精密な氷を作る技術!スケートリンクの氷はどうやって作られている?【水道職人:公式】|みんなの町の水道職人

精密な氷を作る技術!スケートリンクの氷はどうやって作られている?【水道職人:公式】

スケートリンクの美しく輝く氷の表面は、実は緻密な計算と熟練の技術によって支えられています。

お子様からプロのアスリートまで、すべての方が安心して滑走できる環境を作るには、温度管理と水の性質を極限までコントロールした高度な水まわり技術が欠かせません。

今回はただ水を凍らせるだけではない、奥深い製氷の世界とその維持管理の裏側や、ご家庭の水まわりとの関わりについてご紹介します。

氷の下に隠された驚くべき仕組みと、水の状態を完璧にコントロールする技術の重要性を覗き見てみませんか。

スケートリンクの基本的な構造と仕組み

スケートリンクの氷は、何層にも重なった水の層の最上部に位置しています。

その表面に見える氷を支えるためには、まず下の土台を完璧に冷やす必要があります。

そしてそこには、目に見えない冷却パイプの役割が必要不可欠です。

スケートリンクの底には、膨大な長さの冷却パイプが格子状に隙間なく張り巡らされています。

この冷却パイプの中に塩化カルシウム溶液などの不凍液(ブライン)を循環させ、床面全体を氷点下に保つのです。

その結果、あの大きな氷を安定して維持できているのです。

氷の層は一つひとつの厚みが約1mm以下と言われていますが、スケートリンクの活用法によって、層の厚みは変わります。

実は、スケートリンクを作る冷却システムは、一般的な冷蔵庫と同じ仕組み(蒸気圧縮冷凍サイクル)を大規模にしたような構造です。

冷蔵庫の中や冷凍庫の中を均一に冷やすためには、極めて高度な配管技術が求められます。

加えて、水まわりのトラブルを防ぐために配管の継ぎ目を処理する施工技術が、こうした大規模な冷却システムでも共通して重要視される要素となっています。

スケートリンクの氷を作り上げる精密な作業手順

スケートリンクを完成させるためには、数週間という長い時間をかけて少しずつ氷を育てていきます。

頑丈な氷を作るという作業に焦りは禁物です。

【氷を作るための具体的なステップ】

①床をマイナス温度まで十分に冷却する

冷却システムを稼働させ、コンクリートや砂の床面をマイナス10℃程度まで十分に冷却します。

②ごく薄く霧状の水を散布する

霧状の水を薄く散布し、ベースとなる最初の氷の膜を作成します。

このとき、厚く散布してしまうと表面が均一にならない可能性があるため、薄く散布することがポイントです。

③表面が凍結したかを確認する

薄く散布した水はすぐに凍結します。

凍結速度や本当にしっかりと凍結しているかを確認します。

④同じ工程を何十回も繰り返す

必要な厚みに達するまで、再び薄く水を撒いて凍らせる作業を何度も繰り返していきます。

この繰り返しの作業が、不純物や気泡の混ざりが少ない硬くて透明度の高い氷を作り上げるのです。

不純物や気泡の混ざりは美しさを損ねるだけではなく、割れやすくなるというリスクもあるのです。

⑤最終的に適正な厚みまで育てる

最終的な厚みは、どのような競技で利用するのかや、どのような用途で利用するのかで変わります。

また、最終的な厚みに達するまでに、リンクを白く見せるための水性塗料を均一に吹き付けて塗装する工程が入ります。

競技用のラインやロゴマークが必要な場合は、白く塗装した氷の上に直接ペイントされ、塗料が定着した後に、薄い氷の層を重ねて育て上げるのです。

参考:Building a Hockey Rink: Cold Temperatures, Water and Science┃PBS North Carolina

スケートリンクに使用する水の条件と透明度を高める理由

氷の透明度や滑らかさを左右する重要なポイントは、使用する水の質にあります。

不純物を取り除いた水を使用することが、ひび割れしにくい強い氷を作るための鍵となるのです。

使用する水の質による状態の違い

スケートリンクの製氷に使用する水の状態によって、仕上がりの氷には大きな差が生まれます。

水の種類氷の状態と透明度滑走への影響
一般的な水道水白く濁りやすく強度が低い氷の中に気泡やミネラルが残り、エッジで削れやすくなる
不純物を除去した水透明度が高くとても硬い気泡が少なく強固さを持ち、アスリートの激しい動きにも耐えられる
気体を取り除いた温水既存の氷と密着する温水がわずかに表面を溶かし、隙間に水が入り込んで再凍結するため、表面の傷を埋めることに適している

スケートリンクの氷はなぜ透明なの?

スケートリンクの氷が透明なのには理由があります。

製造過程で不純物や気泡を極限まで取り除くことで透明度は上がりますが、それだけでは透明度の維持ができません。

水を薄く重ねていくことで中に入り込む空気が逃げる時間を作る必要もあるのです。

そして、透明度が高い氷を作ることで、エッジのコントロール性が向上し、安定した滑走が可能になります。

氷の状態が悪かったり濁っていたりすると、転倒やケガのリスクが高まり、競技結果にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。

強度のために温度管理も必須

スケートリンクの氷の温度は、おおよそマイナス5℃前後(競技次第ではマイナス3℃前後)に保たれます。

冷やし過ぎると硬くなり過ぎ、転倒時の衝撃が大きくなり、逆に温度が高いとエッジが食い込み過ぎて滑走性が落ちてしまうのです。

この絶妙なバランス調整こそ、スケートリンクの氷を育て上げるうえで求められる職人技です。

整氷車による氷の整備

スケートリンクの氷は作って終わりではありません。

使用した後にそのままにしておくと氷の状態が悪くなるため、整氷車で氷のメンテナンスを行います。

試合や一般開放の合間に登場する整氷車は、氷の表面を削り、お湯を薄く塗布します。

これによりスケートリンクについた傷をリセットし、均一な滑走面を保てるようになるのです。

氷を常にベストな状態に保つためには、この再仕上げ工程が欠かせません。

スケートリンクと水まわりトラブルとの共通点

整氷で重要なのは、水量と排水管理です。

水が多過ぎればムラになり、少な過ぎれば傷が残ります。

これはご家庭の水まわり設備でも同じで、適量な水の流れの管理が配管などの水まわり設備の品質を左右します。

スケートリンクは巨大な水の設備です。

目に見えない場所で配管や温度、水質、排水、そのすべてが連動しています。

もしどこか一つでも狂えば、スケートリンクの氷はすぐに不調を訴えます。

これと同じように、みんなの町の水道職人が日常で向き合う水漏れやつまりトラブルも、予防と管理が何より大切です。

水は扱い方次第で最高の舞台にもトラブル源にもなってしまうのです。

ご家庭の水まわり設備も、スケートリンクの氷のように使用後のメンテナンスを行うことで、状態良く保てます。

水まわり修理のプロが答える氷と水まわりの疑問

製氷の技術や冬場の水まわりの管理について、皆様が抱きやすい疑問にお答えします。

Q1.なぜ整氷車はお湯を使用して作業を行うのですか?

お湯を使用することで、既存の氷の表面をわずかに溶かして、新しい氷と一体化させられるからです。

冷水を使用するよりも空気の混入を防ぎ、滑らかで硬い表面を作ることが可能になります。

Q2.自宅でスケートリンクのようなキレイな氷を作ることはできますか?

完全に再現するのは難しいですが、一度沸騰させて空気を可能な範囲で抜いた水を使用すれば、透明度の高い氷を作ることができます。

一度沸騰させるのは、水に含まれる空気などの気体成分を減らすためですが、すべてを除去できるわけではありません。

なお、ご家庭に浄水器がある方は、一般的に不純物が少ないとされる浄水器の水を使用することでも、透明度の高い氷を作ることができます。

また、冷凍庫の温度設定を少し高めにすることで凍るために必要な時間が増加し、不純物が中心に集まりやすくなり、透明な部分が増えます。

Q3.冬場に水道管が凍ってしまった場合どうすれば良いですか?

熱湯をかけて解凍しようとすると配管が破裂する恐れがあるため、タオル越しにぬるま湯をかけるか、ドライヤーでゆっくり温めてください。

スケートリンクの冷却管理と同様に、急激な温度変化は避けるのが鉄則です。

スケートリンクの氷は職人技の賜物

スケートリンクの氷は、高度に設計・構築された配管設備と、水の性質を熟知したプロの技術によって生み出される芸術品です。

不純物を排除し、温度を精密に管理することで、初めて安全で美しいスケートリンクが完成します。

このような「水をコントロールする技術」は、皆様のご家庭の水まわりを快適に保つ技術とも深く結びついています。

もし、ご自宅の蛇口の不調や配管の凍結、あるいは水漏れなどのトラブルへの不安といった、水まわりのトラブルにまつわるお悩みがあれば、いつでもみんなの町の水道職人にご相談ください。

私たちは水まわりの専門家として、皆様の日常に寄り添い、確かな技術でトラブルの解決策をご提案いたします。

監修者

宮里 勇一

主任

宮里 勇一

《略歴》

2017年株式会社N-Visionに入社し弊社指定の社内研修受け、高い技術力と知識を得る。
現在年間約600件の現場で緊急トラブルの対応を行う緊急メンテナンスのプロフェッショナル。
様々な現場を対応した経験を活かし、コラムでは水回りのトラブル時に家庭でできる対処法やアドバイスなどをお伝えします。
水回りトラブルでお困りでしたら「みんなの町の水道職人」にお任せください。

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