水性が高い素材のものを誤って便器に流してしまうと、素材が水を吸って膨張してしまいすぐにつまることもあります。
3・スマホや歯ブラシなど水に溶けないもの
スマホや歯ブラシなどの水に溶けない固形物をうっかり落としてしまうと、それ自体がつまりの原因になったり、その固形物にトイレットペーパーなどが付着しつまることもあります。
4・尿石が便器や排水管の中に付着
尿に含まれるカルシウムは、水分が蒸発することで尿石となり付着します。尿石が堆積することで、つまりの原因になることがあります。
5・水流が弱い
トイレのタンク内の水量が何らかの原因で減り、水流が弱くなることで適切に流せなくなっている場合があります。流れずに残ったものが堆積し、つまりの原因となります。
このようなものがつまることで、ゴボゴボ音が出ていると考えられます。
またつまり以外の原因として“大量の雨が逆流している”ことも。ゲリラ豪雨や台風などで大雨が降った際に雨水が屋外のますから排水管の中に流れ込み、排水管内の空気が押し出されることで、ゴボゴボ…と音が出ることがあります。
次に便器内の水位が低くなる原因についてですが、まずなぜほとんどの便器の中に水がたまっているのかをご存じでしょうか?この水たまりには意味があり、“封水”という名前がついています。その名前の通り、排水管から上がってくる臭いや害虫の侵入を封じる役目があります。
この封水はある程度の水量が必要なため、水位は常に一定の水量が溜まるようになっています。正常な水量の目安は、水面の高さが便器内の排水管につながる部分を隠している程度です。
水面が低く穴部分を覆いきれていない場合は、便器や排水管の中に、つまりなどの異常が発生している可能性があります。また、まれに便器が故障して水位が下がっている場合や、排水管の異常で水漏れが起きて水位が下がっているということもあるようです。
水位が下がってしまうと、排水管から害虫が侵入したり悪臭が室内に漏れてきたりとさまざまなトラブルが起き、トイレ環境の快適さが失われることになります。
トイレからゴボゴボと音がするときの対処法
トイレがゴボゴボと音がする時の対処法として、まずは音が発生している状況から考えていきましょう。大雨の降っている日にだけ発生している場合と「ここ最近、水を流すたびに音が聞こえるな…」という場合とでは、対処法が異なります。
大雨の日のトイレでゴボゴボ音が出ている場合
大雨が降っている時にゴボゴボ音が出ている場合は、大雨が排水菅に流れ込むことで排水管の中の空気を押し出すことで音が発生することがあります。
その際は慌てず、天候の回復を待ちましょう。雨が止んだ後で、改めてトイレを使用すればあのゴボゴボ音が収まっているはずです。
便器の中や排水管内で軽度のつまりが発生しゴボゴボ音が出ている場合
まずは、スマホや鍵など、水に溶けない固形物を便器内に落としていないか確認しましょう。目視や、トイレブラシを使って排水口付近に引っかかるものがないかをチェックします。気づくのが早ければ早いほど、取り除ける可能性は高くなります。
引っ掛かっている物を見つけた場合はゴム手袋をして、手で直接取りに行くのが確実です。手が届かなくなるほど奥に流れてしまっている場合は、無理をせずにプロの業者に依頼しましょう。
また、トイレットペーパーなどの水に溶ける物を一度で大量に流そうとし、溶けきれずにつまりを起こしていることがあります。その際は俗にスッポンと言われる、ラバーカップを使用するのが良いでしょう。普段あまり使用しない掃除道具ですが、ホームセンターなどで購入することができます。
ラバーカップの使用方法は、まず便器内の水を汲み出すなどして減らしましょう。その後、ラバーカップを便器の排出口にぴったりと密着させ、ゆっくりと押し込みます。この時、くれぐれも勢いよく押し込まないこと。つまりが更に頑固になってしまい、悪化させてしまうこともあります。
押し込んだ後は、勢いよく引っ張りましょう。この引っ張る時の力で、つまりを解消させる狙いがあります。この時にうまくつまりが取れれば、ゴボゴボ…と水が流れる音が聞こえ、普段のゴボゴボ音も水位の低下も解消されます。一回でつまりが直らない場合でも、何度か試してみると改善することもありますので、諦めてはいけません。
上記の方法を試してもゴボゴボ音が直らない場合
先ほど紹介したラバーカップを試してもつまりが解消されない場合は、排水管の中など奥の方で固形物がつまっていたり、簡単には除去できないものがつまっていたりするのかもしれません。その際は無理をせず、プロの業者に依頼しましょう。
トイレのゴボゴボ音を放置しておくと?
トイレのゴボゴボ音に気づいても、「そのうち自然に直るかも」と考えて放置してしまいそうになりますね。確かに、軽いつまりが原因で発生していたり、大雨の影響で発生していたりする場合は自然に解消することもあります。
しかし、長期に渡ってゴボゴボ音が聞こえるのに放置していると、大変なことになるかも知れません。つまりを放置すると、次のようなリスクが生じます。
害虫・悪臭が発生する
トイレがつまりはじめたことで水がスムーズに流れなくなったり、つまっている紙などが水分を吸収することで封水の水位が下がったりすることがあります。封水の水位が下がると害虫が侵入しやすくなり、悪臭が漂いやすくなります。
下水が逆流しあふれ出す
つまりを放置することで、どんどん水の流れが悪くなります。そのまま使用すると、下水が逆流し室内にあふれ出すリスクが考えられます。あふれ出した下水には雑菌や汚物が含まれているので、衛生面にも精神的にもダメージを受けることになります。
場合によっては家具や家電、壁紙などの交換費用が発生することになり、多大な費用と時間が必要になってしまいます。
集合住宅の場合は階下に水漏れ被害が生じる可能性も
もしアパートやマンションなどの集合住宅でトイレがつまった場合、下の階の部屋に水漏れ被害が生じることも。集合住宅は一戸建てとは違って、建物内のすべての部屋が配管を共同で使用しています。
そのため一か所で配管のつまりが発生すると、他の部屋でもつまりや漏水などの問題が起きることがあります。自分の部屋だけでなく他の住人にも迷惑をかける可能性があるので、すぐに対応することをおすすめします。
トイレのゴボゴボ音は業者に依頼するのが吉!
便器内の見える場所に物を落とした場合や軽度のつまりなど、ラバーカップで解消できるものなら自分で頑張ってみるのもよいでしょう。
しかし原因がよくわからないままゴボゴボ音が発生している・水位が下がっているといった場合は、手の届かない場所のつまりや便器の破損など、素人では手に負えない原因によるもの。プロの業者に早めに相談・依頼をして、また快適にトイレを使用できるようにしたいですね。