
蛇口からポタポタと水が落ちていることに気が付いたとき、どのように判断しますか?
「少しなら大丈夫」と思って放置してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、水滴は一晩で数リットル、ひと月で数百リットルにもなり、水道代を押し上げる原因となってしまいます。
さらに、蛇口まわりや床、壁が塗れることで起こるトラブルもあります。
具体的には、カビや腐食が発生したりシロアリが入り込んだりして、暮らしに不便をもたらすことも少なくはありません。
水漏れは放置せず対処することがとても大切です。
では、水漏れはなぜ起こるのでしょうか?
実は、小さな水漏れの裏には、部品の劣化や蛇口本体の寿命といった原因が隠れています。
今回は水漏れが起きてる場合修理で直せるのか、それとも交換が必要なのか、その判断ポイントを詳しくご紹介します。
併せて水まわりの快適さを守るために必要な知識もご紹介するので、参考にしてみてください。
目次
なぜポタポタ水漏れが起きるのか

蛇口の水漏れは、内部部品の劣化や摩耗によるものが大半です。
古いタイプのハンドル式蛇口では、コマパッキンと呼ばれるゴム製部品が劣化して弾力を失い、水をしっかりせき止められなくなります。
レバー式混合水栓やシングルレバー混合水栓では、カートリッジ内部のセラミック板やパッキンが摩耗し、少量の水がすり抜けることで水漏れが発生します。
また、長年の使用によって金属部分に細かな傷が入り、表面が平滑(へいかつ)でなくなることでも密閉性が低下してしまうのです。
さらに、水質の影響でカルシウム分が固着して部品の動きを妨げ、正常な止水ができなくなることもあります。
ポタポタ水漏れは「自然な経年劣化のサイン」であり、部品交換や本体交換での対応が求められるでしょう。
関連記事:蛇口の水漏れを発見!原因と対処法を水道のプロが徹底解説
修理で直る可能性が高いケース

蛇口本体に目立った損傷がなく、設置から10年前後であれば修理で改善するケースが多い傾向にあります。
ここでは部品交換で改善できる例をご紹介します。
吐水口からの水漏れ
コマパッキンやカートリッジを交換することで改善可能です。
部品は数百円〜数千円程度で販売されています。
レバーの根元からの水漏れ
Oリングやパッキンが摩耗している可能性があります。
部品交換ができ、比較的短時間で修理可能です。
スパウト(吐水パイプ)付け根からの水漏れ
Oリング交換で直るケースが多く、作業時間も30分〜1時間程度が目安です。
部品の入手はホームセンターやメーカー取り寄せで可能ですが、型番の確認は必須。
誤った部品を購入すると取り付けられず、再度買い直しになるため注意が必要です。
交換を検討すべきサイン

修理で対応できない場合や、修理しても繰り返し水漏れが起こる場合は蛇口本体の交換をご検討ください。
【蛇口本体の交換を考えるべき状況】
- 設置から15年以上経過している
- メッキが剥がれてサビや緑青(ろくしょう)が目立つ
- 複数箇所から同時に水漏れしている
- メーカー純正部品が廃番になっている
- ハンドルやレバーの動きが極端に重い・軽い
こうした症状は寿命を迎える前のサインです。
2025年7月にお伺いした現場では、蛇口内部の部品が経年劣化で破損し吐水口から水漏れしていました。
蛇口を設置してから40年経過していることもあって、先々のことを見越し蛇口本体の交換となりました。
このように、無理に修理を続けるよりも、蛇口本体を交換した方が将来的な費用対効果が高い場合が少なくはありません。
関連記事:蛇口の水漏れトラブル対処法|蛇口の交換は水漏れ修理業者に依頼しなくてもいい?自分でやる場合の注意点も
部品の寿命目安

部品や蛇口本体にはおおよその寿命があり、定期的な交換が求められます。
【寿命の目安】
- コマパッキン:約5〜10年
- Oリング:約5〜10年
- シングルレバーカートリッジ:約7〜10年
- スパウト可動部:約10年
- 蛇口本体:約15年
寿命は使用頻度や水質によって前後しますが、寿命を迎えた部品を放置すると水漏れに直結します。
10年以上経過した蛇口は交換時期が近いと意識しておいた方が良いでしょう。
環境と家計の視点で考える修理と交換

蛇口からの水漏れは、環境にも家計にも少なくない影響を与えます。
1秒に1滴の水漏れが続いた場合、1日で約20リットル、1か月で約600リットルもの水が無駄になります。
水道料金に換算すると数百円から千円単位の負担増になることもあるでしょう。
また、最新の蛇口は節水性能が高く、従来の製品よりも少ない水量で十分な使用感が得られる設計になっています。
そのため、蛇口本体を交換することで「水漏れ解消+節水効果」という中長期的に家計を助ける効果が期待できるのです。
加えて、不要な水の使用を減らすことは環境負荷の軽減にもつながります。
水漏れを放置しないということは、暮らしの快適さだけではなく、持続可能な社会に貢献する行動でもあるのです。
水漏れ予防のため!水まわり全体の点検とメンテナンス

蛇口の水漏れは、他の水まわり部位の劣化と並行して進むことがあります。
そのため、蛇口だけではなくシンク下の配管や止水栓、排水トラップなども定期的に点検することが大切です。
【点検のポイント】
- 蛇口周辺に水滴や湿り気がないか
- 配管接続部からのにじみ出しがないか
- 床に水シミやカビが発生していないか
- 排水口から異臭が上がっていないか など
半年に一度程度、目視や手で触ってみて確認するだけでも十分です。
異常を早期に発見すれば、修理費用を最小限に抑えられます。
また、パッキンやOリングといった消耗部品は定期的に交換しておくことをおすすめします。
水漏れの不安がある場合、水道修理業者に依頼すれば、蛇口だけではなく水まわり全体をチェックしてもらえるため、安心感が得られるでしょう。
関連記事:水漏れを防ぐための必須知識!水漏れしやすい場所ベスト5と対策【水道職人:公式】
修理か交換かを見極めて快適な暮らしを

蛇口のポタポタ水漏れは、放置すると水道代の増加や住まいの劣化につながる深刻な問題です。
修理で直せる場合もあれば、交換が必要な場合もあり、その判断は「設置からの年数」「部品の状態」「費用のバランス」を総合的に考える必要があります。
修理で良いかどうか迷ったときや、蛇口本体の交換が必要か判断できないときは、水道修理業者に相談してみてください。
きっと的確なアドバイスをもらえるはずです。
みんなの町の水道職人では、ポタポタ水漏れの原因の診断から修理・交換まで一貫して対応し、ご家庭の水まわりを安心して使用できる環境をサポートしています。
蛇口からのポタポタを見逃さず、快適で無駄のない暮らしを守っていきましょう。