トイレの水圧に違和感があるときは、タンク内の部品やトイレの配管に異常があるかもしれません。 今回は、トイレの水圧が弱いときにチェックすべき場所と水圧を上げる方法についてご紹介します。

トイレの水圧が弱いときに見るべき4つの場所

トイレの水圧が弱いと感じるときは、以下4つの場所をチェックしましょう。

止水栓

トイレを細かく点検する際は、水漏れや逆流などのトラブルを避けるため、トイレに設置された止水栓を確認してから実施してください。もし止水栓が開いている状態であれば、タンクの中を確認しましょう。 止水栓がなんらかの理由によって閉まっていると水圧が低くなり、水の出が弱くなります。温水洗浄便座の掃除をするタイミングや、水道業者による水周りの点検などによって止水栓を閉めることがあるため、今一度止水栓の開閉具合を確認しましょう。 なお、止水栓のタイプによってはマイナスドライバーを使って開閉するものもあります。マイナスドライバーを用意しておくと、スムーズに作業が進められるでしょう。

タンク内の水位

止水栓に問題がなければ、次はタンク内の水位を確認しましょう。タンク内の水位が著しく低い場合は、便器へ流れる水量が減少するため、水圧も同時に弱くなります。タンク内の水位に違和感がなければ、便器の奥になにか物が詰まっている可能性を疑いましょう。

タンク内の部品

タンク内の水位が低い場合は、タンク内にある部品に劣化や破損が起きている可能性があります。 便器の水位を調節するのはボールタップと呼ばれる部品で、先端に浮き球が付いています。ボールタップの根元にはタンク外にある給水管とつながっていて、主にタンク内への給水を調節する役割があります。 レバーを引くとタンク内の水位が減り、便器へと排水が開始します。それと同時にボールタップ内の弁が開き、タンクへの給水が開始します。 タンク内の水位が一定まで満たされると、開いた弁が元の位置に戻り、止水されます。しかし、ボールタップに異常があると、弁が元の位置に戻らないなどのトラブルにつながり、タンク内の水量がうまくコントロールできず、水位が低くなるのです。 もう一つ考えられることとしては、タンク内にある部品であるフロートバルブが故障している場合です。 フロートバルブとは、タンクの一番下にある部品のことで、便器とタンクをつなぐ排水口にフタをする役割があります。レバーと連動していることから、レバーを引くとこのフロートバルブが作動し、便器に排水される仕組みです。 レバーと連動するフロートバルブにも異常があるときは、清浄に機能しないことから、トイレの水圧が低くなる場合があります。

タンクレストイレの場合

タンクレストイレは水道管と直結して給水します。水道管の圧が弱い場合、水圧が弱くなることがあります。高層マンションなどの高層階だと、水圧を上に上げなければならないため、どうしても弱まる傾向にあります。 また、近隣に戸建住宅が密集した場合も水道の使用量が増えることから、水道の水位が弱くなる場合があります。

タンク内の水圧を上げる方法

タンク内の水圧を上げる方法は2つのパターンに分類されます。ここでは、タンクの水位が低いことで水圧が弱くなっている場合と、部品の故障によって水圧が弱くなっているときに試してほしい対処法をご紹介します。

タンクの水位が低いとき

タンクの水位が低いときは、マイナスドライバーとモンキーレンチを用意し、タンク内の水圧を調節しましょう。 止水栓を閉めたら、ボールタップの調節を行います。ボールタップの根元には水位調節リングが取り付けられていることが多いです。 水位調節リングを確認したら、引き上げて開店させてください。右方向に回転させると水位が上がる仕組みです。調節が終わったら、水位調節リングを元の位置に戻してロックしましょう。 水位調節リングが見当たらない場合は、浮き玉が付いた棒を真ん中部分から折れないように上にゆっくり折り曲げましょう。曲げ終わったら浮き玉がくるくると回らないよう、棒の根元にあるネジをしっかりと締めてください。それぞれの調節が終わったら、止水栓を開いて水圧の確認を実施しましょう。

部品が故障しているとき

タンク内の部品を確認した場合に、ボールタップやフロートバルブの故障が確認できた場合は、それぞれの方法で部品交換を実施しましょう。 ・ボールタップの交換手順 ボールタップの交換手順は以下の通りです。 1.タンク内から取り外したボールタップと同様の物を用意する 2.止水栓を締めてタンクのフタを取り外す 3.新しいボールタップを取り付ける 4.止水栓を開いてタンク内の水位を確認する なお、ボールタップはタンクにつながる管にナットが付いています。モンキーレンチを用意しておくとスムーズに作業が進められます。 ・フロートバルブの交換手順 フロートバルブの交換手順は以下の通りです。 1.取り外したフロートバルブと同様の物を用意する 2.止水栓を締めてタンクのフタを取り外す 3.チェーンの長さを取り外した物と同じ長さに調節する（少したるむくらいが望ましい） 4.新しいフロートバルブを取り付ける 5.止水栓を開いてタンク内の水位を確認する なお、ボールタップもフロートバルブもホームセンターで簡単に購入できます。現状のものを取り外し、持参したうえでホームセンターに行くことで、どなたでも正確な部品を購入できるでしょう。

詰まりによって水圧が低い場合の対処法

トイレが詰まって水圧が低い場合は、以下3つの対処法を試してみましょう。 ・お湯を流す ・ラバーカップを使う ・真空式ポンプクリーナーを使う 道具を使って対処したい場合は、ホームセンターやドラッグストアを覗いてみると良いでしょう。価格は1,000～2,000円ほどなので、水道業者に依頼するときよりも安くトラブルを解決できます。 また、ラバーカップや真空式ポンプクリーナーは、浴室の詰まりにも効果的です。水周りのトラブルを速やかに対処したいと考える方は、いずれかの道具を購入しておくことをおすすめします。

お湯を流す

トイレの詰まりにはお湯を流す方法が効果的です。バケツや洗い桶などに40～50度ほどのお湯を溜めたら、数回に分けて封水に注ぎ入れましょう。お湯の水圧と水量によって詰まっていたものが上下左右に動き、詰まりを改善する可能性があります。 ただし、熱湯を使用するとトイレが熱膨張を起こし、破損やひび割れを招く恐れがあります。40～50度のお湯でも効果を得られるので、熱湯の使用は避けましょう。

ラバーカップを使う

ラバーカップは、お椀に似たカップとプラスチックの柄が付いた道具です。トイレの封水にカップを押し当てて、数回空気を送り込んだら一気に引き離してください。数回同じ動作を繰り返すことで詰まりが移動し、スムーズに排水できるようになるでしょう。

真空式ポンプクリーナーを使う

真空式ポンプクリーナーは、ラバーカップと同様の使い方で強力な吸引力を発揮し、頑固な詰まりを除去する道具です。吸引力はラバーカップの5倍とも言われているため、トイレの掃除をしていないときにおすすめです。 なお、真空式ポンプクリーナーを使うときは、便器に劣化や破損がないかを確認してから使用しましょう。劣化や破損がある状態で使ってしまうと、トイレが破損し、水漏れなどの大きなトラブルにつながる恐れがあります。

まとめ

トイレの水位が弱いと感じるときは、タンク内の部品の故障や止水栓が閉まっている可能性、詰まりが起きている等の原因が考えられます。 トイレの違和感に気付いたときは、直前の使用を振り返り、適切な方法を取り入れたうえでトラブルを解決させましょう。