
自動水栓は手をかざすだけで水が出る便利な設備ですが、「もう少し長く水を出したい」「手をかざし続けるのが面倒」と感じることはありませんか?節水や衛生面で優れた自動水栓ですが、使い方によっては不便さを感じることもあるでしょう。
この記事では自動水栓を出しっぱなしにしたい場合の方法や注意点、トラブル時の対処法までわかりやすく解説します。日常の小さな不便を解消し、より快適な水回り環境を実現しましょう。
目次
自動水栓を出しっぱなしにしたい理由とは?

自動水栓(センサー水栓)は本来、水の無駄遣いを防ぎ、衛生的に使用するために開発されました。しかし実際の使用場面では、「もう少し長く水を出したい」と感じることがあります。なぜ自動水栓を出しっぱなしにしたいと思うのでしょうか。
長時間の作業や大容量の給水に不便を感じたら
バケツや大きな鍋に水を貯めたいとき、センサーに手をかざし続けなければならないのは不便です。多くの自動水栓は一定時間(30秒~1分程度)で自動的に止水する機能を持っているため、大きな容器に水を満たそうとすると何度もセンサーに手をかざす必要があります。
料理の下準備や掃除用の水を貯めるときも、この動作の繰り返しは思いのほか煩わしく、時間も取られます。効率よく作業を進めるためには、一定時間水を連続して出せる状態が望ましいです。
お湯が出るまで待ちたいときのジレンマ
特に冬場や配管が長い住宅では、お湯が出始めるまでに時間がかかることがあります。通常の蛇口なら出しっぱなしにしてお湯を待てますが、自動水栓では手をかざし続けなければいけません。
冷たい水が出ている間ずっと手をかざしながら待つのは不便です。無駄な水を出したくはないけれど、お湯が出始めるまで待機中に何度も水が止まってしまうストレスは大きいでしょう。
センサーの誤作動でイライラすることも
自動水栓はセンサーの性能に左右されるため、場合によっては十分な反応が得られないことがあります。特に手が石鹸で泡立っていたり水滴が付いていたりする状態では、センサーの反応が安定せず、水が突然止まってしまうことも少なくありません。
また、黒色や暗い色の容器はセンサーに認識されにくく、洗おうとしても水が止まってしまうケースがあります。こうした場面では一時的にでも水を出しっぱなしにできれば、作業効率が大幅に向上するはずです。
自動水栓の仕組み

自動水栓の出しっぱなし問題を解決するために、まずその仕組みを理解しましょう。なぜ自動で水が出たり止まったりするのか、その仕組みを知ることで対策も見えてきます。
センサーと電磁弁で水の出し止めをコントロール
自動水栓の基本構造は、センサー部分と電磁弁(ソレノイドバルブ)から成り立っています。ほとんどの機種では赤外線センサーが使われており、手や物体がセンサーの前に来ると、その変化を検知します。
センサーが物体を検知すると電気信号を発し、電磁弁を開放状態にします。電磁弁は電気信号を受け取ると内部の弁が開き、水が流れる仕組みです。反対に、センサーが何も検知しなくなると、電磁弁は閉じて水が止まります。
この仕組みは非常にシンプルですが、確実な動作を実現するために精密な制御が行われています。センサーの検知距離や感度は製品によって調整されており、誤作動を防ぐための工夫も施されているのです。
オートストップ機能とは
ほとんどの自動水栓には「オートストップ機能」が搭載されています。これは、たとえセンサーが物体を継続して検知していても、一定時間が経過すると自動的に水を止める安全機能です。
この機能は主に安全対策として設けられており、センサー前に物が置かれたままになるなどの誤作動時にも、水が出しっぱなしになることを防ぎます。一般的には30秒から1分程度で自動的に止水する設計になっていますが、製品によっては最大3分間継続して水が出るものもあります。
オートストップ機能は水の無駄遣い防止に役立つ一方で、大量の水を使いたい場合には不便に感じることもあるのです。製品設計上の安全策であるため、完全に無効化することは難しい場合が多いでしょう。
自動水栓を連続で使う工夫

自動水栓を連続して使いたい場合、いくつかの方法や工夫があります。ただし、製品によって対応が異なるため、まずはお使いの製品の仕様を確認しましょう。
連続吐水モードがあるタイプを確認
近年の自動水栓には、ユーザーの利便性を考慮して「連続吐水モード」を搭載した製品も増えてきました。特定の操作をすることで、一定時間(多くは1~3分程度)水を出し続けることができます。
お使いの自動水栓に連続吐水モードがあるかどうかは、製品の取扱説明書を確認するのが確実です。説明書をなくしてしまった場合は、製品名や型番をメーカーサイトで確認してみてください。
連続吐水モードがある場合、多くは「センサーに2回連続で手をかざす」「センサーに3秒以上手をかざし続ける」などの特定の操作方法が設定されています。この操作方法を覚えておけば、必要なときだけ便利に連続吐水を活用できるでしょう。
センサー操作でできること
連続吐水モードが搭載されていない製品でも、センサーの特性を活かした工夫が可能です。例えば、以下のような方法が考えられます。
多くのセンサー水栓は、センサー前に物体があると水が出続けるため、センサー前に反射しやすい物体(白い紙や明るい色のタオルなど)を置くことで、一時的に水を出し続けることができる場合があります。
ただし、この方法の効果があるかどうかは製品によるでしょう。最近の高機能な自動水栓では、静止した物体を検知すると一定時間後に自動的に判断して水を止める「学習機能」を持つものもあるためです。
一時的な対処法とその限界
どうしても連続吐水が必要な場合、一時的な対処法として以下のような方法も考えられますが、製品への負担や故障リスクがあることを理解した上で、自己責任で行ってください。
電源リセットによる初期化:一部の自動水栓では、電源を入れ直した直後に特定の動作モードになることがあります。例えば、電池を一旦外して再度セットする、またはコンセントを抜き差しすることで、一時的に通常とは異なる動作が可能です。
これらの方法はあくまで応急的なものであり、製品の設計意図から外れた使い方となるため、長期的な解決策としては適していません。むしろ根本的な解決のためには、使用目的に合った水栓に交換するか、専門業者によるメンテナンスを検討すべきでしょう。
出しっぱなしにする際の注意点

自動水栓を出しっぱなしにする場合、いくつかの重要な注意点があります。本来、連続吐水を前提としていない製品を無理に出しっぱなしにすると、様々なリスクが伴うことを認識しておきましょう。
水漏れ・溢水事故に注意
自動水栓を出しっぱなしにする最大のリスクは、水漏れや溢水事故です。特に一時的な対処法でセンサーを常時反応させた場合、その場を離れると水が出続けてしまう可能性があります。
排水口がつまっていたり、水を貯めている容器から目を離したりすると、水があふれて床が水浸しになるかもしれません。水が床に漏れ出すと階下への漏水も起こりかねず、大きな被害につながることもあります。
自動水栓の連続吐水を行う場合は、必ずその場を離れずに監視し、いつでも手動で水を止められる状態を維持することが大切です。また、排水口のつまりがないことも事前に確認しておきましょう。
機器への負担とセンサー不良
自動水栓の電磁弁は、通常は開閉を繰り返す使用を前提に設計されています。長時間開きっぱなしになると、電磁弁のコイル部分が熱を持ったり、内部のゴムパッキンが通常とは異なる状態で負荷を受けたりすることになります。
これにより、電磁弁の寿命が縮まって、閉じた状態でも完全に水が止まらない「水漏れ」を引き起こすかもしれません。また、センサー部分に物を置いて無理に反応させ続けると、センサー自体の感度や耐久性に悪影響を与えることも考えられます。
このような機器への負担は、短期的には問題にならなくても、長期的には修理や交換が必要になるリスクを高めることになりかねません。出しっぱなしにする方法を試す場合も、必要最小限の時間にとどめることが望ましいでしょう。
電池式の場合の電力消費問題
電池式の自動水栓を出しっぱなしにすると、電力消費が通常よりも早くなります。自動水栓の電池寿命は通常の使用で約1~2年程度ですが、長時間連続で電磁弁を開いた状態にすると、電池の消耗が著しく早まる可能性が高いです。
電池の消耗が進むと、センサーの反応が鈍くなったり、水の出が弱くなったりといった症状が現れます。最終的には電池切れで水が出なくなり、急な使用ができなくなるトラブルにもつながりかねません。
電池式の自動水栓を使用している場合は、電池残量の状態も考慮し、なるべく連続吐水は短時間に留めることが賢明です。また、定期的な電池交換を行い、常に良好な状態を維持してください。
自分でできる自動水栓のメンテナンス

自動水栓の不具合や使い勝手の悪さは、適切なメンテナンスで改善できることも少なくありません。専門知識がなくても自分でできる基本的なお手入れ方法を知っておくと役立ちます。
センサー部分の正しい清掃方法
センサー部分に汚れや水垢が付着すると、反応が悪くなり誤作動が起きやすいです。定期的な清掃で多くの問題を予防できます。
センサー部分の清掃は以下の手順で行います。
- 1.柔らかい布に水で薄めた中性洗剤を少量含ませます
- 2.センサー窓を優しく拭きます(強くこすらないよう注意)
- 3.洗剤が残らないよう、水で濡らした清潔な布で再度拭きます
- 4.最後に乾いた布で水気を拭き取ります
清掃の際は、研磨剤入りのクレンザーやスポンジの硬い面は絶対に使わないでください。センサー窓に傷が付くと、さらに反応が悪くなることがあります。また、水栓全体も定期的に拭き掃除することで、美観を保ち、機能低下を防げます。
簡単にできる電源リセット
自動水栓の動作がおかしいと感じたら、まず電源のリセットを試してみましょう。多くの電子機器と同様、自動水栓も電源をリセットすることで軽微な不具合が解消できることがあります。
電池式の場合は、電池を取り出して30秒ほど待ってから再度セットします。コンセント式の場合は、コンセントを抜いて30秒ほど待ってから差し直してください。
電源リセット後は、センサーが正常に反応するか、水の出が安定しているかなどを確認しましょう。この簡単な操作だけで、誤動作や反応不良が解消されることも少なくありません。
フィルター掃除で水の出を改善
水の出が弱い、または不安定だと感じる場合は、水栓内部のフィルター(ストレーナー)がつまっている可能性があります。ストレーナーは水中の異物を取り除くためのフィルターで、時間が経つと砂やゴミが溜まることがあります。
フィルター掃除の基本的な手順は以下の通りです。
- 1.止水栓を閉めて、水の供給を止めます
- 2.製品の取扱説明書を参照し、ストレーナーの位置を確認します
- 3.必要に応じて工具を使い、ストレーナーを取り外します
- 4.取り外したストレーナーを水で洗い流し、ブラシなどで汚れを落とします
- 5.元の位置に戻し、止水栓を開けて水漏れがないか確認します
この作業は比較的簡単ですが、部品を紛失したり逆向きに取り付けたりしないよう注意しましょう。取り外したネジや部品は、紛失しないよう小皿などに置いておくと安心です。
自力では対応できないケースとは

無理に自分で修理しようとすると、かえって状況が悪化する恐れがあるなど、自分でのメンテナンスや対処には限界があります。以下のような症状がある場合は、専門業者による修理や部品交換が必要になることがあるので注意しましょう。
センサー・電磁弁の故障サイン
以下のような症状が見られる場合は、センサーや電磁弁の故障が疑われます。
- 手をかざしても全く水が出ない(電池や電源は正常)
- 手を離しても水が止まらない、または大幅に遅れて止まる
- 何もセンサーの前にないのに勝手に水が出る
- センサー部分のランプが点滅している、または点灯しない
これらの症状が見られる場合、センサー自体の故障や内部の電子回路、電磁弁の不良が考えられます。電子部品の修理や交換は専門知識と工具が必要となるため、一般的には自分で対応するのは困難です。
また、電磁弁が完全に閉じなくなると水漏れの原因になり、水道料金の無駄な上昇につながることもあります。早めに専門業者に相談してください。
配管トラブルの見分け方
自動水栓本体ではなく、配管系統に問題がある場合もあります。以下のような症状があれば、配管トラブルを疑いましょう。
- 水栓本体からではなく、台所下や洗面台下からの水漏れ
- 異常な水圧の低下(同じ家の他の蛇口も水圧が弱い)
- 水に濁りや異物が混じる
- 配管からの異音(キーンという音や振動)
配管トラブルは自動水栓だけの問題ではなく、建物全体の水道設備に関わる場合があります。配管内のつまりや破損、水圧の問題など、専門的な診断が必要なケースが多いです。
特に壁の中や床下の配管は素人が触れる範囲を超えているため、プロの技術者による調査と修理が必要でしょう。無理に自分で配管をいじると、水漏れが拡大する危険性もあるので注意してください。
修理が必要な状況の見極め方
「自分で対応すべきか、専門家に依頼すべきか」という判断に迷うことも多いでしょう。以下のポイントを参考に、修理が必要な状況を見極めてください。
- 1.基本的なメンテナンス(清掃・電源リセット・電池交換)を試しても改善しない
- 2.水漏れがある、または水が止まらない状況が続いている
- 3.部品の破損や劣化が目視で確認できる
- 4.水栓の取り付け部分がグラついている
- 5.使用開始から5年以上経過している
特に水漏れや水が止まらない症状は、放置すると水道料金の無駄な上昇や、最悪の場合は浸水被害につながる恐れがあります。こうした状況では、早めに専門業者に相談してください。
修理費用が気になる場合でも、まずは現状を伝えて見積もりを取ることで、適切な判断材料を得られます。小さな問題が大きなトラブルに発展する前に、専門家の目で状況を確認してもらうことが賢明です。
自動水栓のトラブルは「みんなの町の水道職人」へ
自動水栓のトラブルや修理に迷ったら、「みんなの町の水道職人」にお任せください。私たちは年中無休で水まわりのあらゆるトラブルに対応し、お客様の快適な生活をサポートしています。
「みんなの町の水道職人」は、東は神奈川県から西は福岡県、南は沖縄県までの29府県で地域に密着した水道修理サービスを提供しています。蛇口の水漏れ修理だけでなく、蛇口の交換や水回りの清掃など幅広いサービスを手がけており、自動水栓のトラブルに関する経験や実績が豊富です。
24時間365日受付対応しているため、急な水漏れやトラブルにも素早く対応可能です。最短30分から1時間ほどで現地へ訪問し、問題を迅速に解決します。また、自治体に認められた水道局指定工事店のため、水まわりのトラブルが起こった際には安心しておまかせください。
当社の特長は明確な料金体系にあります。作業前に詳細な見積もりを提供し、お客様が納得した上で修理を開始します。見積もり後のキャンセルも可能で、追加料金は発生しません。さらに、現金だけでなくクレジットカード・銀行振込み・QRコード決済・コンビニ支払いなど、多様な支払い方法にも対応しています。
自動水栓のトラブルは素人判断で対処すると、かえって状況が悪化し厄介です。専門の技術者による適切な診断と修理で、安全・確実に問題を解決しましょう。水まわりでお困りごとがありましたら、お気軽に「みんなの町の水道職人」までご相談ください。